ヘタウマな愛 (新潮文庫 え 26-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (147ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101202969

作品紹介・あらすじ

遺影となった女房が微笑んでいる。俺は涙を止められなかった――。郷里の長崎で知り合った俺と女房は東京で再会。初デート、同棲時代、結婚生活、漫画家デビュー、芸能活動、賭け麻雀で逮捕……。いつも傍で支えてくれた女房のいない毎日が、こんなに淋しいなんて。ひとりぼっちじゃ生きられんから、新しい嫁さんが欲しい……。自由人・蛭子能収が綴る前妻との30年。感涙の回想記。

感想・レビュー・書評

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  • 「あんなのを野放しにしたら、僕の築き上げた日本マンガ全体が
    駄目になる」

    嘆きなのか、恐れなのか。手塚治虫にこんは風に評されたのは
    誰あろう、本書の著者でタレントで漫画家の蛭子さん。

    蛭子さんの不条理漫画は結構好きなんだよな。テレビで見ると
    大抵ヘラヘラしてるんだけど、自由人なんだよね。太川陽介との
    旅番組だったかで「旅館は嫌だ」とか言い始めちゃうし。

    そんな自由人・蛭子さんが51歳の若さで亡くなった奥様・貴美子さん
    の回想を綴ったのが本書。

    新潮社、内容説明で煽り過ぎ。人の死、それも愛するパートナーを
    失うという内容だからお涙頂戴になるのは分かるんだけれど「感涙」
    はやりすぎでしょう。

    それはさておき。蛭子さんも奥様も、本当に相手が「大好き」だったの
    だなぁと思う。いつも一緒なのだもの。

    賭けマージャンで逮捕されちゃった蛭子さん。しばらく謹慎でタレント
    活動は自粛。ギャンブルで捕まっちゃったのに「ラスベガスへ行こう」
    と家族旅行を計画する奥様の、なんとたくましいことか。

    プロの漫画家としてデビューしても、それだけでは食っていけない
    時期が続くのだけれど、そんな時期を支えてアパートからマンション
    へ、中古の一戸建てから新築一戸建てへと住み替えを計画して
    いった奥様は蛭子さんにはかけがえのない人だったんだろうな。

    奥様を亡くした後、寂しくて寂しくて、周囲の女性に軒並みアタック
    する蛭子さんの姿は、読んでいて少々辛い。

    30年の愛情がいっぱい詰まっている。それでも、一人では生きられな
    い蛭子さん。再婚相手は19歳年下の女性だったよね。

    いいのではないかと思う。だって、ひとりにしておいたらどうなるか
    分からいもの蛭子さんは。

    「私は新しい嫁さんと良い家庭を築く為に、前の嫁さん(つまりお前)
    のことはこれから一切口に出さないことにする。本当に許してくれ。
    生きている人が一番大事だと考える私を許してください。」

    「文庫版あとがき」のこの一文。蛭子さんの正直さが表れてる。

  • 蛭子さんの人柄が伝わってくるような、良い本でしたね! 奥さん、息子さん、娘さん、すべての写真が掲載されていますので蛭子ファンには必見のものかもしれません(笑)

    ヽ(・ω・)/ズコー

    蛭子さんも色々と苦労されてきたんですねぇ…そして、奥さんは蛭子さんが言うように「あげまん」ですね! 奥さんとの暮らしが蛭子さんの人生に運が回ってきた一因なのかも…と本書を読むと思わず思ってしまいそうになります…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    そして、奥様の早すぎる死…そして、蛭子氏の早すぎる(?)再婚…まあ、蛭子さんの死生観というのか、「生きる」ということについての考え方みたいなものが垣間見える本でしたね…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 世に流れる時間軸とはちょっと違う時間軸で生きていそうな蛭子さん。そののんびりほのぼのとしたテレビでの人柄とは異なり、しっかりした内面を垣間見ることができる。

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著者プロフィール

1947年10月21日生まれ。長崎商業高校卒業後、看板店、ちりがみ交換、ダスキン配達などの職業を経て、33歳で漫画家に。俳優、タレントとしても活躍中。おもな著作に『ひとりぼっちを笑うな』、『蛭子の論語』(ともに角川新書)、『芸能界 蛭子目線』(竹書房)、『蛭子能収のゆるゆる人生相談』(光文社)、『ヘタウマな愛』(新潮文庫)などがある。O型、てんびん座。

「2019年 『死にたくない 一億総終活時代の人生観』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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