だめだこりゃ (新潮文庫 い 65-1)

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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101092218

感想・レビュー・書評

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  • この本は、ホント読んでいて楽しかった。

    「八時だヨ!全員集合」を見ていた頃のあのワクワク感が、即座によみがえってきましたね。あの平和なひと時(笑)。

    バンドマンとしてのドリフターズを知っている人は、相当なドリフツーでしょう。私にとっては、100%が爆笑コントのドリフです。

    クレイジーキャッツなら、多少なりとも演奏しているシーンは見たことがあったし、演奏のテクニックにも凄みみたいなものを感じましたが、はっきり言ってドリフが演奏しているところは見たことがない。だけどYouTube探せば、ウッドベースを弾く渋い長さんを見ることができる。

    いかりや長介、加藤茶、仲本工事、荒井注、高木ブー、ドリフの各メンツの名前をああいう呼び名にしたのは、ハナ肇だったんですね。

    ・・・というように、ドリフにまつわるいろいろなエピソードや事件が、長さんの口から語られる。

    本書は、ショートショート形式で、まるで一つ一つが、コントを見ているようでもある。

    その最初の最初、始まりが、「注さんへ」というタイトルで、荒井注のお葬式の話からだ。長さんは注さんことが、大好きだったようだ。注さんのことを語る部分がなぜか熱い。

    カトちゃんの笑いをつかむ間合いは絶秒だったようだ。それを長さんはリズム感といっていたと思う。彼はドラマーとしての優れたリズム感をお笑いに十分活かしていたわけですね。

    そして、長さんを長さんたらしめたおやっさんのことを語るとき、長さんはもっとも熱いかもしれない。

  • あのいかりや長介さんの声が聞けなくなって何年たつのか…その間にメンバー達もリーダーの側にいくかたたちも…
    今でも、私にとっての愛すべき笑いの師匠はドリフターズ!

    日々…だめだこりゃ、だから、もういっちょ〜

    ぜひ〜

  • $1書棚での出会い、吉と出る。

    いざ読み始めると止まらなくなり日曜を丸半日費やしてしまった。そして読み終えると無性にドリフがみたくなってくるも、昨今はYouTubeのお陰ですいすいっとみれてしまう。長さんの語るなんでも体張ってた時代のことはこうした時代とは全く違う世界の話のようだ。自分が中途半端な昭和人になりつつあるなかそれでも彼の人生の後半の時間を一部でも共有させてもらえたことはありがたい。まだまだ知らない彼の役者としての働きぶりも遅ればせながらきちんと味わっていこうと改めて誓う。

    とりわけ嬉しかったのは長さんがアフリカマニアだったという事実を知ったこと。彼の助言をベースに是非また足を運びたい。

  • お笑い好きの友人からの推薦。笑いに対する姿勢はまさに「職人」。晩年の演技に対する姿勢は謙虚そのもの。

  • 何となく手に取っただけだったけど面白かった。自伝。昭和ど真ん中のエッセイって反発したいことがおおいんだけどこれはそんなことない。一生懸命働いて生きてきた人の話だった。

  • BOOK OFF でなんとなく目に留まって何気なく買ったのだけれど、なかなか良い本でした。

  • いかりや長介氏の自伝。自らを四流と揶揄しつつドリフターズ時代を丁寧に振り返る気になったきっかけは共に仕事をしてきた仲間の死だったそう。文庫化された際も後書きを書いているがその数ヶ月後に本人も亡くなられたのが既に12年も前とは。

  • この方が亡くなってからもう20年近く経っている。亡くなる前年に本書は書かれており、人生の集大成だったのかと思える。当時はかつてドリフのメンバーだった荒井注氏が亡くなって間もない頃だった。

    紆余曲折あったドリフターズの結成と、地道なライブ活動からテレビで大人気になっていく過程が時に面白おかしく語られる。よく世間で言われていたように芸にはかなり厳しい人だったようだが、終始謙虚な語り口だ。

    結成から半世紀以上経ったドリフターズだが、いまだに「ドリフ」の名前は見聞きする。成功の要因は長さん曰く「各メンバーの立ち位置を確立できたから」だそうだ。これからもずっと、特に「昭和」が語られる時は話題に上ることだろう。

  • 長さんが亡くなって、志村けんがコロナで逝ってしまい、仲本工事が交通事故で亡くなった。そんな折、古書でしか手に入らなかったが、本書を読みたいと思った。子どもの頃に週刊誌で漫画を読んだ記憶が残っている。8時だョ!全員集合で不動のコメディアンへと駆け上っていく過程を知ることができた。俳優いかりや長介はあまり見なかったが、荒井注と志村が入れ替わったドリフだけを知る者としては、ほぼ不動のメンバーを見てきて、21世紀の今を見ていること幸いでもあり寂しくもあり。

  • ザドリフターズのメンバーであった、いかりや長介の半生を振り返った自伝本。本人曰く、ドリフがお笑いとして成功した要因に、メンバーの位置関係を確立したことだという。実際、ドリフ結成後の途中で加わった故志村けんは、かつてメンバーの一員であった新井注の役を継ぐことなく、彼独自のネタを披露した。このように、各自に備わっている個性を生かせるための環境作りが、結果として、各メンバーの特徴を目立たせて、当時の視聴者を釘付けにしたのだろう。また、いかりや長介は、すべては成り行き、偶然だったと語る。もともと、バンドの活動から、それも女にモテたかったという理由が全ての始まりであり、その活動からコメディアンへ、その後、役者へと活動場所が変わったが、興味深いことに、自分は特別な才能を持っていないと言うところである。芸能界で活躍したとき、明確な目標を持たず、他人を蹴落としても生き残ろうと思わなかった。これは今日の競争社会とは真逆の原理で、なすがままに仕事をこなしたのである。そういう意味で、個人の努力が過度に要求されて、その社会に悩む人におすすめできる本である。

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