血の轍 (6) (ビッグコミックス)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098603862

作品紹介・あらすじ

静一がママとの棲み家へ、恐怖の帰宅!?

「女」として自分に迫りくる吹石さんを
すんでのところで拒否した静一。
それは脳裏に数多のママが過ぎったから・・・

「ママを・・・ママを裏切るわけにはいかない!」

しかし帰宅した静一には
ママの凄絶な告白と追及が待ち受けていた!!



【編集担当からのおすすめ情報】
単行本累計部数怒涛の70万部突破!(紙+電子版)
究極の毒親の愛は、息子の初恋相手をも粉砕してしまう!?
驚愕にして圧巻の展開が待ち受ける最新巻です!!

感想・レビュー・書評

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  • 魔性にして聖女、最恐の毒母を描いた作品。下手なホラーよりよっぽどサイコホラーで闇が深いホームドラマかつヒューマンドラマ。

    他の読者や吹石が言うようにたしかに静子は怖くて気持ち悪い。
    息子を容赦なく問いただす鬼気迫る表情や軽蔑に顔を歪めて吐き捨てる一言には狂気すら感じる。

    しかし私たちは一方的に彼女を非難できるだろうか?

    巻末にはアルバムの写真や静一の作文、夏休みのしおりなどが挟まれ、それがなんともいえない複雑な余韻を残す。
    アルバムの写真やそこに添えられた一言を見る限り、静子がどうしても最初から狂っていたとは思えない。
    幼稚園に付き添うのは確かに過保護だが、子ども時代を思い出して見ればそんな母親はクラスに一人はいたし、その全てが家庭に破綻をきたしたわけでもない。
    あの事件が起きるまで、静子は少し過保護だがどこにでもいる母親だった。あの「朝はん肉まん?あんまん?」のやりとりなどは非常にリアル。毎朝手をかけて朝ごはんを作る母親ってそうそういないよね、冷凍もので済ませるよね……。
    きっと事件が起きなければ異常さが目覚めることなく、静一とも特に問題ない親子関係を築いていたはずだ。
    静子が親に愛されなかったアダルトチルドレンであると過去が提示されたが、それとて現時点では本人の証言のみにとどまっているので、どこまで信用できるか怪しい。

    静一の夏休みの日記は、静子の告白と合わせて胸が痛くなった。
    毎日いとこと遊んだで埋め尽くされる栞を見て、たまらなくなる気持ちはよくわかる。
    子どもを産んで育てたことない私でさえそうなのだから、その張本人に目の前で過保護と馬鹿にされふざけられたら……絶対に魔がささないと言えるだろうか?
    もし「絶対にそんなことはしない」と断言できる人は想像力を欠いた偽善者にしか思えない。

    静子は異常だ。それはそうだ。静子は狂ってる。おそらくそうだ。
    だがその狂気は、私達の身近に潜んだ理不尽や抑圧の軋みだ。
    関係が狂いだしてからの息子への過剰な執着と、最新刊での近親相姦的なスキンシップを見ると、理想とされる母親の枠組みからはみ出してしまった彼女が逃避先と新たな依存先を求めているようにも思える。
    仮にそうだとしても息子への仕打ちは心理的そして性的な虐待であり、到底被害者とは言えないが、以前の静子が美しく優しい母として描かれているだけにやるせない。

    あと作中だれも指摘しないのだが、中学生の息子がいるわりに静子は若くキレイすぎないだろうか……
    アレが中学生の母親の平均レベルだったら顔面偏差値が高すぎるこの世界。

    もう一点気になったのは、中学二年生の静一が性に対して無知というか、鈍感すぎること。
    学校に行ってればフツウに保健の授業で習うだろうに、「なんだこれ」って反応が幼すぎる……
    もし静子が故意に性的なものから遠ざけてきたのだとしたら辻褄が合うが、そんな伏線は一切なかったのでリアクションに違和感。

    今後は空気すぎるパパの存在感が増すのかどうか(中学生の息子が一晩家出したのに「何も聞かないであげて」の一言であっさり引き下がるのはちょっと……母子のいちゃいちゃに突っ込まないのも不自然)静子の恐ろしさやキレっぷりはもう十分わかったので、そんな不安定な妻を持った旦那の視点で、静一との関係性を見てみたい。

  • ここまでくるとシリアルママの様相を呈してくる。
    顔芸と捨てゼリフがイチイチ面白い。

  • 怖すぎる

  • なんて恐ろしい毒親((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
    肉食女子の吹石さんを振り切ったものの
    自分の帰る場所はやはり母親のもと
    『ママの事全て話すから、静ちゃんもお話して』と言われ
    一緒に帰ってみれば家の中は荒れて汚いまま
    そして影の薄い父親…
    この家の中の状態が母親の状態を現してるようで怖い。
    全てお話すると言ったものの…
    ( ̄◇ ̄;)エッ…何それ?
    無自覚で記憶が改善されているのか?

    一コマ、一コマの間がなんとも言えない漫画。
    その一コマに母親の狂気と息子の恐怖が!!!!!Σ(ll||д゚ノ)ノ

  • 毒親すぎるよ、、

  • もうやだ、怖い怖い。www
    お母さん怖すぎなんだが、息子も息子なんだな。
    しげちゃんの意識がもどってどうなるんだろう?
    どうもならないような気もする。

  • パンツを持ってくるママ
    恐ろしすぎです

  • 展開の遅さについて思わないところもなくはなかったが、6巻を読んで、ああこれはこういう作りなんだ、と。
    木尾士目「五年生」を思い出すくらい、一晩を一巻かけて。
    怖くなってきた。怖い。愛と思いきや、確かに怖い。
    取り込み。共依存。

  • 1巻から読みました。
    おそろしい。
    母親の根底にあるドロドロしたもの、それは母性が形を変えたものかもしれない。

  • 毒親の恐ろしい支配力。
    抵抗虚しく、簡単に洗脳、従属してしまう静ちゃん…。
    ホラーだなぁ。
    顔芸がだんだん伊藤潤二化してきたよ。

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著者プロフィール

★漫画家。2002年、講談社ちばてつや賞ヤング部門の優秀新人賞を受賞。翌年、別冊ヤングマガジン掲載の『スーパーフライ』にてデビュー。同年より同誌に『アバンギャルド夢子』を連載した後、ヤンマガ本誌にて『デビルエクスタシー』などを連載。2008年より漫画アクションに連載した『漂流ネットカフェ』は、テレビドラマ化された。翌2009年より別冊少年マガジンにて『惡の華』を開始し、大好評連載中。

「2011年 『NEMESIS No.5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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