全裸監督: ―村西とおる伝― (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (868ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101019826

作品紹介・あらすじ

ナイスですねえ――。村西は、いわきから上京し、バーのボーイ、百科事典・英会話教材の販売、英会話学校経営等を通し、対面で人を口説くセールスの技術「応酬話法」を研ぎ澄ませていった。そして、ビニ本裏本の制作販売を経て、裸で駆け回った狂奔の季節を迎える。前科7犯、借金50億。80年代半ばから90年代初頭に君臨した「AVの帝王」村西とおるの半生とあの騒々しかった時代を描く傑作評伝。

感想・レビュー・書評

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  • ネットフリックスで話題になったドラマの原作。

    破天荒な村西とおるの人生に圧倒されるが、
    何分800ページを超える大作のため、読み疲れ。
    自分としては世代が若干違うのか、
    村西とおるの作品が全く分からない(名前は知っていたけれど)。
    だから本を読んでいてもあまり感情移入し切れない。。

    昭和の時代感を垣間見れたり、
    AVの出る前の時代のことを知れたり、
    まぁ50億の借金を背負っても、
    諦めずに一獲千金を夢見る主人公に
    元気をもらったりすることはあるかもしれないけれど、
    ここまでの時間と労力をかけて読む価値があるのかどうか。。
    まぁ、一時代の日本の文化を築いた村西氏の記録を残すという意義はあるのかも。

    このノンフィクションを読むのではなく、
    ネットフリックスで見た方が楽しめるという珍しいパターンかも。

  • これはですねえ、歴史の本ですね。そして、必要以上に活力がある人間の、生きる力にクラクラしちゃいます。憧れるけど、真似はしないでください。というか、真似はできない。自分とはかけ離れているからこそ、憧れるし、元気が出る。まだまだ、ひと山ふた山ありそうな気もします。

  • 「お待たせしました。お待たせしすぎたのかもしれません」。前科7犯、借金50億円。普通の人間なら心が折れてしまうような(極端にふり幅の大きな)アップダウンを繰り返しながら前向きに精力的に猪突猛進する村西とおる氏の姿が強烈に輝く。日常生活では絶対に関わり合いになりたくない人物ではあるが、圧倒的な人間的魅力に強く心惹かれる。
    Netflixではトシと衛星放送に焦点が置かれて描かれていたが本作では本業のAV監督、というよりエンターテイナーとしての村西とおる氏と彼を構成した人々との出会いに焦点が置かれている。もし本書がフィクションなら「嘘つくな!」の物語展開だがノンフィクションなのだからまさに事実は小説より奇なり。人智を凌駕したクリエイティブな人生。当然下ネタだらけだが破天荒な生き方ゆえの深淵な真理も多分に含まれる。700ページ超の作品だがぜひ一度読んでみていただきたい。

  • 面白かった。豪快で反感を買う様な面もあるが、非常に人間らしい。

  • ネットフリックスで山田孝之が主人公の村西とおるを
    演じて話題なった原作です。

    色んな意味で凄い作品です。

    内容はノンフィクションであり、AVの帝王と言われ
    た村西とおる氏の半生を描いています。

    申し訳ないですが、女性が読んでもこの本の面白さ
    は伝わらないと思います。

    アダルトビデオ=AVという言葉も無かった時代に、
    汗と涙と精液(失礼)にまみれて突っ走った熱さは
    バブル景気真っ只中の時代背景も手伝って、人生の
    一大興亡記として楽しめます。

    高度経済成長期に功なり名を遂げた著名人はすでに
    小説や映画の原作になっていますが、バブル期を駆
    け抜けたビッグネームは、まだ存命中なのか、その
    半生記などはまだ作品になっていないです。(明石
    家さんまさんは別ですけどね)

    おそらくAV界だけでなく芸能界や経済界でも同様の
    熱さと狂気を孕んでいたのが「バブル時代」なので
    す。

    今のところ「あの時代」を描いた中では傑作と言っ
    ていいノンフィクション作品です。

  • 驚いた。村西とおるさん、AVではなかったら、超一流クリエーターとして評価されるほどの才能なのではないか。物凄い創造性とエネルギーを感じる。
    ただ、そのエネルギー、情熱はエロの世界だからこそ湧き出てくるものだったのだろう。作品に没頭するほどキワモノ扱いされ、警察に追われる。大金は入ってきても、ビジネス化できるパートナーがいない。難しい世界。
    それでも本が出版され、映画化される。凄さを、功績を分かっている人はいる。

  • 本編に入る前に目次と巻末の年表に目を通す。ワクワクしてきた。よくできた予告編を見るようだ。村西とおると私の父親は同年齢である。地方の田舎から高校卒業後に都会へ働きに出るというのも、年度も父と重なるわけで、その時代の空気を感じられたのは想定外の楽しみであった。クリスタルからダイヤモンドの時代は私自身がリアルタイムで体験している。女優たちにノスタルジー。サンテレビ。哀愁の終盤。あとがきの三回念じるエピソードで咽び泣いた。「あのね。真剣に生きている人間の姿は端から見るとおかしいもんだよ」

  • 村西氏の一代記。
    成功もあれば失敗もある人生。怖いものなしだった前半、さびしさのにじむ後半。
    懐かしの女優の話。

    面白さはあるが、読後に何かぎ残る本ではない。

    読了90分

  • 胡散臭い魅力満載
    本橋信弘だからこそ書けた本
    ある意味 アンダーグラウンド界隈の歴史書かもしれない

  • 村西とおるはもとより、入れ替わり立ち替わり登場する
    女優や関係者が織りなす、半世紀を超える群像劇から、
    狂乱怒濤の叙事詩の読了感をもらいました。

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著者プロフィール

1956年、所沢市生まれ。著述家。早稲田大学政治経済学部卒。逍遙と実践による壮大な庶民史をライフワークとしている。著書に『東京最後の異界 鶯谷』、『上野アンダーグラウンド』『迷宮の花園 渋谷円山町』『全裸監督』など多数。

「2018年 『色街旅情 紙礫EX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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