海峡―海峡幼年篇 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 190
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101196312

作品紹介・あらすじ

少年にとって、父は聳える山だった。母は豊かな海だった-。土木工事や飲食店、旅館などで働く五十人余りの人々が大家族のように寄り添って暮らす「高木の家」。その家長の長男として生れた英雄は、かけがえのない人との出会いと別れを通して、幼い心に生きる喜びと悲しみを刻んでゆく。瀬戸内の小さな港町で過ごした著者の懐かしい幼年時代を抒情豊かに描いた自伝的長編「第一部」。

感想・レビュー・書評

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  • 解説を読んで少年小説という分野があることを知った。オイラが好んで読んでいるのはこれだと思った。英雄と真吾とツネオの関係が最高だ。一緒に連んでいる割りにはくだらないことでケンカする、でも気がつくとまた一緒に遊んでいる。怪我するくらいにやり合っても、仲直りしてるって何なんだろう。ビクと十兵衛とのケンカとは違う。子供どうしだからできるだけケンカかも知れない。
    美津との別れは切なかった。女の子を好きになるってこともよくわからないのに、二度と会うことができない別れを経験する英雄が可哀想だった。兄の雄伍、イサム、真吾、ヨング……小学生の時分は仲間との別れは物凄く寂しかったことを思い出した。英雄のまわりには少々乱暴だがそんな子どもの気持ちを察することができる大人が何人もいた。オイラもリンや江州、源造みたいな骨太の大人の男に近づいているといいんだけどな。

  • 作者が何かの雑誌の記事にこの小説のことを書いていた。ゴルフに関する書物やエッセイは好きでよく読んでいるが、過去に小説を読んだ時にはあまり印象に残らなかったので読んでいなかった。しかし著者の体験からの3部作と知って手に取った。
    しかし本書は小説としても完成度が高く、しっかりと印象に残る作品だ。特に戦後の混乱の時代に、在日の人たちとのつながりや、国を超えた駆け引き(「海峡」は船で日本に向かう場面に使われる)など、少年には難しいことが周りで起こってくる。それを読者の大人の目で理解しながら読み進める。
    世の中には理不尽なことがたくさんあって、それを理不尽だけど受け入れることで人間は成長するんだな、と改めて思った。

  • 戦後の混乱期を生命力豊かに描いている。
    リンさん・美津・真ちゃんとの別れは辛いものがある。私もこの時代の少し後を生きているが、身近な人との予期せぬ別れはそんなに多くなかったな。

  • 伊集院静の自伝的小説幼年篇。高木家の長男である主人公英雄。父斉次郎。母絹子。多くの出会いと別れ。大切な人が自分のそばからいなくなってしまうことに英雄は不安を感じる。逞しく生きていくことを伝える父。第二部第三部が楽しみだ。

  • 「羊の目」以来の作者の作品。やっぱりはずれない面白さ。

  • 様々な商売を営む高木家の跡継ぎとして生まれた英雄。
    高木の下で働く人々との暮らしと英雄の成長を描いた作品です。
    伊集院静さんの自伝的小説。

    高1の時に国語教師が紹介して下さり、以後読もう読もうと思ってはなかなか手を出せていなかった作品。
    紹介して下さったあらすじでは、英雄は何かを苦に、河川敷で3度お腹を刺して自殺を図るというものだったのですが、今作では見受けられず。
    『春雷』か『岬へ』だったのでしょうか。

    物語は英雄が慕っていたリンさんの死から始まります。
    その後もサキ婆、良来、真吾など、英雄が心を通わせた人が次々に彼の元を去って行くのには胸を痛めました。

    大人から「英さん」と呼ばれ、母を「絹さん」と呼び、高木の倅として一目置かれることも多い英雄。
    驕らず真っ直ぐに育って欲しいと願いつつ、『春雷』へ。

  • たまに出てくる斉次郎(父親)の英雄(主人公)にかける言葉がいい
    オレもこういう親父になりたい

    ますます伊集院静に魅せられるなぁ

  • とっても良かった。
    伊集院静の自伝的小説ってことで。

    英雄くんが色々なことにであって成長していく物語。


    @手持ち本

  • 伊集院静氏の自伝的長編。日常の生活をゆったりと描写しているのだが、その中で主人公の英雄が、周りの大人達の影響を受けながら、日々成長していく。読み始めたら止まらない、少年小説の傑作だと思う。

  • 2011.10.04

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