名もなき星の哀歌 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101032610

作品紹介・あらすじ

新卒銀行員の良平と漫画家志望の健太には裏稼業がある。人の記憶を小瓶に入れて売買する「店」だ。ノルマに追われ奔走する二人は、ある日、路上ライブで流浪の歌姫・星名と出会う。彼女の過去と歌詞に秘められた謎、一家焼死事件の生き残り、迫りくる脅迫者の影、そして、スワンプマンとは誰だ⁉ 絡まりあう幾多の謎が解けるとき、美しくも残酷な真実が浮かび上がる。新潮ミステリー大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 設定は面白く思えた。登場人物の心情に少し違和感を感じてしまった

  • 特殊設定なため場面が行ったり来たりするのが読み解きにくかったですが、記憶の売買を取り扱ったテーマはとても興味深いものでした。

  • TVで#真相をお話します、の紹介を見て、著者の作品に興味を持って手に取った。
    よく出来ていると思う。
    一回、荒唐無稽で関係のない話が並んでいるようで、ラストに向かって収束していく様は良かったし、謎の具合もちょっと分かるけど完璧には分からないという塩梅が読者心をくすぐって、エンタメ作品として自分にとってちょうどよい重さで楽しめたと思う。
    設定が突飛なようで現実の中での納得感があるのが良い。最近、このリアルとフィクションのバランスの事をよく書く気がするから、個人的に大事な尺度なのかもしれないが。
    頭の良い人が書かれたのかなあと感じる。
    これだけの設定をまとめるに必要なパーツだと思うんだけど、途中ちょっと長いなと感じた。最後の方はググっと入り込めたし、自分が時間に追われてるせいかもしれない。単純に加齢による集中力低下か。。好きな本、時間を気にせずゆっくり読みたいなあ。
    また別の著作も読んでみたい作家さんでした。

  • 記憶の売買が出来る店にスカウトされた銀行員と漫画家の話。裏稼業として他人の記憶を売買しながら3年間で1000万円の利益を上げなければならない。中々面白いストーリーであった。

  • 記憶の売買というクセのある題材のためか、説明が必要で、少し冗長とも思える部分があった。でもラストの謎解きは面白い。ちゃんと伏線の回収もされている。あとは読後の納得感がもう少し高ければ。

  • 構成がしっかりしていて、伏線回収もすごく、最後は一気読み。

    設定があり得なすぎて、なかなか想像するのが難しかった。
    『ナイト』はきっとそうなんだろうなーと思っていたけれど、想像以上の繋がり。
    『ナイト』の意味は予想だにせず、関心しながら笑ってしまった。

  • 記憶を売買できると言う面白い設定。
    ある二人の大学生が偶然出会うのだが、それをきっかけに記憶売買を商売とする「店」と関わる事に。
    ある日、ストリートミュージシャンの女性を見かけて興味を持った彼らは、彼女が探している人を探す事に。

    いったい彼ら3人の本当の関係は?

    乾くるみの「イニシエーション・ラブ」をちょっと思いだした。まぁ違うけど。

  • うーん、面白くないわけではないけど、微妙。ちょっと消化不良気味になるかな。

    ジャンル的には、ミステリーとSFの間というか、ミックスというか。
    大きなテーマ「記憶の取引」については、これが可能という大前提を受け入れないと読めないので、そこでつまづいたり、最後までその仕組みの説明がないことにフラストレーション感じる人は、読まない方が良い。
    その意味では、よりSFに近いかもしれない、

    何か引っかかると思うところはだいたい伏線で、あとで納得がいくんだけど、肝心の、ナイトとひとみがそここまで切実に相手を思い、叶わないなら記憶を捨ててもいいまでに思い詰める気持ちが、ピンと来ない。
    そのせいもあってか、入り込むまでには何か足りない感が残った。

  • 作者読み。デビュー作。

    主人公である良平(ナイト)は記憶をすべて入れ替えることで自殺しようとしたが、結局記憶を思い出したってこと?
    自分のマンガが入賞したと思っていた健太からしたらかなり微妙だと思うのだが、だから良平が記憶を取り戻して以降は空気扱いなのか。
    恋心を抱いていたのは彼だったはずなのに、そこにも一切触れられず、噛ませ犬感が半端ない。

    ところで最後のひとみとの約束にあった『スターダスト・ナイト』の最終回はいったいどちらがかくのだろうか?

  • 早く真相が知りたくて一気読みしてしまいました。

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著者プロフィール

1991年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。2018年『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞し、19年に同作でデビュー。20年『プロジェクト・インソムニア』を刊行。21年「#拡散希望」で第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。22年、『救国ゲーム』が第22回本格ミステリ大賞の候補作に選出。近刊は『#真相をお話しします』。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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