二十世紀旗手 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006093

感想・レビュー・書評

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  • ホンマ修治に呆れたわ! マア入水、道化、借金、入水、お酒、薬、借金、道化、道化、自棄、繰り返し繰り返し嘘ばっか。 更にモテモテ。 ありゃしないわ。 此処の見所は明らかに一つ、青年の光栄を背負って鼻先か出ようか、信じがたい世辞や自分の実の才能を疑おうか。 嘗て謹んで虚構した狂乱と違って、human lost に暴れた真狂乱。 その凄まじい人間の自由に対する弱さは美しい。

  • 色々刺さった。

  • 【090118】にくまれっ子世にはばかる

    :::::::::::::::::::::::::

    酷い男だって?

    酷い男はこんなところに居やしないよ。
    六本木や歌舞伎町なんかに酷い男はいない。
    渋谷センター街や秋葉原になんか以っての外さ。
    銀座?居ないよ。
    居るとしたら東銀座、歌舞伎座の界隈かな。

    酷い男はね、
    そうだな都下だったら
    浅草の観音様とか、日本橋のデパートとか、品川のオフィス街とか。
    少し足を伸ばして井の頭公園辺りにも居るかな。

    酷い男はね、
    女を女だと思っているんだ。
    可笑しいって。
    可笑しかないよ。

    奴らには、
    「女」は「女」
    それ以上でも、それ以下でもないんだ。

    そして、自分たちは「男」さ。
    恋人でも、夫でも、父親でもない。
    酷いだろ。
    おゃ、そうでもないかい。

    君もそんな女なんだね。

    不思議なことに
    酷い男に惹かれる女が居るんだ。
    さらに不思議なことに
    こいつら不幸にはならないのさ。
    男に入れ込んで
    弄ばれて捨てられる
    なんて具合にはいかないんだ。

    世の中うまくできているよな。

    俺?
    俺はダメ、ダメ。
    酷い男にはなりきれなくてさぁ。
    ホント「生れて、すみません」だよ。

  • すーげ読むのに時間かかっちった。てへ。私小説かと思えば純然たる小説だったり、届いた手紙の記録かと思ったらやはり創作だったり、ドキュメンタリーだと思ったらコントだったり、いやはやどこを切っても太宰治。この「おのれ自身のことなのかそうじゃないのかはっきりしろよ」感。それでいて意外と読後感は爽やかだから参っちゃいますね。私は太宰治を「技巧の人」だと勝手に思い込んでいるんだけども、この一冊は特にその「仕掛けに仕掛けたぜ」的な色合いが濃いと思います。個人的には「狂言の神」「虚構の春」「雌に就いて」「二十世紀旗手」が好き。その他の作品には創作物的興味を惹起されはせぬものの、「またやってるよ」的愛着は感じます。こういうの好きだな、この人。

  • 太宰治のことを全く知らなかった俺だが、
    この本を読んで彼がどんな人生を歩んできたかがわかった。

    しかし彼の世界観に浸るまでにはまだまだ時間が必要らしい。。
    読んだあと重いものが肩に残っているような暗い感じ。。
    彼が入水自殺までいたる、人生の前半期の作品集。

  • これは読んでて辛いな。
    太宰の苦悩と葛藤がありありと出ています。可哀想ぶってるのをおどけた文章構成で誤魔化してみたり、絶望しきっても書くことしか出来なかったり。

    08.04.21

  • 「青年いささか得意げに、放せ、放せ、肺病がうつると軽蔑して、私は有難くて泣いてしまった。」
      
    堪えきれずに、にやりとしました。

  • HUMAN LOST/人に見せることを前提としていない日記を盗み読んだような気分。混乱しているようでもあり、ただそう見せているだけのようでもあり。垣間見える冷静さと胸をえぐる言葉が逆にリアルで、なんだかこちらの気持ちまで絡めとられそうになる。

  • 読ーみーにーくーいー。
    創世記なんて、本当に、字が大きくても読みにくい。

    HUMAN LOSTを読むために買ったようなもの。
    人間失格に通じる物があるから。

    金魚の命…。

  • 太宰ではこれ

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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