新編日本古典文学全集 (21) 源氏物語 (2)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096580219

感想・レビュー・書評

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  • 京都女子大学図書館での請求番号は、「913.369/Mu56/2」、「918/N71a/21」です。

    ☆第一回プレビブリオバトル(テーマ:ドキドキする本)

    みんな大好き源氏物語!作中での憂いを秘めた光源氏と、彼の無二の友人である頭の中将とのただならない関係にドキドキします。

  • 葵・賢木・花散里・須磨・明石・澪標・蓬生・関屋・絵合・松風・薄雲・朝顔
    源氏ゼミ
    2012年度春学期:澪標・蓬生・関屋・絵合・松風
    2012年度夏合宿:薄雲・朝顔・少女・玉鬘

  • 源氏物語(2)は葵〜朝顔までを収録。

    全編にわたり、光る君の恋の鞘当てが繰り広げられる。
    この巻での最大のヤマ場は「薄雲」。
    光る君と藤壷の関係を、ふたりの不義の子である帝が知ってしまう場面。

    ここで気になったのが、源氏物語における天皇観。
    帝は、自身が光る君の子であることを知ってしまったあと、実の父である光る君に親王宣下により帝位についてもらおうとする。
    皇族とはいえ臣下となった者を帝にするという大胆な発想を提起。
    本文では、
    「唐土には帝王の血筋が乱れている例がまことに多いのであった。しかし日本にはそうした前例をお見い出しになれない」

    と、日本の帝の血筋が保たれてきた歴史をふりかえりながら、以下のように続ける。

    「よしんばあったとしても、このような秘密のことをどうやって後世に知るすべがあろうか。一世の源氏が大納言や大臣になってから後、あらたに親王宣下を受け、帝位にお即きになった方もその例はたくさんあるのだ」
    と、皇室の持つ「魔法」を解いて権威を白日のもとに曝すような態度である。

    源氏物語の制作者が、皇室と対立関係又は、皇室の権威に対する批判者的な立場の人間であった事を示唆しているのではないかと思った。

    出版当時に皇室にとってマイナスイメージが大きい文学作品を世に出すことができた、平安時代の自由な空気について考えていきたいと思いました。


    また、あまり本旨と関係ないとは思うのですが、各物語の最後には大抵エピローグを描いているのが素晴らしい。
    物語的決着をした後の登場人物の行動や顛末が、読後の余韻として残り、登場人物たちをより身近に感じることができるという効果を生み出していると思いました。

    (2)巻もかなりオススメです。

  • 第二巻には、葵から賢木、花散里、須磨、明石、澪標、蓬生、関屋、絵合、松風、薄雲、朝顔までの12帖を収録。桐壺帝の譲位による朱雀帝即位後の、光源氏22歳の春からの波乱に満ちた10年間が展開する。

    この中では、生霊となって夕顔や葵の上を死なせた六条御息所の恐ろしさにビビってしまう。だが、「賢木」の巻で源氏が野の宮に訪れる部分を読むと、かえって同情してしまう。印象に残る場面だ。林真理子さんが『六条御息所 源氏がたり』で六条御息所を語り手に選んだのも、その女性的な心根に感銘を受けたからではないかと思う。


    底本:伝定家筆本・伝明融筆臨模本・飛鳥井雅康筆本(古代学協会所蔵, 通称「大島本」)等。

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