デトロイト美術館の奇跡 (新潮文庫 は 63-3)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 311
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  • Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101259635

作品紹介・あらすじ

ピカソやゴッホ、マティスにモネ、そしてセザンヌ。市美術館の珠玉のコレクションに、売却の危機が訪れた。市の財政破綻のためだった。守るべきは市民の生活か、それとも市民の誇りか。全米で論争が過熱する中、一人の老人の情熱と一歩が大きなうねりを生み、世界の色を変えてゆく─。大切な友人や恋人、家族を想うように、アートを愛するすべての人へ贈る、実話を基に描かれた感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 今日は荷物が多いんだけど、本はいつも通り持ち歩きたいんだよねー
    手に取った作品は、またもやマハさんのもの
    130頁の厚さだが、期待を裏切らない作品だった

    『デトロイト美術館の奇跡』は、アートを愛する人々の思いが詰まったお話
    2013年にデトロイトは財政破綻
    負債総額は180億ドル
    その負債の補填などのため、デトロイト美術館の美術品の売却が検討された

    アートはともだち
    助けたいのです___友を
    デトロイト美術館の運命はいかに。。。

    作中でも度々出て来たカバー絵、ポール・セザンヌの「画家の夫人」
    マハさんの作品を読んで、また絵を一つ覚えた
    沢山の人の心を掴んで離さないこの絵を、いつかこの目で観てみたい
    そして魅了される絵に、出会ってみたい

    • ちゃたさん
      こんにちは。素敵なレビューありがとうございます!8月も終わりを迎え、何を読もうか迷っていたいたので、すごく参考になりました!
      こんにちは。素敵なレビューありがとうございます!8月も終わりを迎え、何を読もうか迷っていたいたので、すごく参考になりました!
      2023/08/26
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ちゃたさん、こんにちは〜

      早いものでもう9月なんですね、ビックリ。。。
      参考になって良かったです(^○^)
      何読もうか迷ってしまいますよね...
      ちゃたさん、こんにちは〜

      早いものでもう9月なんですね、ビックリ。。。
      参考になって良かったです(^○^)
      何読もうか迷ってしまいますよね
      私も積読がいっぱいですよ(^^;;
      2023/08/26
  • アートの力はすごいと思いました。これは財政破綻をきたしたデトロイトの美術館と人々の生活を守った物語です。
    原田マハさんの作品を読むと美術館に行きたくなります。そして、お気に入りの作品に出会いたいと思うのです。
    そうした意味で町から美術館が消えてしまうことから守り抜いたアメリカの人々の心意気に感じるところがありました。
    私もアートや読書を楽しめるよう余裕を持って行きたいと思います。

  • 原田マハさんの美術の本は最初はなじまない。
    私の日常とはかなり遠くにある。
    デトロイトといえば、自動車工場とタイガース。
    元阪神のフィルダーがメジャー復帰して、本塁打王、打点王になった。
    そしてNBAピストンズ。アイザイヤ・トーマス、デニス・ロッドマンら悪童?が、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズに立ちはだかった。
    そんなイメージのデトロイトの美術館と年金受給者がピンチを迎える。
    第一章のフレッドとジェシカの話がすてきだ。
    セザンヌの絵を愛する妻を愛するフレッド。
    読み進めるうちに違和感は消え、いつの間にかデトロイトの住人になる。
    何とか美術館と年金受給者を救いたくなる。どちらかでなくどちらも。
    奇跡は起きる。
    短編だけど、シンプルで密度と感動は濃い。

    • shokomamaさん
      まいけるさんの軌跡を見ました。たくさん本を読んでいらっしゃいますね。私の本棚と同じ本もたくさんありました。感想も読ませていただきました。凄く...
      まいけるさんの軌跡を見ました。たくさん本を読んでいらっしゃいますね。私の本棚と同じ本もたくさんありました。感想も読ませていただきました。凄く感性が似ている感じがしました。これからもたくさんの読書感想文的な物を読ませて下さいネ。
      2024/04/03
    • まいけるさん
      コメントありがとうございます。
      マハさんや瀬尾まいこさんらの感想を拝見しました。
      嬉しい共感でした。
      これからもたくさん刺激してください。
      ...
      コメントありがとうございます。
      マハさんや瀬尾まいこさんらの感想を拝見しました。
      嬉しい共感でした。
      これからもたくさん刺激してください。
      よろしくお願いします!
      2024/04/04
  • 市の財政破綻のため、美術館のコレクションに売却の危機が訪れる。
    しかし市民の生活も救い、美術館も残そうと、人々が動き出す。──

    美術に無知なので、この本を読む前だったら私も一部の市民のように「売却」派だったと思う。
    しかし、地元に根付いた美術館の存在、またその芸術品は様々な人の想いをのせて、人々に愛され大切に守られてきたことがよく分かった。マハさんに教えられた思い。
    ラストはうるっときた。

    • なおなおさん
      ブク友の果物の方とか、お寺の方がマハさんを結構読まれていますよね。みんみんさんも!
      レビューを楽しみにしております。
      ブク友の果物の方とか、お寺の方がマハさんを結構読まれていますよね。みんみんさんも!
      レビューを楽しみにしております。
      2023/11/19
    • みんみんさん
      マハさんの絵画系の作品はヤバいですよ笑
      それ以外もいいけど♪
      マハさんの絵画系の作品はヤバいですよ笑
      それ以外もいいけど♪
      2023/11/19
    • なおなおさん
      美術に疎くても、その世界に入っていけちゃうのがすごいですよね!
      実は私も今、一冊借りているのです。楽しみ〜。自分の中で今、マハラッシュが来て...
      美術に疎くても、その世界に入っていけちゃうのがすごいですよね!
      実は私も今、一冊借りているのです。楽しみ〜。自分の中で今、マハラッシュが来ているみたいです。
      2023/11/19
  • 原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』新潮文庫。

    やはり原田マハは絶対に裏切らない。例え長編であろうと短編であろうと、本作のような中編であろうと決して裏切ることはない。

    財政破綻の危機に瀕するデトロイト市の美術館と貧しくも慎ましく生きる黒人夫婦の物語である。まるでモダンアートの歴史を描いたノンフィクションの中に挟み込まれた挿話のようにも感じた。

    デトロイト美術館とモダンアートを愛してやまない老夫婦の物語が胸を打つ。たった一人の老人の小さな行動が……

    舞台がアメリカということもあり、言いたいことは山のようにあるのだが、本作とは余り関係ないので控えておこう。

    本体価格460円
    ★★★★★

  • 芸術とはあまり縁がなかった私ですが、この本には一気に引き込まれました。

    タイトル通りデトロイト美術館(DIA, Detroit Institute of Arts)が舞台。
    芸術を愛することはお金持ちや貧乏などは関係がない。
    誰にでも芸術は愛することができる。
    セザンヌが妻を描いた《マダム・セザンヌ》。
    そして、主人公のフレッドと妻のジェシカが素敵すぎる。

    時間を見つけて美術館に足を運びたくなりました。

  • 本屋のおじさんに勧められ購入。
    アートに関する、感動するお話。
    一章は良く出来ていたが、そこから少し話が冗長していた。
    最後に鈴木京香さんと原田マハさんの対談が載っていました。
    一日でも割と読み終わるので、サクッと読みたい人はオススメ。

  • 事実に基づくフィクション。
    絵画が好きなので、読んでみたいと思っていた原田マハさん。ページ数の少ない本からと思い手に取りました。「マダム•セザンヌ」という絵に魅了された人達が繋がり、やがて全米が注目する出来事に関わっていきます。

    フレッドの物語がよかったです。美術館を訪れる事になったきっかけや「マダム•セザンヌ」を好きな理由がじんわりと心にしみます。終盤の展開も微笑ましい。

    アートを大切にする文化が素晴らしいですね!
    デトロイト美術館に行ってみたくなりました。

  • 原田マハさんの美術系の物語は本当に大好きで
    定期的に読みたくなってしまいます。
    毎回ながら
    読むとたちまち、美術の世界に引き込まれてしまい一気に読見上げてしまいます。
    今回はデトロイト美術館を存続できるために
    動いた人たちのお話ですが、
    美術を愛してやまない人たちが美術館の作品を友達と呼び、その友達を手放さないために
    勇気を持って呼びかけ、行動することで
    大きな成果をもたらしみんな幸せな気持ちで過ごせる。
    美術館に行くたびに、出会った絵の中で気に入ったものの絵葉書をいつも買って帰り写真立てやファイリングしたハガキを眺めるのがささやかな私の楽しみなので、
    私も同じ気持ちで読むことができました。
    いつものマハさんの美術系の物語のものの中では短い物語なので、とっつき安いのでおすすめです。

  • デトロイト市の財政破綻に伴い、貴重なコレクション散逸の危機にさらされたデトロイト美術館(DIA)の救済に至るストーリー。史実に基づいたフィクション。アートへの愛情に溢れた人々のほのぼのとした物語。内容はあっさりしている。短編に近い。ポール・セザンヌが妻を描いた肖像画〈マダム・セザンヌ〉が絶賛されているが、平凡な女性を描いた平凡な絵にしか見えない。自分には美術の鑑賞眼ないのかな。

    巻末に、著者と鈴木京香さんの対談が掲載されている。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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