- Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101214320
感想・レビュー・書評
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パラサイトイブを読んだときも凄いなあと思ったんですが、この本も凄いよ。
で、何が凄いかって、後半はもう何でもあり(笑)。それが、嘘っぽくないのが凄い。上巻は私には難しく(笑)、休み休み読んでいたんですが、下巻は一気に読んでしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神―。その存在をめぐり、古今の賢者が懊悩し夥しい血が流された。科学者・孝岡は、ブレインテックに赴任した日から、大いなる謎の深奥へと引き寄せられてゆく。高度なメッセージを発する類人猿、爆発的に進化する人工生命、死後の光景を語った少年。すべてが、あの男の望みのもとに昇華されるとき、神はその姿を現すのか。小説の新たなる可能性を切り拓いた、記念碑的大作。
・レビュー
SF作品として、ここまで洗練された作品も少ないと思う。
ノンフィクション学術書を読んでいるようなレベルの豊富な情報量と、それらの密接な関係性をたった一人の作者が書き上げていることに驚く。
前作『パラサイト・イヴ』と同様、学問に興味のない人にとっては目が眩むような専門用語の量であったが、逆に知的好奇心の強い人には、専門的な説明シーンも楽しんで読むことが出来る。
その内容は「脳・心・記憶・人工知能・人工生命・動物心理・神・エイリアンアブダクション・臨死体験」と、多岐に渡り、しかもそれらが関係ない事象ではなく科学的に結びついてくる。
科学を持って宇宙人やUFO、神や奇跡をある種の証明に導いているこの作品は、オカルト嫌いの人や、逆にオカルトを信じやすい人にも読んで欲しいと思えるほどに一つの説として完成している。
主題となっている「神」についての作者の一つの解答も非常に納得の行く面白い説だと思った。「哲学すること」のなかで自分の中の科学と哲学の知識を総動員して神について考えたことがある人には、より結末は解りやすい。
個人的には、終盤にかけての「アイデンティティ」というテーマも物語のまとまりを演出していて素晴らしいと感じた。 -
神との対話のくだりが非常によかった。ここから瀬名さんにはまりました。
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パラサイトイヴに比べると人気はありませんが、この作品も素晴らしいと思っています。<br>
特にクライマックス。このクライマックスのすごさはただごとではありません。久しぶりに読んでいて圧倒されるという感覚を味わいました。<br>
とにかく超一級の娯楽大作です。まさに絶品。ここ数年で読んだ日本の小説の中では、三本の指に入る面白さでした。<br>
是非とも映像化して欲しい作品ですね。スティーヴン・キングの作品のようにTVで前後編に分けて8時間くらいにして。とてもではないですが、映画化するのは難しいでしょう、尺の問題で。<br>
ただ、問題はあのクライマックスだよなあ。あれをきちんと映像化するのは相当難しいでしょうね。<br>