源氏物語を知っていますか (新潮文庫)

  • 新潮社 (2015年11月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (672ページ) / ISBN・EAN: 9784101255392

作品紹介・あらすじ

男女の愛欲と孤独。野心と諦観。縦横無尽に張り巡らされた伏線の糸。平安貴族を熱中させた、極上華麗な大ベストセラー大河小説『源氏物語』五十四帖を、短編小説の名手・阿刀田高があなたのかわりに読みました。大人のユーモアとエロス溢れる軽妙な語り口で、70年以上にわたる長大なストーリーと複雑に絡み合う人間関係が、すんなり頭に入ります。学生からシニアまで全国民必携の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 阿刀田さんの知ってますかシリーズ。何作か読んでいますが、どの作品もよく研究されていて大変参考になります。

    源氏物語
    平安中期 全54帖
    主人公級 30人
    和歌 795首
    この和歌が凄いですね。男女別年齢別能力別全て考慮して、紫式部が創作しているのですから。

    おおよそ3部構成とされています。
    第一部 1から33
        光源氏栄華への道
    第二部 34から41
        光源氏苦悩に満ちた晩年
    第三部 42から54
        宇治十帖
        光源氏亡き後の世界

    阿刀田さんは、主体となるストーリーを満遍なくおっています。そしてわかりにくい人間関係や血縁関係を繰り返しながら展開するので、源氏物語の解説書としてとてもわかりやすいと思います。
    ストーリーを主としているので、小説を彩る部分、各祭事とか絵合わせの情景などは、思い切って省略されています。ですから、小説として楽しむには物足りないかもしれません。
    ユニークでアイロニックな感じで、時に男性陣を語ります。夕霧(光源氏の息子)とか薫(光源氏の子とされている柏木の子)は、真面目ちゃんとして厳し目かなと思います。


    〈オンデマンド講座覚書〉
    源氏物語「生と死」

    平安時代 もののけが憑依して病気になると思われていた。調伏するためには、験者が加持祈祷を行い、病人からもののけを取り出して、よりましと呼ばれる人間に憑依させる。そこで、名前を名乗らせて(名告り)調伏となる。
    源氏物語ではよりましを使わない。

    死への順路
    招魂
    もがり 遺体の安置
    入棺
    出棺 清水寺南方 冥土の入り口 葬送地
    野辺送り 鳥辺野
         普通は母親はついていかない

    • 傍らに珈琲を。さん
      おびのりさん、こんにちは

      土瓶さん、凄いですね
      覚えていられるのは羨ましいです、素晴らしい事。
      私はうっすら覚えていて、タイトルや著者を忘...
      おびのりさん、こんにちは

      土瓶さん、凄いですね
      覚えていられるのは羨ましいです、素晴らしい事。
      私はうっすら覚えていて、タイトルや著者を忘れてしまっていることも多々あるので、あれは確か…と本棚を漁るという感じ。
      無駄が多いこと、やってます。

      源氏物語を追いかけていらっしゃるんですね。
      素敵だなー。
      先日読み終えた京極先生の小説に、
      その人にとって本当に必要な本はたった1冊で、それが分からぬから探し求め、あるいはコレに違いないと思っても他にもあるかも?と思ってしまうから、本が集まってしまう等という文章がありました。

      もしかしたら、おびのりさんにとっての1冊は源氏物語なのかもしれないなーと、やり取りさせて頂きながら思いました。

      「2時間でおさらいできる源氏物語」、ご紹介有難う御座います♪
      こちらも登録しておきます。
      2023/08/17
    • 土瓶さん
      いやいや。相当に忘れてますよ。
      もう、自分の記憶ほど信用できないものはないくらいに(笑)
      京極さんのは何回か読んでるし、メモ等もとってあ...
      いやいや。相当に忘れてますよ。
      もう、自分の記憶ほど信用できないものはないくらいに(笑)
      京極さんのは何回か読んでるし、メモ等もとってあるし、それでもあやふやなのは本棚から引っ張り出して確認しているだけです。

      そう。このあいだなんか「保冷剤」という単語がどうしても思い出せなくて、「ドライアイス」という単語も出てこなくて、「ほら、あの~、冷凍庫にある冷たいのあんじゃん。いや、氷じゃなくてさ」と、けっこう苦労しました。
      2023/08/17
    • おびのりさん
      自分のメモさえ忘れる。
      あるいは読めない。
      自分のメモさえ忘れる。
      あるいは読めない。
      2023/08/18
  • 今年は『源氏物語』現代語訳をいくつか読みました。締めには阿刀田さんの「知っていますか」シリーズで「源氏物語」を。

    アーサー・ウェイリー版
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4865281630#comment

    谷崎潤一郎版
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4122018250#comment

    角田光代版
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/430972874X

    ❐大河小説の大筋に、それだけで短編小説になりそうな傍流が散りばめられている。その傍流は、コメディやミステリー小説らしさも感じる。

    ❐源氏物語で詠まれている膨大な和歌。紫式部はその登場人物像を表す歌を詠んでいる。なかには上流階級でありながら生活感が分かったり身も蓋もない歌があったり・笑
    阿刀田さんが、登場人物の心情にあった和歌解説してくれて分かりやすかった。

    ❐古典文学では「難しいけど、半分くらいわかる」で充分。千年前の言葉が現在読者におおよそ分かるという日本語の豊かさを感じましょう。

    ❐宇治十帖に関しては設定上の矛盾も感じる。作者別人説があるのはそんな理由か。

    ❐光源氏の死を現した、題名だけで中身のない<雲隠>は、中世以降に追加されたものらしい。紫式部もびっくりだろう。それだけ何年もの愛読者たちが多いってことで。

    ❐この時代男性が女性の御簾の中に入り朝まで滞在したら、肉体関係の有無はさておき「契が行われた」とみなされる。
    これでちょっと分かった。源氏物語本編ではこのあたりかなりぼかして書いている。後日妊娠したり女性の態度が明らかに変わったら肉体関係が…ってわかるけど、状況的にデキないですよね?という場合もあったので(狭いとか人目があるとか…)、これで「契り」があったってどういうこと?と思っていたのですが、朝まで過ごしたから契りと見なされたのであって、本当に関係を結ぶ必要はなかったんですね(^_^;)

    ❐源氏物語は「衣食住」のうち衣装と住処・調度品は詳しく書かれていて、その場の状況や、人物像がわかりやすい。食についてはあまり触れていない。

    ❐外国語訳について。アーサー・ウェイリーを初めとして外国語にも翻訳されている。それはその翻訳の時代の英語である。日本人は教科書などで源氏物語の原文を目にしたことはあるので「古典の文体で、古典の文学だな」と分かるけれど、外国人読者は特に古典とは意識せずに読んでいるのではないか(せいぜいがバルザックくらいの時代の感覚)。

    ❐登場人物の感性を「彼はこんなビヘイビアを持っている」という感性による人物解析がわかりやすいです。

    ❐源氏物語では政治のことはほとんど書かれていないが、光源氏は政治家としても力量があったことが感じられる。

    ❐私が本編読んだときに「なぜそれをする!?」と思ったところがあるのですが、そのあたりは阿刀田高も苦笑気味に感じました。
    ・光源氏があっちこっちの女性に移り渡るなかでも、女三の宮を迎えて紫の上が苦しんでいるときに、「やっぱり彼女が一番素晴らしいなあ」と言いつつ、わざわざ朧月夜のところにいくのはやっぱり疑問…。
    ・夕霧くんが落葉の宮に強引に言い寄っていた場面で、夕霧くんの対応の悪さを阿刀田高が解説してくれて納得でした。当時の風習とか分からずに読んでも「それはマズイ」と思っていたが、当時の風習を考えると、本当に、本当にマズかった(苦笑) そして阿刀田高が夕霧くんを「真面目くん」と連呼するのが愉しかった(笑)


    ❐紫式部が書かなかったことについていくつかの場面は「そりゃーないよ、書いてよ」と言っている笑。玉鬘ちゃんと鬚黒大将の結婚(実力行使-_-メ)とか。このあたりは作家としての阿刀田高の作家目線。

  • 「源氏物語」は、平安時代の貴族社会における複雑な人間関係と恋愛を描いた傑作だ。光源氏は、経済力や男らしさだけでなく、相手への思いやりと誠実さが重要であることを示している。 当時の貴族社会では、娘を嫁がせることで家族の地位を高めることができたため、女性の役割が重要視されていた。一方で、光源氏自身も「一線を超えた不祥事」で皇室出自から平民に落とされ、再び貴族の地位を得るという曲折を経験している。
    登場人物が多く、複雑な人間関係が描かれているのは、紫式部の卓越した筆致によるものだが、最後に登場する浮舟は、紫式部自身の姿を重ねて描かれているのかもしれない。
    本文にある「女性にモテるための条件は経済力や男っぷりも大切だが、何よりも推しが強いこと、まめであること」とある。

  • 大河が紫式部な今年を逃すと源氏物語について知る機会がしばらくこなさそうだなということで阿刀田高の古典解説シリーズ。相変わらずわかりやすくて面白い。大雑把にしか知らなかったけどしっかりあらすじや登場人物を知ってみるとやはり色んな意味ですごい物語です。

  • ずっと気になっていた本だが大河もあって読み進めた。
    読んでみると語り口調も本当に語りかけているようでカジュアル、読みやすい。するすると読んでいけたし、重要なこと・複雑なことは繰り返し記されているので振り落とされることなく読了できた。

    帖の名がその出来事にまつわるフレーズであることは雅だなぁと思う。また、現実の人物を複数モデルにしているという噂もありためになる。光源氏と他の貴族との違い、柏木や夕霧等周囲の人物との関係、源氏の君の死後 薫の君と匂宮の間柄など、コンパクトにまとまっており、ざっと内容を知れた満足感もあり、原作もぜひ読んでみたいと思った。

    願わくば、あとがき・まえがきがあればほしかった。

  • Amazonオーディブルにて。
    長かった。最後まで源氏物語を通読できた達成感。今まで、あさきゆめみし程度にざっくりとしか読めてなかったけれど、さすが阿刀田高さんは解説がわかりやすい。でもさすがに長かった。

    あまり量は多くないけど、谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴、アーサーウェイリーなど過去の翻訳者がこの描写をどう描いたか、の比較論や、紫式部自身の意図の解説なども触れられていて良かった。
    物語の最後、もう少し全体を振り返ってとか何かあるかと思いきや、あっさり終わってしまって拍子抜け。オーディブルで散歩しながら画面を見ずに聴いていたので驚いてしまった。原作同様と言えばそうか。

  • 図書館で。安心・安定のシリーズ。
    確かに千年も前に書かれた文章を読んでなんとなく意味が分かるってのはすごいことだなぁ。今まであまりそういう観点から考えたことなかったけど。言葉や表現方法は変わっても根底は変わらないんだろうか。興味深い。(使われなくなった表現とかも勿論あると思うけれども)

    源氏物語は文化も習慣も常識も今とはことごとく違う過去の(しかも貴族の)話だけれども、人間が感じる悲哀や喜びは今も昔も変わらないものなのだなぁとしみじみ思います。

    それにしても今も昔も主人公ハーレムものは流行るんだなぁ…と思ったり。前に読んだ源氏物語の学術書で、当時小説は今でいうところのサブカルチャーのようなものだった、と書いてあったので、今も昔もお話のヒーロー像に求めるものは変わらないのかもしれないなぁと思いました。

  • この本は長大な源氏物語がわかりやすくまとまっていて、読んだ後、源氏物語を読み通したような気分になる。かなり理解しやすいため、高校生にオススメしている。
    [NDC] 913.36
    [情報入手先] 蔵書
    [テーマ] ちょっぴり背伸び本

  • 2022/11/18 Amazonより5冊購入で10%OFFキャンペーンにて979円(297pt)で購入。

  • 阿刀田さんがわかりやすく現代語に直して源氏物語を説明してくれる本。かなり長編。面白かった。源氏物語は好きであれこれ読んでいるから、おさらい感覚なんだけど面白い。かなりくだけた現代語に翻訳してあるから若い人にも読みやすいかも。

  • どう考えても周りの人は可愛そうでは?ニギニギしいとか、つぎつぎしいとかいう阿刀田先生の表現は、勉強になりました。

  • 学校教育のお陰で書名と著者を知らない人はいないだろう。しかし、この物語がこんなに奥深いものだとは知らなかった。源氏と言えばプレイボーイ……そんな印象しかなかった。美しい女性に心惹かれるのは男のサガ。当時のやんごとない女性は簾内にいて、その簾内に男が入ることは、例え肉体関係がなくとも契りを結ぶこととなる。確かに源氏は多くの女性と浮名を流したが、紫式部は源氏や彼の子孫に対して因果応報の結末を用意していた。女性の目線で、男の浮気に対して強烈なアンチテーゼを感じる作品だと思えた。

  • 著者の「知っていますか」シリーズが気に入って、図書館で借りてみた。…‼︎…思ったより分厚い。そりゃ源氏だもんね。さっそく読んでみよう。
    読了。
    源氏って、こんなにしょーもない話だったっけ。若い頃に読んだ時は雅な話だなぁ、源氏素敵!姫君たちも素敵!と思ったのに。
    容姿端麗で頭脳明晰、仕事も出来て女にモテまくる上に、関係を持った女性は最期まできっちり面倒をみる甲斐性持ち。言うこと無し!な男なはずなのに、全く魅力を感じない。。何故なんだろうと思いながら、エッセイを読了。
    光る君が関わった幾多の女性たち、誰一人として幸せになっていない。最愛の人、紫の上なんて小さな頃から源氏好みに仕立て上げられてきたのに、最後には正妻の座を若い子に奪われてしまう。誰一人として本当に愛せない男、光る君。恐ろしい話だなと思ってしまった。年取ったな、私(笑)。
    訳本を読む時、和歌に注目して読むと良いという著者のアドバイスが良かった。

  • 全体のストーリーがわかった。
    大長篇作品なのに(源氏亡き後の一部分を除いて)ほとんど辻褄が合っているストーリー展開に恐れ入りました。

  • どうしたって(時代の風俗・習慣だと頭で理解したとしても)、雅なことだ、人びとの心の機微、なんて物分かり良く読めない。源氏が悪い。
    だから、興味はあっても源氏物語が読めない私からすれば、この案内書のごとき本はありがたい。
    そして面白く、また憎し光源氏。

  • 言わずと知れた源氏物語。知りたいし読みたいのだけれど、どうにも長い。他にも読みたい本は多いしと思い悩んでいるところに本書。全54帖が一巻にまとめられ楽しく読める。
    著者の ~~を知っていますかシリーズを読むのは ギリシャ神話、旧約聖書、新約聖書、コーランに続いて5作目だがどれも現代小説のように読めて素晴らしい。その理由はあとがきにもあるように人生訓のような教訓めいたものを押し付けようとしないところにあるのではと思う。
    望むらくはこのシリーズで 古事記や日本書紀や論語もやって欲しい。方丈記は自分でなんとかなるかなぁ。

  • 源氏物語をかみくだいて説明しています。
    物語がとても身近に感じました。

  • 阿刀田高「知っていますか」シリーズ。「ギリシャ神話」「旧約聖書」「新約聖書」「シェイクスピア」「コーラン」「イソップ」に続く新刊。

  • やはり古典は苦手だ…

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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