- Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101109220
感想・レビュー・書評
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ブックオフオンラインから届いたこの文庫本を手にした時、ウワー分厚いなぁと思い、読んでいる時は大袈裟でなく左手首が疲れました。
ひっさしぶりの松本清張作品。
なので清張作品というのはこんな感じの文章だったかなあと思いながら読み進み、清張氏の社会派っぽさより俗っぽい雰囲気が強いのかもしれないと感じつつそれでも複雑に絡んだ謎に引き込まれてほぼ一気読みしたのですが死体の処置方法や大団円で犯人が犯行の手順を得意げに語る部分はテレビドラマ化された江戸川乱歩作品の匂いを感じました。
昭和36年に刊行されたとなっていますから今から62年前か。
かつての名作に出会うたびに思うことは、この作品の時代に携帯電話があったならどういう展開になっていたんだろうという事です。
(p471)
例えば主人公が旅館の電話を借りて東京へ長距離電話をかける場面では
「先方が(電話に)出てくるには、一時間ぐらいはかかるだろう」
というようなことになっている。
ハンドルを回して使う電話機で交換台を通して繋ぐのだろうなあ。
そして旅先から友人に調査の進捗状況を伝えたりするのに手紙を用いている。
今ならばふと思いついたことを伝えたり友人の身に降りかかる危険に気付けば携帯電話で注意できるのだが。
今こういった作品を現代風にテレビドラマ化すると携帯電話の存在をどう織り込んでいくのだろう。
観てみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
犯人の首領格がヤツだったとは・・。まさかあいつが一味に加勢していたなんて・・。これは最後の最後、事件の全容が明かされたときの感想。新進のカメラマン田代は、とある偶然から不可解な謎に巡り合う。そこには平然を装い、心奥でほくそ笑む輩どもの罠がまっていた。700頁にのぼる長編推理小説。
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昭和34年から地方新聞に連載された長編作品。名所の各地湖畔を舞台に、最後の結末も松本清張ならではのサービス精神満載。TV2時間サスペンスドラマには、打ってつけの作品。
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松本清張の推理小説は、良い意味で「回りくどくて」たっぷり楽しめる。早く次を読みたくなるワクワク感がある。
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松本清張の長編推理小説。権力と闇の組織の結びつきがテーマ。
全編に緊張感が漂い、かつ、良いテンポで、ちょいちょい美人が登場するエンタメ的要素もあり、かなりの長編(600頁)ながら一気に読ませる。 -
面白かったが、霧の女が重要なようでそうでもないような…
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じわじわと、はらはらと。
携帯もネットもでてこないけど、今読んでもおもしろいなー! -
旅情豊かな作品で、鉄道ファンとしては楽しめた。
社会推理小説としてはどうだろうか。「砂の器」「ゼロの焦点」と読み進んできたが、本作は少し地味な感じがする。登場人物の行動も不自然さが目立つ。