一汁一菜でよいという提案 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101033815

作品紹介・あらすじ

日常の食事は、ご飯と具だくさんの味噌汁で充分。あれば漬物を添えましょう。無理のない生活のリズムを作り、心身ともに健康であるために「一汁一菜」という生き方をはじめてみませんか――。料理研究家・土井善晴による根源的かつ画期的な提言は、家庭料理に革命をもたらした。一汁一菜の実践法を紹介しながら、食文化の変遷、日本人の心について考察する。著者撮影の食卓風景も数多く掲載。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んで気持ちが楽になった
    毎日何作ろう、最近手抜きだ、と頭を悩ませる食事

    子供がいるので毎日一汁一菜は無理でも、罪悪感を持たずに具沢山のお味噌汁を胸を張って作ろうと思う

    最近胚芽米にして、ご飯の正しい炊き方をこの本で知り炊いてみたところとても美味しく感じた

    私、そんな基礎的なことも知らなかったのかと
    反省しました。
    子供には今から正しい炊き方を伝えたから、まいっか!

  • 日常(ケ)の日の食事は、一汁一菜で良いという、料理研究家土井善晴さんの提案。
    日本人の歴史と体質に最も合っている、ご飯・味噌汁・漬物。
    季節の物を入れた具たくさん味噌汁は、忙しい日々を送っている人達にも持続可能な家庭料理であり、暮らしに秩序を取り戻すことができる。
    食卓を囲むことにより、家族としての意味を取り戻す。
    毎日の食事に役立つ味噌汁のレシピ、今更の米の研ぎかた炊き方と実践的な情報もあります。
    それらと共に、日本人の食の歴史から現代社会の状況まで、丁重に書かれています。料理する時間もない現状を、数学者岡潔の「生存競争」という言葉を用いて憂いています。そして、一汁一菜で、家庭料理を家族の基礎を守って欲しいと思っていらっしゃる。
    子供の為、介護費用の為、老後の為、または、自分の存在意義の為、忙しく仕事をする。家庭とのバランスが取れなければ、社会システムの問題であるという。全くそうだあと思う。
    料理本として日本文化の本としてだけでなく、忙しい親達への生活へのアドバイスの本でもあると思います。


    実践する事は、難しいことではないけれど、家族の同意は必要になりますね。断捨離もそうだけど。

    • おびのりさん
      麺つゆは、創味のつゆ。
      麺つゆは、創味のつゆ。
      2023/10/29
    • みんみんさん
      創味はお高め♪
      中華は味覇です‹‹\(´ω` )/››
      創味はお高め♪
      中華は味覇です‹‹\(´ω` )/››
      2023/10/29
    • 土瓶さん
      おびのりさん。出汁は、うちは鰹節は使わずに煮干しと昆布でとります。残念ながら海にまで取りにはいかないけど(笑)
      煮干しの頭と内臓をとって昆...
      おびのりさん。出汁は、うちは鰹節は使わずに煮干しと昆布でとります。残念ながら海にまで取りにはいかないけど(笑)
      煮干しの頭と内臓をとって昆布と一緒に水につけておくだけでとれるので楽でした。
      俺が親に飯を作ってたときにはよくそうしたなー。
      ほんだしも使ったことないや。
      今はひとりなのでわざわざ作るのがめんどうだからインスタント専門ですね。
      カップのとか、味噌と具が袋に入ってるのとか。
      1Qさん。俺インスタント大好きだよ。仕事場でも重宝してる。特に寒い冬なんて暖まるからそれだけで幸せだわ。

      なおなおさん、ごめん。
      実は豚汁苦手だわー。出されれば食べるけど、あえては選ばないな。具の少ない味噌汁かお吸い物がいいな。
      ま、贅沢だね(●´ω`●)

      これから寒くなるとつらいけど、おでんとかお茶漬けとか汁物や鍋や麺類なんか暖まるものがおいしくていいよね^^
      2023/10/29
  • 一汁一菜とは、ご飯を中心とした汁と菜(おかず)のこと。

    土井先生は、冒頭、これは「『システム』であり、『思想』であり、『美学』であり、日本人としての『生き方』だと思います」と説かれます。

    読了した感想としては、まさにこの一文にすべて凝縮されていると思います。

  • 家庭料理は特別なものでなくていい。
    変化の少ない、あまり変わらないところに家族の安心があるから。

    土井善晴先生の優しく美しい文章が沁み渡ります…。
    秋が深まりつつある季節柄ということもあり、本書を読んでいると、温かいお味噌汁と炊きたてのご飯のイメージが頭をちらつきます。はあ…お腹空いた…。(笑)

    ほっとできる味、ってありますよね。
    仕事でヘトヘトになり家に帰ってきたときなどに、自分をほっと安心させてくれる温かいもの。
    私は別に料理は上手ではないですが、どんなに疲れ果てたりイライラしている日でも、作ったご飯を食べていると段々と気持ちが落ち着いてくるということがあります。

    土井先生曰く、
    料理が上手か下手か、器用か不器用か、要領が良いか悪いかは関係なくて、
    「一生懸命生活すること」がいちばん大切なことなのです。
    そして、無理のない生活のリズムを実践し、心の落ち着く場所を作る。


    一生懸命頑張っているあなたに。

    毎日お疲れさま。


    そんな優しい言葉をかけてもらった気持ちになりました。

  • 2024年3作目

    Instagramで様々な家庭のご飯を見ることが好きだ。
    試行錯誤が凝らされたキャラ弁も、インスタ映えを意識したイベント毎の色合いの夜ごはんも、三菜どころか六も七もあるような見目美しい朝ごはんも、疲れた時のためのと謳ったレンチン・ワンパン料理も全部大好きだ。
    一人暮らしを始め、そういった投稿を見るうちに真似したいと思うレシピをメモする習慣が付き、多彩な料理が並ぶ食卓に憧れを抱いたが、いかんせん大学生である以上、学業・バイト・人付き合い・趣味の時間などなど年々増えていく時間の使い道を考えると料理は1番最初に後回しになる。
    そんな状況を打破したくて縋る思いで読んだ。
    途中から味噌や米の尊さを説かれている気持ちになった。作中、ゴリラの話を聞くために教授を訪ねたいう記述があったが、作者は元来"人から話を聞くこと"が好きなのだろうなと感じる文の書き方だった。この本に救いを求めたけれど、救われた感じはしない。なんだかすっきりしない。
    まだ私は何菜もあるごはんへの憧れを捨てきれていないからだ。
    なんともどうしようもない。
    しかし、この本自体はとても読み応えがあったし、面白いなと思ったのでこの評価でご勘弁願いたい。

  • #一汁一菜でよいという提案
    #土井義晴 #新潮文庫
    読みたいなーと思っていたのが文庫化したので即買い。本当に一汁一菜が良いと思いました。日本という土地で生きていくための工夫が詰まったものが和食。家庭料理は毎日美味しいものじゃなくていい。情報社会と共に食事も派手になった現代を見直したい!

  • 文庫本の値段で上質な紙質、カラー写真がたくさんあったので、即購入して大正解でした。
    土井さんが私生活で作った飾らないお味噌汁はとても和みます。

    とりあえず季節の野菜をぶちこめばいいんだよ!ってことなので、実行しやすくて、さすが土井先生のご提案。(私の解釈が雑すぎ)

    養老孟司の解説も良かったし、石川久楊という書家の「一汁一菜」も素晴らしかった。

    しかも、装丁はお味噌汁カラー。言われなければ気づかないけど、味噌汁愛が溢れててたまらない。

  • もともと土井先生の一汁一菜の考え方は知っていましたが、なんとなく読んでみようと思い手に取りました。
    料理が「プレッシャーを感じる存在」「自縄自縛の思い込み」になることがある一人です。
    一汁一菜が料理を楽にしてくれるという側面だけではなく、食事を作る気持ちも前向きにしてくれるような、そんな一冊でした。
    自分らしいお膳やお茶碗にも、時間をかけて出会いたいと思います。
    お豆腐の「パックの寝ぐせ」にふふふと一人笑ってしまいそうで、今日は「季節の青み」を〜なんて独り言もいいそうで、お料理が楽しくなりそうです。

  • 一汁一菜でよいという提案はすごく助かるし、え?それでいいの?とも思ったのだけど、私は読みながら塩分大丈夫かな?ということばかり気になってました。

  • なるほど!と唸る本でした。
    でも実際にお昼ごはんで一汁一菜をしてみると、家族に大不評。食べた気がしない、お酒の〆みたい、ピーマンいれんといて、こんなんポトフやん等々…
    料理を作ってもらう側の人間にたくさん読んでもらいたい!
    焼き魚、めんどうやからイヤ、とか言えなくなると思う!

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著者プロフィール

1957年大阪生まれ。料理研究家。十文字学園女子大学特別招聘教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、甲子園大学客員教授。スイス・フランスでフランス料理、味

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