パラサイト・イヴ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101214344

感想・レビュー・書評

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  • ミトコンドリアが意志を持って動き出しちゃうバイオホラー。
    らじは生物学が好きなので、専門用語やその実験なども含めて、かなり楽しませてもらいました。
    1994年当時の法律と医療および科学で書かれているので、今は違うところもあるだろうけどね。
    やっぱり理系の知識は必要だなぁ♪

    しかし、これを書いた当時の瀬名さんは20代。
    同じく20代で書かれた平野啓一郎さんの『日蝕』でも思ったんだけど、これくらいの年頃の男性って両性具有に興味があるの?

  • 生物学的にまだその全貌がはっきりと解明されていないミトコンドリア。ミトコンドリアDNA自体は女系にしか遺伝しない。従って、男性は自らの遺伝子を残すことはできない。現在のすべての人間のミトコンドリアをたどっていくと一人の女性にたどり着く。これがミトコンドリア・イヴである。作品は、このDNAが現生人類に対して反乱を起こすというバイオホラー。エピローグを読んでリチャード.ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読みたくなった。

  • 映画が有名な本作ではございますがマジメ(裸体の葉月里緒奈嬢しか存じ上げません)に映画を観ておりませんワタクシからしましたら始めての遭遇なのでございます。
    とは申しましても瀬名秀明大先生のご著書につきましては既に何冊か拝読させて頂いておりますので不安はございません。いつものように先生は難しい科学的雑学を持ってして極上のエンターテイメントを提供なさることは分かり切っているからです。


    ミトコンドリア大先輩、八面六臂の活躍!

    さて、本書は我々人類の大先輩であり欠かすことのできない同居人であらせられるミトコンドリア様の八面六臂の大活躍を記したものでございます。人類、何するものぞ!と意気込み熱力学的超能力を駆使し目指すは主人公の子種でございます。超能力を持たれるミトコンドリア様でありますが悲しいかな弱点がございます。その弱点につきましては本書を紐解いて頂きたいのですが、兎にも角にも主人公と交わることによりミトコンドリア様の中にスーパーミトコンドリア様とでも言うべき御子をご懐妊あそばされるのです。主人公の運命は?御子とは何者なのか?いやそれより人類の行く末や如何に!?
    本ブログ読者の皆様に置かれましてはここまでこの駄文を読まれた時点で読みたくて読みたくて堪らんと目を赤く血走らせて某密林書店のボタンをポチッと押してしまわれているかもしれません。しかし、ワタクシはひとつどうしても申し上げたい。本書には葉月里緒奈嬢の裸体はないのです!どどーん!
    まさか本ブログの読者様がそんな肉欲にまみれた素晴らしき御仁ではなかろうかと存じますが念のためご忠告差し上げた次第でございます。

  • 怖かった。科学的な事象を題材にしたホラーは、それが現実には起こらない、とは言い切れない怖さがある。
    夢中で読みました。

  • リングを描いた鈴木氏の作品と勘違いしていた。

    この著者自身が薬学部の出であり、
    サイエンスホラーがとても臨場感があり、説得力のある内容だった。

    太古の世に、人間の先祖であり、核の時代に振り返り、ミトコンドリアが寄生し、進化を遂げていき、現代の世において、そのミトコンドリアが今度は人間を破壊しはじめる

    エンターテイメントに科学的要素や歴史的要素が含まれる
    小説は、読む側にも勉強になるし、新たな興味を湧かせる力があるなー
    と感心した作品だった。

  • 官能的。気持よさそうだった。
    この文庫版はものすごくあとがきが充実していて、そっちの方が読み応えあった。

    ・専門用語を避ける傾向について
    「一般人にはわからない」という言葉を言い訳として、専門用語を使わず表現するのはよくない。
    理系の専門用語は「理系しか知らない言葉」という意味ではなく、その専門的事象を一般人にも分かるように名称したものである。だから理系の人でも自分の専門以外の言葉は知らないことが多い。
    でも理系の人は知らない専門用語が来たら自分で調べるだろう。自分で調べようとするスタンスこそ科学者の姿だしね。

    専門用語を避けるということは、それだけ内容が浅くなってしまい、学術への知的歓喜が満足されなくなってしまう。
    また、これまでに研究者が発見してきた事実が社会的に認められる機会が得られないという点からもよくない。
    きちんと専門用語を使うべき。そして(注をしっかりつければ大丈夫。

  • 昔読んだ時よりも感動が薄れて読み終わるのに3週間も掛かってしまった。
    私的には専門用語が多すぎで途中からかっ飛ばして読み進めた。
    そーゆーのなかったらホラーとしては楽しいものだったな。

  • 生化学者の妻が、不可解な交通事故死を遂げた。夫は妻の死を受けいれられず、肝細胞を“Eve1”と名づけ培養する。徐々に恐るべき性質をあらわす…。人間という種の根幹を揺るがす物語。(篠田節子)


    ・レビュー

    鈴木光司の『リング』とよく比較される作品。
    個人的には非常に面白かった。辞書片手に読むような専門用語の連続だったが意味が分からないわけではない。
    「ミトコンドリア」の起源というノンフィクションの情報から、その秘密というフィクションを引き出し、リアルとも虚構とも言えぬ科学的な決着の仕方をしているのも良かった。
    息を呑む展開も楽しい。

  • かなり怖い話。映画化もされたそうだが、映像で見る気には一切ならにほど、文章で読んでも怖い。免疫反応の話がメインと言っても良いと思うが、専門用語が多すぎて、理解できず、そうなんですねと読み進めるうちに、専門的な理解を持っていればさらに深い繋がりもあるのかも知れないが、素人の私が読み進めていってもついていける部分だけで十分に怖い。苦手な分野だと判った時には引き込まれている。

  • 著者は専門であるバイオ研究の知識を活かし詳細でリアルな描写で新しいホラーの分野を確立した。原作を元に映画やゲームが作成され一時期ブームになったという記憶がある。

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著者プロフィール

1968年、静岡県生まれ。東北大学大学院薬学研究科(博士課程)在学中の95年『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞し、作家デビュー。
小説の著作に、第19回日本SF大賞受賞作『BRAIN VALLEY』、『八月の博物館』『デカルトの密室』などがある。
他の著書に『大空の夢と大地の旅』、『パンデミックとたたかう』(押谷仁との共著)、『インフルエンザ21世紀』(鈴木康夫監修)など多数ある。

「2010年 『未来への周遊券』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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