面影小町伝 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.41
  • (6)
  • (18)
  • (39)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 148
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101265339

作品紹介・あらすじ

谷中の茶汲み娘・お仙は徐福の仙薬で色白美人に大変身。途端に評判の「小町娘」になって、錦絵にも描かれる始末。実はくノ一のお仙、人気が出ては困るのだ。ところが浅草にも美女・お藤が現れ、なんと二人の、幕府もひっくり返る大因縁が明らかになる。小町ブームに沸く江戸の町で伝説の秘剣が邪気を放ち、田沼の陰謀が渦巻く。お色気百倍の大江戸三部作完結編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 全1巻。
    風流冷飯伝、退屈姫君伝に続く、
    大江戸三部作完結編。
    退屈姫君伝のお仙が主人公の外伝。

    『風流冷飯伝』
    http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4101265313
    『退屈姫君伝』
    http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4101265321

    シリーズの続きだし、
    同じイラストレーターさんの表紙だしって
    油断してたらびっくりする。
    全くの別物。

    前2作の講談風な語り口は無くなって
    ゆるーくまったり楽しめる
    独特の雰囲気はどっか彼方へ。
    シリアスで妖しい伝奇ものになっちゃった。

    登場人物は引き継がれてるけど、
    冷飯食いも退屈姫も出てこないし
    (退屈姫は最後に数行出るけど)、
    敵役田沼(息子)なんて
    嫌な奴だけど滑稽で間が抜けてたキャラ設定がどっかいって、
    ただの小悪党に。
    コミカルさはかけらも無い。


    でも、
    計算された構成のミステリーな感じで
    ハラハラしながら、ぐいぐい引き込まれる。

    これはこれで良いじゃない。
    と、
    思ってたんだけど...。


    後半がうあーって感じ。


    これはシリーズのファンにとってはやるせなさすぎ。
    なんだかんだで明るくハッピーに締めてくれると思いきや、
    救いが無いまま物語は終了。
    やるせなくてもやもやした気持ちが後に残る。
    シリーズのファンは読まない方がハッピーかも。
    下手したら。

    残念とかつまらないとかじゃなくて、
    嫌だ。
    うあー。

  • 三部作完結編です。

    前二作と文体が違うせいか、雰囲気もシリアス感漂います。

    個人的には、著者の別の作品(「真田手毬唄」)で出てきた“大蜘蛛仙太郎”の衝撃の真相がやっとわかりました。

  • このシリーズの中では、一番読みごたえが有りました。
    明るいおバカな話も良いけれど、シリアスなこの話は感動ものです。

  • 今回はくの一お仙が主役。
    色白美人になったお仙は春信の美人画に描かれ、一躍江戸の有名人に…。それに勝るとも劣らない美人(楊枝屋のお藤)が現れ、2人の関係が明らかになっていく…。

    このシリーズでは一番シリアスかも。
    苗字の由来について詳しい説明があったり、歴史上の事柄も踏まえて書かれてるので、ちょっと物知りになれます。

  • 2011-79 なんか暗くて悲惨な話し。もっとほのぼの気楽な話を期待していたが面白くなかった。めだか姫も出てこず残念。

  • あのお仙も成長して江戸の二大美女のひとりに数えられるようになってしまっています。
    それはもう、隠密の手先としての仕事に支障が出るほど。
    そして、もう一人のアイドルお藤との間に以前消滅した紀州の小藩にあった魔剣にまつわる意外なかかわりがあることもわかってきてめぐる因果の糸車がまわりはじめる。

    これまでに読んだ他のシリーズとは異なりお気楽な明るさは少なくなりせつない哀しみのようなものが作品をおおっていました。

    (2006年06月11日読了)

  • 大江戸「~伝」三部作のラスト。
    単行本では「錦絵双花伝」(2001年発表)だったものを文庫化に当たって改題?
    熊野の九ノいち笠森お仙が、今回は活躍。
    前作では14歳だったお仙。
    母の病気で故郷の熊野へ帰り、徐福の妙薬で色黒を治してすっかり綺麗になって江戸に戻ります。
    お仙は、父が情報集めのために、富くじをやっている境内で開いている店に出ている。かって、めだか姫がお茶くみをして大評判になったこともある茶店。
    折しも素人の美人を絵に描いて評判を呼び、一儲けしようという企みが。
    隠密だから目立ちたくないのに、大迷惑のお仙。
    他の小町娘がどれぐらい美人なのかと浅草の銀杏娘お藤を見に行くと、そこには田沼の息子・意知が、美女を権力づくで我がものにせんとやって来ていた。
    じつは亡くなった家老の娘だというお藤。

    紀州秦栖藩に東証大権現から賜った家宝の名刀を巡って、奥女中の薄墨が命がけの逃走の途中、峠で生み落とされた双子という因縁。
    忍者物のせいか?ファンタジーというか妖術?がかっている部分も。
    絵師の鈴木春信が出てくるあたり、楽しめます。
    絵暦で売れ、多色刷りの時代に。美人画で名をなそうともくろむのでしたが‥
    鈴木という良くある姓の由来も面白い。
    田沼意次の時代は平賀源内の時代でもある。賄賂が横行したが一面、開放的だったのですね。
    因縁めいた人間関係が重く、これまでよりはシリアスで、けっこうどろどろ。里美という大名も出てきたりして、八犬伝のよう?
    二人の娘はけなげで、さわやか。

  • 米村圭伍の大江戸三部作完結編。
    退屈姫君シリーズとは違って、シリアスな場面が多かったかな?と思います。
    笠森お仙と柳屋お藤、倉地政之助、鈴木春信など、実在した人物にこんな話が隠されてたら面白いなぁと思いました。

    笠森お仙のお墓参りに行ってみたいな。

  • 史実通り、あの笠森お仙と倉地さんが結婚!?
    お仙が~!!と退屈姫君伝を読んでいたら悲しくなるのです。
    大人になったお仙が辛い運命に翻弄されるお話でした。

    『風流冷飯伝』から始まる三部作。
    続けて読めば天狗が小町に変わる驚きに出会えます(笑

  • 前二冊よりもシリアス色強めなちょっと哀しいおはなし。
    今回の主人公はお仙。

    悲しい結末を受け入れてしまうくらい
    引き込まれるお話。

    歴史ものの雰囲気をシリーズ中で一番感じられるおはなし。

    最後にめだか姫もちょっと出てくる。

全17件中 1 - 10件を表示

米村圭伍の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×