- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101254012
感想・レビュー・書評
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吉行理恵さんの本を読みたくなって
続けて読んだ。
理恵さんがモデルの様な主人公が
六十六歳でそして死んでしまう話だから
心臓がドキッとする。
理恵さんも実際に六十六歳で亡くなってしまったから。
(理恵さんがこれを書いたのは四十代の頃?)
お話の中に出てくる「寂しい狂い猫」と言う本の作者が
北田冴、登場人物も冴、の連作短編集。
本当に、わざわざやってきて、
気に障ることを言ったりやったりしてくる人って
どういう心境なのでしょうね?
私の話になりますが、
ある会合で休憩時間になり、
友達が出てくるのを傘を持って入口で待っていた。
そしてその時の私はとても感性が研ぎ澄まされていた(自分比)。
手に持っていた傘は、
ある時大好きな人と鎌倉を散策して
急な雨が降ってきたので駅前で急遽購入した、
私には特別な思い入れのある、
でも確かに真面目なサラリーマンが持つような
何か唐突な感じの傘、でしたが、
次々出てくる知り合いや他の友達が、
「その傘、どうしたの?」と結構皆傘の事を言ってきたのだけれど、
「この人はこの傘をきっかけに私と話そうとしてくれている」
「この人はこの傘がおかしいとわざわざ言う事で私を傷つけようとしている」
「この人はただこの傘を不思議に思い聞いてきている」
と、言ってきている言葉は同じでもそれぞれの人の気持ちが
凄くわかった時があって、
理恵さんはこの状態が日常なんだな、と思った。
自分の人生を振り返り、
よく頑張ったなと思ったり、
嫌な奴だったなと思ったり、
様々な感情が湧きあがる。
他人に教えたくない種類の、好きな本。詳細をみるコメント0件をすべて表示