中国不要論 (小学館新書 み 8-3)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252831

作品紹介・あらすじ

仮想敵国に経済依存すれば、属国化する!

中国経済が失速して、株価が大暴落したのが2015年のこと。しかし、中国共産党による介入で再び不動産バブルが起こり、そのバブルが崩壊するのは時間の問題とされている。そんな状況下でも中国共産党政府は、まさにやりたい放題だ。日本の領海や領空を頻繁に侵犯したかと思えば、南沙諸島を不当に埋め立てている。日米やASEAN諸国からどれだけ批判されようとも、中国側は岩礁埋め立て、軍事基地を次々と建設し、南シナ海を囲む「九段線」の実効支配を進めている。
ところが、日本の大手メディアは中国に対し、及び腰だ。実は日本の新聞社やNHKをはじめとするテレビ局は「日中記者交換協定」というものを結んでおり、中国に対して不利な報道をしないように決められているのだ。だから、中国の真実について報じようとしない。そればかりか「中国なしでは日本経済は成り立たない」などとミスリードを連発し、ビジネス界でも当たり前のように受け入れている。果たして本当なのか。 公式データを元に調べて見ると日本は中国に経済依存などしていないし、むしろ中国と付き合うことのリスクの方が高いことが窺える。日本経済は中国がなくともまったく困らないのだ。

【編集担当からのおすすめ情報】
著者の三橋氏は中国ウォッチャーの第一人者としても知られていますが、単なる感情論ではなく、膨大なデータを読み解きながら、客観的に中国の現状と将来を分析しています。こちらが気が付かなかった視点も多数あり、なるほどと納得させられること請け合いです。

感想・レビュー・書評

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  • グローバリズムの世界では、人材を育てるという発想そのものがない。
    本来は自国に存在した資本が、外国に移ってしまう。
    日本の観光地は、別に外国人のためにあるわけではない。
    そもそも中華人民共和国とは、中国人民解放軍が武力を用いて蒋介石の中華民国を乗っ取ることで成立した国だ。決して、中国人民の民意に基づき建国された国ではない。

  • もうすぐ20年になろうとしていますが、以前、中小企業診断士という資格取得を目指して勉強をしていた時代があります。この資格は地味な資格で、この本の著者の三橋氏ほど本を書かれていて売れている人はいないと思います。なので、彼がデビューした10年ほど前から、殆どの本を手に取っているので、今回も読むことにしました。

    このタイトルはいかがなものかと思っていますが、彼は、具体的な根拠・データ無しでは奇抜なことを書かないと思っています、実際に韓国経済が低迷したときは本でしっかりと証拠をあげて述べています。

    数年前から中国語を勉強を始めたこともあり、実際に中国との往復をしている中国人、日本人と実際にお話しすることがありますが、中国の都市部では進歩のスピードが日本人の想像を絶するもので、頻繁に往復している人でさえもその変化に驚いているようです。また中国共産党が一党独裁ですが、そこに上り詰める人たちは、日本の場合と異なって、理系の人も多く、単なる商売の国というイメージとは違うような気もします。

    この本の内容を鵜呑みにすることなく、かといって完全否定するわけでもなく、中国も日本もこれからそれなりに発展して、お互い重要な関係になると思いますので、それらを見守っていきたいと思いました。私も一度、中国へ行って自分の目で、どんどん変わりつつある中国を見てみたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本の対中依存度(=財の対中輸出額÷名目GDP)は、2.8%である。台湾(15.5)、韓国(10.3)と比較して低い、ドイツ(2.6)と同レベルである(p13)

    ・産業革命前は、生産物の量を増やすためには、土地を拡大する必要があった、戦争や開墾以外に、ほとんど方法がない、革命後の世界では、代わりに「資本」「労働」「技術」の生活活動の3要素および、「需要」「資源」の5つが、土地の代わりに必要になった(p27、28、36)

    ・所得創出のプロセスとして、「モノ・サービスの生産」「消費・投資」「所得」の3つは必ず等しくなる、豊かになるとは「所得」が増えること(p27、63)

    ・明治期の日本には巨大な戦艦を建造する能力がなかったので、日清戦争における連合艦隊の旗艦「松島」はフランスの造船所、日露戦争の旗艦「三笠」はイギリス製であった(p40)

    ・日本の国債は円建てなので、政府の子会社の日銀に日本円を発行させて、国債を買い取らせることで解消できる、実際にそうしている、借金は政府の借金であり、国民が債権者である(p43)

    ・2015年の難民、移民問題を受けて、現在は各国が国境検査を復活、シェンゲン協定は、なし崩し的に有名無実化している(p51)

    ・中国の高速鉄道の営業距離は2万キロを上回っており、日本の新幹線(3300キロ)の7倍の鉄道網を整備している(p66)

    ・日本軍とろくに戦っていない中国共産党が2015年9月3日に天安門広場で「抗日戦争勝利70周年」の記念軍事パレードをするのは失笑もの、70年前は中華人民共和国は成立していない(p69)

    ・日本が大東亜戦争で敗北したのは、アメリカに対してであり、イギリス・オランダ・中華民国に負けたわけではない(p70)

    ・造船衝突事故の日本は、レアアースの使用頻度を引き下げ、更にレアアースのリサイクル技術を開発した、それにより2010年から1年間で34%輸入が減った、オーストラリ等の調達先を開発した、最終的にはWTOに対して輸出規制を提訴、2015年1月には輸出枠撤廃、関税撤廃に追い込まれた(p91)

    ・南鳥島沖のレアアース泥は、中国の陸地のレアアースの20-30倍程度であり、わが国年間消費量の200年分以上になる(p92)

    ・日本の食料自給率は、カロリーベースでは39%、生産額ベースで66%であり、先進国屈指の低さである。引き下げている原因の一つに、中国からの食料輸入拡大がある(p101)

    ・日本の失業率が下がっているのは、少子高齢化の進展により生産年齢人口比率が低下しているから。生産年齢人口の減少ペースは、総人口の4-5倍のペースで進んでいる(p140)

    ・少子高齢化により生産年齢人口が低下する日本は、超人で不足が深刻化し、ドローン、ロボット、自動運転、パワードスーツ、AIなどの技術投資による生産性向上を迫られる、これが国民経済を成長させる(p144)

    ・日本全国の「市区町村所得ランキング2015年」において、港区・千代田区に次いで、北海道の北にある「猿仏村」は、3位につけている。芦屋市、中央区以上である。ホタテが日本一の水揚げ、労働(中国人労働者)と需要(中国市場)を完全に中国に渡した結果である(p159)

    ・将来的には廃止する方向であるものの、アメリカでは刑務所が「ビジネス」になっている、その会社には富裕層が投資して配当金収入を得ている、受刑者一人の年間「売上」が600万円というところもある(p180)

    ・フィリピンは1992年に駐留していた米軍をすべて撤退させた、その途端に中国は行動を起こし、フィリピンが実効支配していた、南沙諸島のミスチーフ礁に中国が建造物を建設、瞬く間に実効支配するに至った(p198)

    ・中国で信用できる指標として、電力総発電量、鉄道貨物輸送量、輸入総額、がある、輸入総額がマイナス14%、経済成長率6.9%@2015とすれば、超デフレーションになっていないとオカシイ(p204)

    2018年5月5日作成

  • 確かに人件費の海外移転は意味はあまりない。

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著者プロフィール

東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業、NEC、日本IBMなどを経て2008年に中小企業診断士として独立、09年に株式会社三橋貴明事務所を設立した。
2007年、インターネット上の公表データから韓国経済の実態を分析し、内容をまとめた『本当はヤバい!韓国経済』(彩図社)がベストセラーとなる。その後も意欲的に新著を発表している。単行本執筆と同時に、雑誌への連載・寄稿、テレビ・ラジオ番組への出演、全国各地での講演などに活躍している。また、 当人のブログ「新世紀のビッグブラザーへ」の1日のアクセスユーザー数は7万人、推定ユーザー数は21万人に達している。2012年1月現在、人気ブログランキングの「政治部門」1位、総合ランキング2位(参加ブログ総数は約90万件)である。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
主な著書に『国民の教養』(扶桑社)、『疑惑の報道』(飛鳥新社)、『2012年大恐慌に沈む世界 蘇る日本』(徳間書店)、『増税のウソ』(青春出版社)、
『三橋貴明の「日本経済」の真実がよく分かる本』(PHP研究所)などがある。

「2012年 『ユーロ崩壊!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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