心を豊かにする言葉術 (小学館101新書)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251148

作品紹介・あらすじ

言葉の力を信じていく。名アナウンサーの著者が、10人の達人と語る豊かな日本語の世界。

感想・レビュー・書評

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  • 読後に入院していた親父に貸した。断固とした頑固爺を自認する著者が、言葉を大切にすることで守られる概念がある。NHKのアナウンサーとして言葉を使っていた自負が滲む。

  •  このところ読書のペースが落ちていたので、ちょっと気楽に読める本として選んでみました。
     テーマは「言葉」。元NHKアナウンサーの松平定知氏と10人のゲストとの対談です。
     山根基世さん、藤原正彦さん、姜尚中さん、鴨下信一さん、半藤一利さん、檀ふみさん、ジョン・カビラさん、佐高信さん、落合恵子さん、そして、田辺聖子さん。これらゲストの面々も松平氏に輪をかけて一家言ある方々ですから、なかなか辛口のコメントも登場します。
     そういうやり取りもおもしろかったのですが、評論家佐高信氏との対談の章で紹介されていた詩人吉野弘さんの作品「祝婚歌」は、私にとって素晴らしい発見でした。

  • 吉野弘「祝婚歌」
    二人が睦まじくいるためには
    愚かでいるほうがいい
    立派すぎないほうがいい
    立派すぎることは
    長持ちしないことだと気付いているほうがいい
    完璧をめざさないほうがいい
    完璧なんて不自然なことだと
    うそぶいているほうがいい
    二人のうちどちらかが
    ふざけているほうがいい
    ずっこけているほうがいい
    互いに非難することがあっても
    非難できる資格が自分にあったかどうか
    あとで疑わしくなるほうがいい
    正しいことを言うときは
    少しひかえめにするほうがいい
    正しいことを言うときは
    相手を傷つけやすいものだと
    気付いているほうがいい
    立派でありたいとか
    正しくありたいとかいう
    無理な緊張には
    色目を使わず
    ゆったり ゆたかに
    光を浴びているほうがいい
    健康で 風に吹かれながら
    生きていることのなつかしさに
    ふと胸が熱くなる
    そんな日があってもいい
    そして
    なぜ胸が熱くなるのか
    黙っていても
    二人にはわかるのであってほしい
    落合恵子:オーストラリアのフェミニスト、ジュディ・スモール「Mothers, Daughters, Wives」

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著者プロフィール

1944年東京生まれ。元NHKアナウンサー。「連想ゲーム」や「その時歴史が動いた」「NHKスペシャル」などで活躍。近年は「下町ロケット」のナレーションも担当。徳川家康の異父弟・松平定勝を祖とする伊予松山藩久松松平家の分家の末裔。京都造形芸術大学教授、國學院大學客員教授を務める。歴史に関する著書多数。

「2020年 『一城一話55の物語 戦国の名将、敗将、女たちに学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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