彼らの奇蹟: 傑作スポーツアンソロジー (新潮文庫 た 45-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101070131

作品紹介・あらすじ

肉体を鍛え上げ、ひとり限界の向こうへと踏み出すとき、人間は神々に近づく――生の躍動を刻む興奮の全19編! 吉田兼好/澁澤龍彦/E・ヘリゲル/小林秀雄/三島由紀夫/石原慎太郎/虫明亜呂無/大江健三郎/杉本苑子/有吉佐和子/佐瀬稔/沢木耕太郎/開高健/山際淳司/村上春樹/玉木正之/後藤健生/宇都宮徹壱/中村計

感想・レビュー・書評

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  • 19編のスポーツに関する作品を集めたアンソロジー。
    とても面白いものもあれば、そうでもないものもある。

  • スポーツを考える興味深い19編のアンソロジー。著者が共通した深層テーマとして「死」があることに後で気づいたとの指摘は、逆説的だが、スポーツの深さを感じさせられた。
    ドイツ人が取り組んだ弓術の禅問答に似た世界(ヘルゲル)、万能のスーパーレディ人見絹代の短い人生、(虫明亜呂無)東京五輪の開会式からの学徒動員への連想(杉本苑子)、魔女の優勝に日本女性の美しさを見る(有吉佐和子)、円谷幸吉の悲しい人生(沢木耕太郎)、たった一人で始め、ボートでモスクワ五輪代表までなった奇跡の男・津田真男(山際淳司)、91年の神製対三洋のラグビー奇跡の逆転(玉木正之)、プロゴルファーで9回優勝した平凡人・佐藤信人(中村計)などが感動的な名編。その中で、平安時代の蹴鞠の天才・藤原成道の奇矯さを記した空飛ぶ大納言(澁澤龍彦)は実に愉しかった!
    また後藤健生の文の中の「20世紀のスタディアムは、重厚長大の社会システムにふさわしく収容人数の巨大さを競っていたが、21世紀は大きくはなくても、むしろ快適なスタジアムが必要」との言葉は、予言だったかのよう。

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著者プロフィール

1952年京都市生まれ。東京大学教養学部中退後、フリーのスポーツライターとして、雑誌『GORO』『平凡パンチ』『ダカーポ』『ナンバー』等で活躍。現在、作家、スポーツライター、音楽評論家、国士舘大学非常勤講師など、活動は多方面にわたっている。

「2003年 『玉木正之 スポーツ・ジャーナリズムを語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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