孤剣―用心棒日月抄 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247106

感想・レビュー・書評

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  • IT業界でいろんなお客さまを相手に仕事をしているが、主人公の又八郎が用心棒としていろんな案件を対応していく姿に、自分の仕事と被ることが多くありました。

    仕事の丁寧さ、
    絶対的な剣の技術、
    人として信頼できる誠実さ

    こうした点を兼ね備えた又八郎から、時代小説ではあるが、自分の仕事に関して学ぶことがたくさんありました。

  • 『用心棒日月抄』第二作。国許に帰った又八郎だが、第一作で禍根を残した宿敵・大富静馬の逃走から、藩の密命を帯びて脱藩浪人として江戸へ戻る。藩の援助が受けられず、江戸での用心棒稼業が再開(笑)。以前は刺客として又八郎の前に立ちはだかった佐和が、今度は味方として大活躍する。そして又八郎とのロマンスも……江戸の街並みが眼前に広がるような筆致も素晴らしい!

  • 一度は剣を交えた佐知との静馬探索にぐいぐい引き込まれ、あっという間に読了。
    妙に色っぽい佐知に恋をしながら読んでしまった。
    新たな仲間の頼りなさに不安になりながら読み進めたが、最後はうまく着地しめでたし
    このシリーズは本当にオススメ。

  • 1997.?.? 読了

  • 用心棒日月抄の続編。主人公・又八郎は故あって再び浪人の身に。浪人で就職斡旋を待つ仲間2人がさつな豪傑・細谷源太夫、絵に描いたように貧相な貧乏武士・米谷八内との友情が何ともユーモラスで楽しい。一緒に追い人を捜してくれる女忍者との心の交流、揺らめきが、色鮮やか。そして追う剣客のニヒルな魅力。登場人物が多彩で飽きさせません。

  • 用心棒日月抄の第二段「孤剣」。
    藩に帰ってやっとのんびりできるかと思いきや、またもや厄介な密命を受け、またしても脱藩という形で江戸へ上り、孤独な用心棒をこなしがてら使命を全うしようとする青江又八郎。
    だけどこの巻では、用心棒稼業に少し慣れてきた主人公が、個性的な友人たちと共に時に助け合いながら生きてゆく姿が、ちょっと侘びしくも面白いw
    また、ひょんなことで関わりを持った嗅足組の「佐知」との色恋を抑えた友情、連携プレィ、そして仄かな触れあいが、イイ(^.^*

    ・・・しかしこの巻を読んでしみじみ思ったのは、
    「やっぱり人って、腹が満たされなければ何やるにしても動けないんだ」
    ってこと。
    それほど、青江にしても他の浪人者にしても、彼らが職を求めるに当たり切実なことと言ったら・・・「食うに困って」、これ以上の理由はないのである
    (物語の中で幾度となく「米が底をついた」という記述を見て、「またか、、、」と貧困が常に傍にあることを嫌でも思わせる話なんだ、この本は・笑)
    そしてそれに加え特に青江の場合、頼るべき人もなく単身江戸の片隅に寄食している孤独が、僅かな人との触れあいにより、ただ食事をするだけにしても何十倍ものパワーを得て元気になる様子が、とても繊細に暖かく描かれている。

    ただの味噌汁と一杯のご飯と漬物。
    それだけでも「食べられる」ってことのありがたさ。そこに人が居て見守ってくれること。
    この話を読むと、そんなごく自然でささやかな幸せを感じずにはいられない。

  • 又八郎は間宮様の藩命によりまた脱藩して江戸へ。藩の台所事情により江戸での暮らしの金はもらえず、自分の才覚でなんとかしろとのこと。キビシイ~!毎度の相模屋で米櫃が底を突いてしまう一寸先は闇の用心棒暮らしが始まる。細谷・米坂といった仲間に人情溢れる話を交えながらストーリーが進んでいく。そして今回は又八郎のパートナーに強くて頼もしく可愛らしい何でもこなせる佐知が登場し、2人の微妙な距離感かつ淡い恋とも言える関係がなんとも清々しい。ラストの2人の声には出さずとも想いが伝わっているようで胸が塞がれるようだった。

  • シリーズ2作目。
    又八郎も佐知も、そして静馬もかっこいいと思ったり。

  • 青江!いけない人ッ!

  • シリーズ二作目。さちが良い感じ。
    久しぶりに(って、本当に小学生のとき以来。。)、読みながら辞書ひいた。ニュアンスで読むと、ちょっともったいない気がする言葉が出てきて。

著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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