お茶の味 京都寺町 一保堂茶舖 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101021416

作品紹介・あらすじ

ゆったりと流れる時間、その時々で変化する風味、茶葉が持つ本来の美味しさ──お湯を沸かし、急須で淹れてこそ感じられるお茶の味わいがあります。江戸時代半ばから京都に店を構える老舗茶舗「一保堂」に嫁いで知った、代々が受け継ぎ伝えてきた知恵と経験、家族のこと、お店のいまと未来、出会いと発見に満ちた京都生活。お茶とともにある豊かな暮らしを綴った、心あたたまるエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 創業三百年、京都の老舗茶舗「一保堂」の渡辺都さんがお茶に携わってこられた経験や日々を綴られたエッセイです。
    四章から成っており、「京都寺町 春・夏・秋・冬」にはじまり、本編の「おいしくお茶を召しあがれ。」で「一保堂のこと」「お茶まわりのおはなし」「お茶の時間」と綴られています。

    「お茶の時間」で綴られている京都の季節の流れに、四季折々のお茶の香りも漂ってくるようでした。

    装丁・挿画の塩川いづみさんのイラストも可愛らしいです。

  • 四季を感じながら急須のお茶や抹茶をゆっくり飲みたい気分になった。
    お茶だけではなく植物への愛も書かれていて、桜や金木犀や紅葉など季節限定のものを見れるのは幸せなことなんだなと思った。






    以下ネタバレ!!!!!!!


























    新茶の美味しい飲み方
    少し湯冷ましの時間を短くして、多少熱めのお湯で入れる。すぐに急須の蓋をして50秒待ってから飲む。ニ煎目以降は待たなくていい。ふわっと広がる青々しい香りと味を楽しめる。

    煎茶の淹れ方
    80度くらいのお湯で(茶碗にお湯を入れて湯気がまっすぐから揺れだしたら)急須にいれる。

    抹茶の雑学
    抹茶用に栽培された茶葉を煎茶の製法で製造したのが玉露。旨味が強く独特の甘みがある。玉を転がすように味わって飲むのが良い。

    紅茶のカップの雑学
    紅茶のカップはなみなみと注ぐのが良いとされているから、こぼれても良いようにソーサーがあり、カップに注げる量がソーサーにも入るようになってる。


    他にも雑学が書いてあって面白かった。

  • ひとつひとつの独立した短いお話の集まりなので、毎日それこそお茶を飲むときのように、ちょっとした時間に読み進めるのにちょうどよかった。
    優しくてほっとする、心落ち着く文章。
    抹茶、玉露、煎茶、番茶の違いの説明も分かりやすくなり、これからの日々のお茶選びが楽しくなりそう。
    抹茶というと茶道をイメージされることが多くなってしまうけれど、家庭でもっと気軽に飲んでいいものだと書かれていてとても点ててみたくなる。急須が要らない、茶殻を出さずに済む、茶筅と茶碗たけあれば楽しめる究極のインスタントティー、という一文で、一気にカジュアルでエコなイメージになった。

  • とても上品。

    これを読むとお茶を淹れて飲みたくなる。

    留学生の話、好きだなぁ〜。

    同じことでも切り口や捉え方の角度でさまざまに表現ができるということP151
    人にものを教える時教え慣れないとあれも伝えたいこれも伝えたいと、ついつい一度にたくさんのこと伝えてしまうのが親切なような気がします。これは大きな勘違いです。P162

    これらが書いてあった章、よかった。

  • お茶の話よりは京都の話がメインです。
    京都にある喫茶に行ってみたくなった。

  • 京都で大好きなお店のひとつ、その奥さま(いまは大奥さまなのだろうか)が綴られたエッセイ集。
    僕はかねがね「よその人」の視点が京都を美しくするように思っている。京都に根を張る人たちに憧れを抱きながら、一方でよそものと割り切って、僕自身が彼らの美しさを発見する観察眼がほしいなと考えていた。そんな僕には、歴史のある家に「嫁ぐ」ということの大変さ(と言っては軽すぎる気もするが、本当の意味のようなもの)は計り知れない。優しい人柄と奥深い経験、老舗の家業を通じて、この方にしか書けない美しい「京都」と、日本人のそばにあったお茶という「文化」を語った本。


    ……さて私どもはお茶の専門店です。茶葉から楽しむお茶の良さを積極的に伝えようと……さまざまにお茶と触れていただく機会を作ってまいりました。茶葉という商品はあくまでも素材であって、最終的にはお客さまの手元でお湯と出会って初めて「お茶」になります。……(p.102)


    この一文を読んだ後では『お茶の味』というタイトルがとても味わい深い。「日常茶飯事」と言うくらい僕たちの近くにあるはずのお茶は、淹れる人によって、淹れる日によって味が全く違うかもしれない。一保堂さんのお茶がいろんな人に愛される理由を垣間見ながら、メモを取りお茶を喫む読書だった。

  • 一保堂の極上ほうじ茶が好きです。
    口に含むと甘みを感じます。
    急須のなかで葉のよりが広がると香りも甘い。
    なにより、気軽に飲むことができるのがいい。

    これからも季節の移ろいをお茶を飲むことで感じたいと思いました。

  • アメリカから来た青年は、焼き海苔と味付け海苔の違いが分からず、我々日本人はコカコーラとペプシコーラの味が分からず。
    というか、アメリカ人はコーラの違いが分かるの?びっくり。

    普段飲んでいる「入り番茶」が京都独特のお茶だとは知らなかった!

  •  我々日本人にとって、とても身近な飲み物であるお茶。本書には、そんなお茶にまつわる様々が、京都の老舗茶舗での暮らしの歳時記と共に柔らかな筆致で綴られています。お茶の種類や淹れ方、保存方法などといった実用的な話は勿論のこと、お茶と茶舗の歴史、日本茶の海外への広がりなど、色んな形でのお茶の話が満載です。
     最近では手軽なペットボトルが主流ですが、茶葉を使って急須で淹れる美味しいお茶をゆっくり楽しむのもいいな、と思わせる一冊です。

    京都外国語大学付属図書館所蔵情報
    資料ID:642961 請求記号:596.7||Wat

  • 実際にお店の喫茶室でお茶をいただいてみたい
    来年の母の日にはぜひ新茶を贈ろうと思う

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