- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094522150
作品紹介・あらすじ
ある日、マッケニア伯爵家から届いた夜会の招待状。何故かサアラは、大好きなジェイクと離れることを承知で出かけて行く。その理由とは…?一方、ある少女の幽霊を追ってマッケニア伯爵家に来たジェイクは、そこで驚くべき状況に遭遇して!?華やかな夜会に隠された秘密と、少女の幽霊を縛る未練とは?赤い糸ならぬ手錠で繋がれた夫婦の恋は、過激に進展中。
感想・レビュー・書評
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「複雑怪奇な思考回路」「嘘吐きで性格が悪い美人」を自称するヒロイン。こんな破天荒な主人公って、今まで読んだことないぞ。2巻までは、訳が分からないと思っていたが、この巻ではちゃんと一本筋が通っていることが分かってきて、面白くなってきた。相手役のジェイクは自分の仕事を責任をもってやり通す、人には媚びないが根本的に優しい人物。こんな人物じゃなければ、無茶苦茶なサアラを受け止めることはできないだろう。うわべなんか見ないで、ずばっと内面を衝くジェイクも凄いかも。またまた他領地での幽霊騒動に巻き込まれるサアラとジェイク。サアラの友人のフィナは意外と普通かも。無茶苦茶な話っぽいんだが、ある意味真実を衝いていて、なんか元気を与えられるんだよなあ。
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かわいいかわいいアシェリーゼお母様が
余裕の一番人気ですぅ
性格の悪い息子の嫁はひざまずいて
悔い改めるですぅ
というのを思い浮かべたAA付きで
疑問を書いておくと目枷足枷をつけたのは誰だったのだろう
まじめに感想かくと
なるほどこの主人公は突飛である私が間違っておりました
有閑階級はすることが違う
そういうキャラクタとか話の展開とか描写はすごく良いと思うのだが
前巻でも書いたけれどもうひとつ背景に魅力がない
つまり話として素直に楽しめない(例として恐縮だが『囚人リク』のような意で)
愉快な仲間(愛玩対象とか下僕も含む)が増えたのは良いが
いろいろ惜しい作品だ -
夜会の招待状に、快く応じた主人公。
そこには、丁度夫も別件で行く事になっていた。
何だか最初からおかしい、と思っていましたが
まさかそのために、の承諾だったとは!
いやさすがというか、そうでしょうと肯定するべきか、な
初っ端からの、主人公の行動。
自分の見せ方と言うか、周囲の見方を熟知した行動。
素晴らしい! としか言いようがありません。
しかし今回はすごいです。
人間思考回路が読めない時はありますが
主人公はさらに付きぬけてくれてます。
そのせいで、手錠繋がり…。
この夫婦、一体どこまで付きぬけていくでしょう?w
井の中の蛙であった、招待主。
非常に分かりやすかっただけに
愚かとしか言いようがありません。 -
〝「女性の都合に合わせて動くような、つまらない王子様に成り下がってほしいとは思いませんの。そんな安い王子様は、巷に溢れている恋物語の中で、頭の悪いお姫様を口説いていればよろしいわ。」〟
(P.149)
女の子は、お姫様扱いされて守られているのが一番幸せなどと思われるのが、虫唾が走るほど嫌なサアラ。
彼女は、やっと得られた幸せを自ら守るため、今日も暴走する! -
マッケニア伯爵家から夜会の招待状が届き、何故かサアラは、大好きなジェイクと離れることを承知で出かけて行く。その理由とは…?
サアラ、ついにそこまで……。
いろいろ型破りなヒロインでしたが、今巻も期待を裏切らない彼女でした。
肉食獣のようなサアラと、手綱を握るジェイクの組み合わせがすごくマッチしていて好きです。
なんだか、すごくおもしろい。 -
あー怖かった(笑)
どんどんアウラが人間離れしていく様子がとても怖く、前に一番恐ろしいものは生きた人間って言ったのがわかる気がしました...。ちょっと怖すぎて途中でよくわからなくなりました。1巻と比べてアウラの性格設定が変わってきている様な気がしました。
まぁ面白かったのですが、ちょっと矛盾してる箇所もあったりしてもう一度読みたいとは思いませんでした。 -
“「では、参りましょうか」
最後に愛らしく微笑んで、サアラはエリオスに歩み寄り、腕を取った。
「何するんだよ!」
エリオスは、すごい勢いでサアラを振り解く。
「何って、そのためについて来て下さったのでしょ?」
にっこりと微笑んで、サアラは再びエリオスの腕に手を回した。
「それとも、お父様が傍にいないと不安ですの?」
「なっ……そんな……わけないだろ」
仏頂面に戻り、ぷいと顔を背ける。しかし、もう腕を振り解こうとはしないあたり、扱いやすい少年だ。サアラは可笑しそうにくすくすと笑う。
「頼もしいですわね。もしも私が怖い人に苛められたら、どうか守って下さいな」
「そんな命知らずが、この世のどこにいるんだよ」
エリオスは呆れたような半眼で、サアラを見下ろした。”[P.35]
3巻目。
合理的拘束とか思いつ。
殺意に走る主人公お嬢様なんて初めてだ…!
一番可愛いのはアシェリーゼさんに違いない…。
他の女の子みんな色んな意味合いで強すぎる。
知り合いには欲しいけど絶対敵に回したくない。
フィナちゃんも増えて次が楽しみ。
“「お嬢様のいない世界で、どうして俺が生きていけると思うんですか!俺が要らなくなったなら、はっきりそう言って下さい。今すぐ死んでやりますよ!!」
混乱したまま、ほとんど脅しのように怒鳴る。
「お嬢様に拾われた時、俺の人生の全てをこの人に捧げようと決めたんです。お嬢様のいるところが、俺の居場所だ。だからもう……俺の前からいなくならないで下さい」
『私は……あなたに何もしてあげられないよ』
フィナは諭すような目でヴォルグを見上げた。
「そんなのどうでもいいんです。どうか俺を、お嬢様の傍に置いて下さい」
睨むようにフィナを見つめ、ヴォルグは必死に懇願する。握り締めた拳が微かに震えた。
『本当にそれでいいの?』
「そうしたいんです。ダメだと言うなら、死んで幽霊になって、お嬢様に付きまといます」
その言葉を聞き、フィナは啞然とした顔でヴォルグを見上げてきた。そして弾かれたように吹き出すと、体を前に折って、くっくと笑う。
ひとしきり笑うと、フィナは顔を上げてヴォルグを見た。
『分かった。いいよ、傍にいても。うん……傍にいて』
フィナは観念したように、目を閉じて微笑んだ。”[P.240]
20160811 再読