宮本武蔵(五) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101154657

作品紹介・あらすじ

富士の前に、人間は小さい。ならば小さいなりに立派に生きたい! 吉岡一門との大死闘を切り抜けた武蔵。起死回生の勝利の酔いから醒め、敵将とは言え年若い少年を斬り捨てた記憶に胸を痛める。いっそ修行などやめ、愛する女と暮らせたら……とさえ思う。だが猛る恋心をぶつけたお通には、逃げられてしまう。剣の道と人の道との相剋に身を削る武蔵が、飽くなき自問の果てに捉えた閃きとは――。願いは交錯し、隘路へ誘う。邂逅と別離めくるめく第五巻。

感想・レビュー・書評

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  • 2021/12/11読了
    「みんな知っている有名作品」だけど「ちゃんと読んだ事ない作品」でもある。〈新潮文庫〉で全8巻の大作をなぜ今更読もうと思ったか、大谷翔平選手の”二刀流”での大活躍に触発された訳ではなかった……筈だ。
    ちゃんと読んでみると、ドラマとかの『宮本武蔵』の展開がいかに盛られまくったものか良く判った。とは言え、お通さん、道を究めようとする余り、自分を放ったらかして何処に行ったかも判らない武蔵を慕い続ける姿は、一途というのか狂気というのか。特に女性の方は、このあたりをどう思われるのでしょう?

  • 吉岡一門との死闘を切り抜けた武蔵だが、敵将とはいえ少年を斬り捨てた記憶に胸を痛める。

    ついにお通に会い、しばらく共に日々を過ごしていたが、猛る恋心をぶつけたお通には、逃げられてしまう。

    そして、お杉婆に寝ているところを襲われた武蔵。怪我をした婆を連れて行くことに。その道中で出会った又八は、今度こそ改心しようと決心するが、それも長く続かず。そして、心変わりしたお通を恨み、連れ去ってしまう。

    武蔵が出会った夢想権之助。みね打ちで倒したものの、武蔵は息子を思う母が窮地で思いついた秘策、それを実践した権之助に敗れたと言う。

    武蔵、お通を連れた又八、奈良井の大蔵に連れられてお通を探す城太郎、そして朱美も、佐々木小次郎も江戸へ向かう。そこには、お杉婆も。

    奈良井の大蔵は、大金を持って、多くの神社に寄進している。江戸には、町の大工で身を立てた弥次兵衛。

  • バガボンドの連載が止まったので原作と言えるこの本を読んだ。
    井上雄彦さんの絵のタッチのまま読み通せた。
    この本の世界観を忠実に描いているなぁと感心すると同時に、井上さんのメガネを通してしか観られなくなってしまったのがもったいない気もした。

    「五輪書」と併せて読むと、より深く宮本武蔵の強さの秘訣に、身震いするような研ぎ澄まされた感覚に近づけると思う。

    まぁ、知る、見る、近づくと、実践するのとではファンとプロのスポーツ選手くらいの大きな隔たりはあるわけだけど。

  • 宮本武蔵第5巻では、主人公の旧来の友人である又八について多く書かれているように感じた。私の彼に対する印象は根本からのダメ人間である。何をするにも強者にゴマをするような態度を取り、常に目先の利益ばかりを考えているように思えた。彼がお金のために将軍秀忠の暗殺に加担しようとした場面では、欲望はいとも簡単に人間の理性を失わせるのだと思った。しかし、そんな彼が一番人間らしく見えてくるところが怖いところでもある。主人公の武蔵や、ヒロインのお通は並外れた純粋さと固い信念を持ち、言ってしまえば現実とはどこか遠くの存在に感じてしまうが、又八に関してはある意味で一番人間味があり、多くの読者に同情の念を抱かせるのではないかと思った。最終巻も楽しく読んでいきたい。

  • 物語は京から江戸へ…!
    新しい登場人物も個性的で、各々の物語が進む一方、沼地のような土地に江戸ができていく最初の描写もあり、その点が興味深い巻でした。

  • 吉岡一門との死闘を制しながらも剣の修行の意味を問い苦悩する武蔵。お通、小次郎、運命が交錯する第五巻。

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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