橋のない川(二) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.86
  • (22)
  • (14)
  • (29)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 239
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101137032

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 誠太郎が大阪へ丁稚奉公に出て、孝二は高等小学校へ進学する。小森からは貞夫も高等科へ進んでいた。時々無力感を感じる2人だが、勉強は良くできる。エッタであることを面と向かって言うものはほとんどいないが、先生やクラスメイトの偏見は以前よりひどい。差別はおかしい、と分かっていても、自分はそうでなくてよかったとしか考えられない。そしてそれを見透かしていると思うから先生だってエッタが怖い。偏見に浸かっていると正しい判断ができない。
    誠太郎が大阪で仕入れた情報が当時の社会を示していて、役に立つ。

  • 一巻に引き続き、虐げられている部落民の切ない状況が続く。明治末期から大正初期の社会は第一次大戦のおかげで好景気となっているが、当然彼らにはそんな恩恵はなく、むしろ天皇中心主義、財閥の興隆など格差を感じる機会が多くなった時期でもある。そんな浮ついた状況を、子供の目線で冷静に純粋に感じ取っている描写が切ない。

  • 3 「大人になる」とはどういうことか[辻智子先生] 2

    【ブックガイドのコメント】
    「被差別部落に生まれた少年の成長を日露戦争から水平社宣言へと向かう時代の中で描く。」
    (『ともに生きるための教育学へのレッスン40』182ページ)

    【北大ではここにあります(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2000073502

    【関連資料(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
    ・[単行本]1961年発行
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2000169374

  • 天皇陵の近くの部落に迫る立退き問題。イスラエルとパレスチナの対立に似ているなと思った。どちらが古くから住んでいるからどちらに住む権利がある、と簡単には言えない。結局は強いものが土地をもつというのは動物の縄張りの延長で大昔からの真理なのでは。
    武やんの自殺という大変ショックな出来事もある。ハァ~、この本読むのつらい…。
    孝二と貞夫の淡い恋が粉々に粉砕されるのもむごい。でも、まちえちゃんに罪があると言えるだろうか?そうやって教え込まれて、そういう社会の中で育ったら、それが「普通」になってしまうのではないか。教育と洗脳ってどう違うのだろう。
    タバコ作りの話は興味深かった。苦労忘れ草か…。だとすれば貧しいほどタバコを吸いたくなる道理なのに、高価で買えないという皮肉。

  • 歴史のことは苦手やけど勉強なるわー

  • 再読です。

    全巻の孝二は幼かったのですが今回は成長し、青年に近付いていきます。
    成長と共に自分の境遇ととも向き合って行く。

    答えのない悩みに、読んでいて一緒に胸が苦しくなってしまう。

    産まれた時は皆裸でうまれて、違いはないのに。
    思わず目を背けたくなってしまう。

  • 時が満ちて読み始めた2巻。誠太郎も孝二も、成長とともに深く知る社会の不条理。切ない。

  • 表紙裏
    誠太郎は大阪へ丁稚奉公に出、高等小学校に進んだ孝二は副級長に選ばれる。しかし、明治天皇ご大葬の夜、孝二の手を握った同級生の美少女まちえの心の内がわかった時、孝二は消えてしまいたいような悲しみに胸をふさがれた。こんなにも温かい自分の手が、なんで人に試されねばならないのか。わしは人間や!冷たい周囲の眼に耐えて、孝二は高く、真直ぐに頭を上げて歩いてゆく。

  • 初めは「まちえ、ひどい!!」と思ったけど、本当にひどいのは周りの大人やそういった階層を意図的に作った権力なんだと思う。

    この作品では孝二たち部落民②相対する存在として天皇家がたびたび登場するけど、実際に天皇家ゆかりの人たちが読んだ場合の感想を聞いてみたいものです。

全17件中 1 - 10件を表示

住井すゑの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×