無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101103211

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  • 小学生におすすめされた。漂流記。

  • one for all, all for one.
    みんなが、いつも気持ちよく過ごせるように気配ること。
    衣食住が足りて、礼節を保つ。とはいうけど、苦境のときこそ、高潔に、誇り高く生きる様が人間力だと感じた。

  • 明治の時代に本当にあった『十五少年漂流記』。実際に漂流したのは南方の漁場を調査するために船に乗り込んだ屈強な海の男たちであり、子どもではないのだが、並の大人なら恐らく船が難破した時点で死んでただろうし、無人島に漂着してからも10日を待たずに死んでただろうな、という、壮絶な生活が記されている。

    無人島に漂着してからの生活の工夫は最後まで緻密かつ深謀遠慮に満ちていて、明治時代という幕末から文明開化の激動の時代を潜り抜けた直後の逞しい人たちであったということを差し引いても、その忍耐力や統率力、集団で一致団結しての行動力には驚かされるばかり。頁を繰る手が止められず、250ページをあっという間に読み終えてしまった。

    このぐらいの胆力のある海の男たちであればこその、冒険とスリルの連続。つくづく、ゴールディングの『蠅の王』にはなるはずも無かったんだね、という安心感というか信頼感が、頁の隅々に満ちている。

  • 日常、文明から離れて無人島で生き残ろうとする頼もしい16人。

    助け合いの大切さや人の逞しさ、
    文明を離れたからこその自然への敬服、
    美しさへの感嘆、
    生き物への共感、
    最後に船を見つけて甲板に乗り込む前に服を着る(その時の為にも裸で過ごす)など人間の人らしさも気高さも忘れない明治の海の男。
    どのシーンも良かった。

    何ヶ月も無人島で暮らしながらも人間関係が良好、むしろ思いやりと協力で生き抜く姿に感動。

  • 「「火星の人」の読後感に近い。ポジティブであるということはサバイバルにとって不可欠な要素なのだな。いたずらに悲観せず、やるべきことをやって日々朗らかでいることが生存の秘訣なのだ。

  • なりゆきで、沖縄で潜水業の手伝いを半年ほどすることになりました。海に出られる日は船を出してタンクを背負い、潜ります。
    海が少し身近になってきた、そんな時に行った整体に本書が置いてあり読みました。

    漂流記と言うと、飲水がなく食べ物がなくなり病気になり…その後は語るも悲惨な物語を思い浮かべますが、本書は最後まで痛快。勿論ハッピーエンドです。
    あまりにうまく出来すぎていて、フィクションじゃないかと思いますが実話のようです。(勿論脚色はあるのでしょうが)

    勤勉で真面目、思いやりとユーモアを常に持ち続けた海の男達の話です。さらっと読めて良い気持ちになれます。前向きになりたいときにおすすめです。

    十五少年漂流記も読んでみます。

  • 実話である事がびっくりなくらい壮絶なサバイバル小説。船の背景知識がないと少しだけ読むのに時間がかかるが、当時の船の構造とかサバイバル方法とかが面白い。ストーリーも面白い

  • われわれが、この無人島にいた間、さびしかったろう、たいくつしたろう、と思う人もあるだろう。どうして、どうして、そんなことはなかった。


    ぽかんと手をあけて、ぶらぶら遊んでいるのが、いちばんいけない。

    この人たちは、何年先となるか分からない無人島で暮らす期間を、修行期間と捉えて、心を磨き、より成長して日本に帰り、お国のために働こうと決めた。

    だから知恵と工夫を凝らして、愉快に暮らすよう心がけた。そうするための規律を作って、守った。

    自分だったら、そういうふうに考えられるだろうか?

    1900年代初頭の話だから、今ではあり得ないことも擬似体験出来て、面白かった。

    ウミガメを捕まえて(数百キロの個体も、後ろから仰向けにすれば一人で簡単に捕獲出来る)食べる。ウミガメは藻を食べるので、その肉は臭みがなく美味しい。甲羅はウミガメの油が深く染み込んでいて、割って乾かせば火種になること等々。カメやサメから油をとる話が頻出するので、YouTubeでやり方を調べたり。夏休みの自由研究みたいで楽しかった笑

    学用品にも驚きの工夫が。3本のシャベルを並べて石板の代わりにし、ウニの針を天日にさらして乾燥させるとまっ白になるので、それを石筆としたそうだ。すごいの一言。のちに万年灯にたまった油煙を集めてインキも開発するっていう・・驚き通り越して尊敬の念を抱くレベル。ファブルもびっくり。

  • 船が難波し、無人島で生活することになった16人の男たちの実話ということなんだけど、そんな状況なのに無人島で暮らす男たちに全く悲壮感が感じられないのが素晴らしかった。どんな状況でも出来ることを精一杯やって楽しんで生きていこうという姿勢にいろいろ励まされた。
    そしてアザラシの鼻じろが殺されずに済んだのは本当によかった。
    久しぶりに冒険心をくすぐられた。

  • 明治時代の練習船がハワイ諸島のパールアンドハーミーズ礁に難破し、乗船していた16人が無人島生活をし、最後に救出される冒険譚。こう言う場面に遭遇したら如何にメンタルをしっかりと保つかと言う事が大事なんだとよく分かった。船長以下統率が取れた集団で、みんな明治期の綺麗な心の持ち主だからこそ全員生き残ったのかな。もちろん比較的早めに船が通ってくれたと言う幸運もあった。水の確保が先ず大事で、色々な事を知っているというのも大事で、大事な事は多いな。とても良いお話で読後感も良し。

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