ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.69
  • (47)
  • (131)
  • (110)
  • (13)
  • (2)
本棚登録 : 1168
感想 : 112
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101269511

作品紹介・あらすじ

バブル崩壊前夜に買ってしまった分譲団地。20年近く経つ今もローンを抱え、織部頼子は節約に必死だ。その上、理事会では我儘なジジババに振り回される日々。一方、娘の琴里は27歳フリーター。ある日、幼馴染の三紀子にイケメン資産家の彼氏を紹介される。が、彼女は失踪、いつしか琴里が彼と婚約することに。織部家、まさかの人生大逆転?!一気読み必至の傑作「社会派エンタメ」誕生。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ローンは怖い,面白かった!

  • バブルの最後にニュータウンのマンションを購入し、修繕の時期に来たけれど、修繕するのか、建て直してしまうのか?!と理事会で右往左往する話。

    それと並行して、娘さんが友だちの彼氏を紹介されて、一緒にオペラを観に行くという話もあり、こっちの方に興味深々笑

    面白くて一気に読んでしまいました。

  • 読みやすく、あっという間の完読。
    途中までどういった展開になるのか
    とわくわくしていましたが、最後の推しがちょっと弱かったのが残念。。

  • とても現実味があったけど、話の流れがご都合主義感あった。男とんでもなくアホすぎる。

  • ライトで読みやすかった。議員になったところはご都合主義を感じたが、その他は作者の実体験に基づいていることもあり悲壮感が伝わった。家を購入するの怖いなと思った笑

  • 垣谷美雨さんの本は、身近な主婦目線の本が多く読みやすい。
    バブル崩壊前に分譲団地を購入した母とお金持ちのおぼっちゃまに翻弄される娘のお話。
    母の立場も娘の立場も自分に置き換えて考えてしまう…一戸建てじゃなくてアパート暮らしでもよかったかも…大金持ちと出会ってたなら…
    まぁ考えてもしょうがないけど…
    みたいに考えてしまうお話でした。

  • ●あまりにも描写が細かく感嘆していたら、やはり筆者の体験談だった。女性作家ならではの容赦のない人物描写は時として心地よさすら感じられる。
    ●最後には荒れまくるマンション理事会のシーンは圧巻。綺麗事で終わらしていない展開がまたいい。まあ、議員立候補は唐突感はあったが。
    ●やばい彼氏を友達間で押し付け合うなんて、そんな展開思いつかない。
    ●どうしようもならない、がんじがらめな庶民の気持ちに、何回も心がキュッとなってしまった。

  • 10月-02。3.0点。
    ニュータウンで産まれた、幼馴染み女子3人。一人が、彼氏を紹介すると言われ行くと。。
    読みやすい。廃れていくニュータウンの状況描写が上手い。

  • 読みやすくて1日で読んでしまった。いつもどおり面白かったけど目新しさはないかな。ローンの話も婚約者の話もリアルでぞっとした。

  • 21世紀を迎える直前にニュータウンにある中古住宅を購入しました。築10年のもので当時勤務していた所に近く、駅近くに立地していて、学校や商店街など自宅から数分の距離にああるので満足して購入しましたが、友人や知り合いに購入金額を言ったら信じてもらえないほどの額だっと思います。

    貯金をほとんど叩いて頭金に投入、その上で住宅ローンを組みました。住宅ローンを考慮すると当時の我が家の会計は赤字続きで苦労が続いたのを思い出します。繰り上げ返済を繰り返して、住宅ローンが終わって「抵当権削除」の書類が届いたときは嬉しかったのを覚えています。

    そんな経験のある私にとって、垣谷女史の書かれたこの本は主人公の家族の気持ちがよくわかりました。また理事会の役員も2回務めましたので、理事会の雰囲気も手にとるようにわかりました。住み心地の良いニュータウンほど、出ていく人が少ないので高齢化が進んでいます。最後の解説に書かれているように、作者は実際に多摩ニュータウンを購入されたことがある様です。

    実際に経験したから書ける小説は面白いだけでなく、ためになる部分もありました。ストーリーはニュータウンだけでなく、娘さんたちのある男性を巡っての出来事など、興味あるものが含まれていてドラマを見ているような気分になれました。通勤時間での読書タイムが待ち遠しかった1週間でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・この家を買うときは家が担保だったから銀行はお金を貸してくれた、だけど売ってしまえば担保はなくなる。担保なしで残高分を貸してくれたりはしない(p37)

    ・集合住宅はさまざまな世代の人々が交流できるから素晴らしいと綺麗事をいう人もいるが、それは間違っている。この団地を買ったのが失敗だと思う要因は金銭的なものだけでなく、世代の違いによる考え方の違いが大きくて、それがストレスの原因となる(p72)

    ・女性は歳を重ねると、顔の造作そのものよりも髪型、服装、姿勢や太り具合などに美醜が大きく左右されるように思う。全身が醸し出す雰囲気が大事である(p113)

    ・ハングリーでないとモチベーションを保つのは難しい(p375)

    ・ハッキリしているのは、幸不幸も勝ち負けも自分で答えを出すしかなく、人それぞれで違う(p403)

    ・大規模団地は都市計画法に縛られている、学校・保育園・病院・道路・公園・緑地・図書館などとセットになって都市計画は推し進められている、解除を申し出てもなかなか了承されない。建て替えに成功した団地のほとんどが建て替え完了まで20年以上の月日を要している、途中で挫折した団地もかなりある(p412)

    ・何事も諦めた時点で終わりである(p474)

    ・マイホームの夢を叶えるためにニュータウンが郊外に生まれた、これを支えたのが、定年まで雇用を保障する終身雇用、勤続年数によって上がる年功賃金、そして不動産は必ず上がるという土地神話である(p507)

    2023年6月15日読了
    2023年6月17日作成

全112件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

垣谷美雨の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮下奈都
宮部みゆき
伊坂 幸太郎
湊 かなえ
ピエール ルメー...
奥田 英朗
米澤 穂信
米澤 穂信
西 加奈子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×