- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101050263
感想・レビュー・書評
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比較的読みやすい短編がそろっていた。表題作の「岬にての物語」は夏の海浜の表現が美しく、潮の香りも嗅がれるかと思うほどその光景が鮮やかに頭に浮かんでくるようだった。「頭文字」の最後は多少予想がついた。
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13編からなる短編集。
表題作『岬にての物語』は何だか不思議な後味を
残して終わるお話しでした。
子供が妙に達観してるのも独特な雰囲気を作ってたな。
『椅子』も子供が妙に達観してる子で印象に残りました。
他にも『頭文字』や『水音』や面白い作品ばかりでした。
少し前なので言葉が聞きなれない分読みにくいトコロはありますが
でも綺麗な文章に感動するし、グイグイ物語りに引き込まれていきますね。次は何を読もう(´ω`)♪ -
「親切な機械」を読みたくて買ったはずが、学生時代に気に入っていた月澹荘綺憚が収録されていたのでそっちに夢中になってしまった。三島は短編も良いなあ。
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短編集。以下表題作ほか個人的によかったもの。
大学生殺人事件の真相「親切な機械」、強烈な愛の結末を描いた「牝犬」、生まれてまもなく母親から切り離された幼年の記憶「椅子」、父親殺害を企てる兄妹「水音」、焼亡した月澹荘の謎をめぐる「月澹荘綺譚」。
結びの一文がどれも痺れる人の死が象徴的な作品群。 -
文芸研究6
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表題作『岬にての物語』が大好き。
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「愛と死」というものは人間とっては避けて通れない大きなテーマであり、同時にそれは文学作品にとっても重要なテーマとなる。
映画「おくりびと」がオスカーをとったのも特に日本の文化に脈々と流れるそんな死生観が世界に評価されたからであろう。
この三島由紀夫の短編集に首尾一貫しているのが、この「愛と死」。
その愛のかたちは様々で、美しい愛、醜い愛、執拗な愛、高尚な愛、老いらくの愛、倒錯した愛。。。
そしてそれに連なる死の有様もまた様々。
私は、三島作品は最後の一行を読みきるまで気を許してはならないと思っているが、
この短編集も例外ではなく、その最後の一行にそれぞれの愛と死の意味が凝縮されており、時として戦慄を覚える。
特に「牝犬」、「志賀寺上人の恋」、「月澹荘綺譚」の読後のやるせなさは、
その中に語られる死の形が、遠慮なく読む者がそれぞれ持つ愛のかたちを、遠慮なく握り締めてくるかのようだ。
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「火山の休暇」「牝犬」が面白かった。表題作は私的に微妙。でも、描写が一々素敵過ぎる。三島は本当に文章が綺麗。たおやかな文章だとおもう。
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『岬にての物語』は、心中ロマンスが大好きな私にはたまらない作品でした。作品そのものは、三島が16歳で書いたものだし、たぶんそれほどいいものだといわれないのでしょうが(過度のロマンチシズムゆえに、特に)、この作品に出てくる岬の家は、私の中で結ばれない恋人たちの終の棲家としてイメージされているものになった。
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三島は短編も優れている。