チューリップ

著者 :
  • 小学館
4.07
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本棚登録 : 399
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784097267492

作品紹介・あらすじ

チューリップの成長がわかる科学絵本

自然観察の絵本で評価の高い荒井真紀さんの新刊『チューリップ』。

チューリップは、小学校でも授業の一環で、球根を植えて自然観察をしますので、子どもたちにとても身近な植物です。

春かわいらしい花を咲かせているのを見て、植えようと思っても、遅すぎます。秋に球根を植えて、じーっと待たないと花を咲かせることはできません。では、球根は、地面の中で、どのように変化しているのでしょうか? どのように冬を越すのでしょうか? 土の中の出来事は、ほとんど見ることができませんが、細かに表現されたイラストでのぞいてみましょう。小さな目が成長するさまや、花が咲いた後の変化は、地上とは、違った生命の営みを感じられます。

お子さまといっしょに自然観察をする際にも、最適な一冊です。


【編集担当からのおすすめ情報】
荒井真紀さんは、夏の課題図書となった『ひまわり』、2017年度ブラティスラバ世界原画展の日本代表に選出された『たんぽぽ』と、自然観察絵本では大変評価の高い作家さんです。

感想・レビュー・書評

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  • “あか きいろ むらさき。
    はるに きれいにさく チューリップ。

    あきになったら チューリップの きゅうこんを うえましょう。
    つめたい ふゆを つちのなかで すごして はる、めを だします。

    つちのなかで、きゅうこんは、どうなっているのでしょうか?”


    チューリップが、球根から土の中で寒い冬を経て、春に可憐な花を咲かせ、土の中で新しい球根を作り出し、そしてまた次の秋を迎えるまでを、繊細な筆致で丁寧に描いた科学絵本。
    巻末に作者の言葉で、「チューリップの球根を植えてみませんか?」とあり、実際に自分でもチューリップを育ててみたくなる。

    種で増やす植物よりもさらに育ち方がわかりにくい(と私は思う)球根の育ち方、育て方が丁寧に描かれており、大人でも意外と知らないもので勉強になる。(私が知らないだけかもしれない。)
    そういえば、球根を切った断面などおそらく見たことがなかったし、土の中で栗が大量に白鬚を生やしていくような根の成長の仕方も面白い。栗の仙人みたい!
    「球根は冬の寒さに当たらないと春に芽を出すことが出来ないのです。」
    桜の蕾などもそうだろうから当たり前っちゃ当たり前のことかもしれないけれど、改めて言われると、おお―そうなのかーと妙に感心してしまった。
    土の中の断面図で、芽が伸びていく姿が見られるのが面白い。地上の部分は自分でも見られる機会が多いけれど、地下部分の更に断面図は、そうそう見られるもんじゃないから。
    チューリップの花は、朝開いて夜閉じるのね。寒い日や雨の日は、ずっと閉じているのね。
    花が最盛期を迎えた後、地下では今までの球根は力を使い果たし、新しい球根を育てている。それは、葉っぱの仕事だ。花にばかりフォーカスしがちだけど、葉っぱってとっても大事!
    作られた球根は葉がすっかり枯れたら掘り出し、夏の間は涼しくて暗いところにしまっておくそうです。その間も、球根の中では新しい目が育ち続けています。
    そしてまた秋になったら…。

    色々勉強になりました。そしてまんまと植えてみたくなりました。
    ところで、うちにもチューリップが植わっているのですが、「植わっている」と表現したように、ずーっと植わりっぱなし、花が終わっても掘り起こしもせず、放ったらかしです。それでも、チューリップくんは毎年律儀に咲いてくれています。掘り起こさなくてもいいのかしらん??
    そして、種子植物に対して、球根の植物ってなんなの??と思ったので調べてみたのですが、球根の植物も種子植物なのですね。チューリップにもちゃんと種子があって、球根は、種子の状態から6年位育てたものだそうです。種から育てると開花までにとても時間がかかるので、球根の状態で出回っているそうです。知らなかったー。皆さんは御存知でしたか?

    大人になるまでにスルーしてしまったもの、あるいは忘れてしまったものを教えてくれる優しい科学絵本たちなのでした。

    繊細な筆致で植物を描く、『ひまわり』や『たんぽぽ』などもある荒井真紀さんですが、駒澤大学仏教学部禅学科卒業だそうで、面白い経歴だなぁ。
    1984年 第1回国立科学博物館主催ボタニカルアート展佳作に入選だそうで、ボタニカルアートという言葉に、一連の作者の作風に共通したものを見いだせて、妙にしっくり来たのでした。ボタニカルアートと言えば、私は牧野富太郎先生が思い浮かびます。素敵ですね。

    ちなみに読み聞かせは約6分。

  • 秋、土に植えられたチューリップの球根が根を出し、成長して花が咲き、また次の球根ができるまでが描かれています。

    つい美しい花に目が行きがちですが、土の中にある球根の変化がとても興味深く勉強になりました。
    驚いたのは花が終わり葉が枯れた後掘り出した球根が時間をかけてゆっくり芽を作っていく様子。
    自然って不思議で素晴らしいなと思いました。
    実際に見えない土の中の球根の様子が分かってよかったです。

  • 球根から始まって、次の球根へ、チューリップの1年間。絵がとても美しく、大人でも知らなかったことをしっかりと学ぶことができる。

  • 色とりどりのチューリップの絵がとても綺麗。
    文章が簡潔で、絵も分かりやすいので、読み聞かせにも使えます。

  • 5歳

    おうちのチューリップが咲いた時に読みました。
    チューリップの成長がよく分かる。
    花が枯れてもこどもの球根育てる!とやる気。

  • こどものすきなシリーズ。チューリップは冬の間こうして過ごしているのね。

  • 子供と一緒にチューリップの球根を植えて、絵本を読んだ。地上だけじゃなく、土の中の球根の変化が丁寧な絵で描かれていて分かりやすい。一年を通したチューリップの成長の様子を知ることができて、子供も大人も理解が深まった。

  • 3月、一年生に。
    「チューリップ植えたー!」ということなので。育てているだけでは見ることができない地中の球根の様子に、ページをめくる度にいろんな感想がとぶ。

  • 3月、一年生に。
    「チューリップ植えたー!」ということなので。
    育てているだけでは見ることができない地中の球根の様子に、ページをめくる度にいろんな感想がとぶ。

  • 息子評価
    自分で読んでた

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著者プロフィール

荒井真紀 1965年、東京都生まれ。16歳より故・熊田千佳慕氏に師事する。自然科学専門の編集プロダクション勤務を経て、フリーのイラストレーターに。自然をテーマにした雑誌や書籍の挿絵の仕事をしている。絵本に『あずき』『じゃがいも』(ともに福音館書店)『あさがお』『ひまわり』『たんぽぽ』(以上、金の星社)『チューリップ』(小学館)などがある。2017年『たんぽぽ』でブラティスラヴァ世界絵本原画展・金のりんご賞受賞。

「2020年 『まどのむこうの くだもの なあに?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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