水の葬列 (新潮文庫 よ 5-4)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117041

感想・レビュー・書評

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  • ダム建設の影響で水底に沈む運命にさらされる人々にスポットを当てた小説はいくつか読んだ。筆者の作品は流石に「黒々としたその時間」が恐いほどにくっきりと浮かび上がる凄さが有る。

  • 説明
    不貞ゆえに妻を殴殺した過去に追われるように、山奥のダム工事現場へ流れ込んだ男と、水没を目前にしながら無気味な沈黙を続ける幻想的な落人部落の人々との、微妙な心の響きあいを描く表題中編。他に、戦時下の勤労動員を背景に、青春の心の陰影を鮮やかに定着した『彩られた日々』等、戦中戦後”二つの精神的季節”を生きてきた作者自身の体験を結晶化した短編5編を併せ収める。

  • 短編集。ダムによって、村がなくなるという理不尽の中で、独特の行動をとる村人たちと、闇を持つ主人公の行動に心打たれるさくひん。
    全作通して、戦争というものの影響を感じる。

  • P301

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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