教えてコバチュウ先生! 琳派超入門

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 52
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096823408

作品紹介・あらすじ

日本美術の本流=琳派の魅力を楽しく解説!

日本美術の中でもひときわ人気の高い美術様式「琳派」。狩野派や円山四条派といった直接的師弟関係から発展した画派ではないこともあり、「琳派とは何か?」を定義づけするのはなかなか難しく、「本当はよくわからない」という美術ファンも少なくありません。本書では、この説明しづらい「琳派」の概要を、俵屋宗達と本阿弥光悦、尾形光琳・乾山兄弟、酒井抱一と鈴木其一、神坂雪佳という中心的存在となる絵師を軸に、さまざまなエピソードを交えながら、コバチュウ先生こと、日本美術史家小林忠先生が、完結かつおもしろおかしく説き明かしていきます。
だれもが知る『風神雷神図屏風』誕生の舞台裏とそこに秘められた宗達の制作意図は?、琳派を代表する名作『燕子花図屏風』は何が画期的だったのか? 宗達、光琳、抱一と百年ごとに登場する天才絵師と、彼らが「模写」する形で時代をつないでいった、琳派芸術の根底に流れる変わらぬ美意識とは? 等々・・・。
「琳派」が何故、日本美術の本流といわれるのか、その意味、そしてその素晴らしさを、前作『浮世絵超入門』同様、コバチュウ先生による軽妙な語り口調風文章で、優しく解説した、楽しい美術入門書です。

【編集担当からのおすすめ情報】
1,日本未公開である、尾形光琳の『富士三壺図屏風』を日本の出版物で初掲載します。
2,11月14日より、東京日本橋のアーティゾン美術館で開催される「琳派と印象派」展の監修者、小林忠氏が本書の著者であるため、展覧会の内容とリンクした「市民階級に育まれたアート 琳派と印象派」という章を設けています。また、この展覧会会場での、本書の発売も検討中です。
3,上記、尾形光琳の日本未公開作品に加え、国宝6件、重要文化財10件の貴重な作品画像を掲載しています。

感想・レビュー・書評

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  • 琳派が何が分かっていない私にはうってつけの本だった。コバチュウ先生ありがとうございます。

  •  このような分野は図書館の新着コーナーで目にしなければ手にしない。これが図書館の醍醐味だ。
     日本や中国の工芸品や美術品を目にして思うのは、欧州等の他の地域と比較して宗教色がないところがいい。宗教色のある作品を否定しようという意図はない。欧州といっても印象派は違うかな。
     なるほど琳派とは安土桃山時代から町衆を中心に、私淑(師弟関係なしに時間を隔てて作品から後世が作風を学び引き継がれる)で受け継がれた芸術だという。
     それにしても雑草や動物など、日常目にする対象物をこれまできらびやかに作り込むというのは、なんとも贅沢なことだと感心してしまう。

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学美術史学科卒業、同大学院修士課程修了。東京国立博物館絵画室員、名古屋大学助教授、東京国立博物館調査室長・情報調査研究室長を経て、現在、学習院大学教授、千葉市美術館館長、美術雑誌『國華』編集委員。
若冲はじめ玉堂・抱一など研究対象の豊富な近世絵画、春信・歌麿・北斎らが絢爛と活躍した浮世絵、それらの研究を主導し、独自の小林史観を確立。伊藤若冲の魅力をいち早く公に紹介したり、はじめて「春画」を学術研究の対象として扱うなど、その功績は大きい。

「2010年 『江戸の絵画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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