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- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101095059
感想・レビュー・書評
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読後の満足感が相当なものだった。
表面的なことは今でいう「あり得ない!」ことだらけであるのに、こんなにも人間の強さ、弱さを巧みに描いているということに著者の美学を感じる。
この時代の小説は「男」「女」の立場がはっきりしていて、現代ではもうそれは通用しないが、小説としてはこのはっきり感は逆に気持ちがいいものだ。しかし、それ以上に「人間」としての深みを感じさせ考えさせられるのだからこの著者のもつ世界感には感服してしまう。
「東洋医学」と「西洋医学」をあのように絡ませる手法にも感心するほかない。 -
何か買って頂いた方に差し上げます。
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妻子があるのに別の女との間を行ったり来たりする主人公。
妻と女の修羅場があったり、妻が精神に異常をきたしてしまったり、女が自殺を図ったり、幼い息子・娘の心に傷を残してしまったり。
主人公の激しさは、さらに悪友とその幼な妻や、娘に犬をけしかけた見知らぬ男にまで向かっていきます。
でも、物語後半では、主人公が悪性の腫瘍を宣告されて一気に様子が変わります。
手術を断り、女性遍歴をやめて、それまでに関わった女性達や記憶を辿り始めます。
前半と後半の主人公の豹変っぷりがすごかったです。
そんなに突然簡単に改心して、周囲もすんなり丸く収まるものなのかしら。
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