私たちの国に起きたこと (小学館新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252497

作品紹介・あらすじ

少女が立ちつくした焦土・東京の無情と人情

1945年3月、11歳だった海老名さんは、疎開先で東京が空襲を受け焼け野原になったことを知る。願いもむなしく、両親・兄弟は亡くなっていた。
突然一人きりになってしまった少女は親戚を頼るが、どこでも「邪魔者」扱いされ、各地を転々とすることに。ずっと胸に抱いていたのは、疎開の日にかあちゃんが持たせてくれたお守りと、父ちゃんが疎開先に送ってきた手紙。そしてかあちゃんの「かよこは強い子。明るく生きていくのよ」の言葉。
ある日、釣竿の名匠だった父のかつての顧客・三遊亭金馬と再会、家にいれてもらうことに。そこで出会った林家三平と結婚、4児をもうけるが、やっとつかんだ幸せもつかの間、三平ががんで死去。おかみさんとして一門を支えていくことを決意する。それでも続く戦争への怒り。
長男・正蔵のテレビの仕事で生まれて初めて出かけた「家族の仇」アメリカの地。そこで、足を引きずるアメリカ人老紳士と出会う・・・・・・。
海老名さんの過酷な半生を通して綴る、なかなか語られることの少ない東京大空襲の真実と、その後の日本人の苦悩と再生の物語。涙なくしては読めない、感動のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 代々続く釣竿づくりの家に生まれた著者が、東京大空襲を経験。親戚の間をたらい回しにされながらも、林家三平と結婚。三平の死を乗り越えて生きた反省を綴る。東京大空襲の悲惨さ、その後、父母のいない中で、どんな目に遭ったのか、など貴重な証言が語られる。
    非常に読みやすいので、若い世代にも読んでもらいたい本である。

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著者プロフィール

1933年東京本所生まれ。絵本作家、作家。林家三平と結婚。三平師匠の死後、一門の30名の弟子を支える。株式会社ねぎし事務所代表
主な著作に『ことしの牡丹はよい牡丹』文芸春秋(1983年)『うしろの正面だあれ』金の星社(1985年7月)『子供の世話になって死んでいきます』海竜社(2011年)など。

「2023年 『戦争は弱者を犠牲にする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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