はやぶさ式思考法: 創造的仕事のための24章 (新潮文庫 か 70-1)

著者 :
  • 新潮社
3.56
  • (2)
  • (8)
  • (4)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 59
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101272511

作品紹介・あらすじ

夢を超えた――総移動距離60億km、幾多の危機を乗りこえ、地球に帰還した奇跡の小惑星探査機「はやぶさ」。世界初の成果と七年間の飛行は日本中に感動を与えた。リスクと困難に立ち向かい、未曾有の成果をもたらした「はやぶさ」プロジェクトのリーダーが、ポジティブ加点法など独自の思考術と仕事術を提言する。『「はやぶさ」式思考法――日本を復活させる24の提言』改題。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 世界初の小惑星サンプルリターンを成し遂げた"はやぶさ"のプロジェクトリーダーだった筆者が、そのストーリーも交えつつ、創造的な仕事をするための提言をまとめた一冊。
    減点法はやめて加点法に/ルールは少なく/失敗を恐れない/高所から物事を眺める といったところが失敗を許容せず、既存の枠組みで完璧を目指すこれまでの日本から、今後創造的な社会へと変わっていくための指針だろうか。教科書には過去の事しか書いていない。なんてのもコロンブスの卵。そして、創造的な仕事に際しては、人事を尽くして天命を待つ/謙虚に自分の限界を知る といったあたりも我が意を得たり。
    早くいいニュースを聞きたいと思うな。とか、迷うくらいならどっちでもいい。なんてのも言われてみるとまさにその通りだと思うけれど、そこは前段のやることをやって、有限のリソースの中でのベターな答えをだす。という高度なマネージメント能力かと。

    とはいえ、筆者は日本人の能力を高く買ってはいるけれど、個人的には全面的に原則自由に切り替えるのまではどうかなと思ったりもする。しっかりと枠組みを守る土台があったうえで、時にはその枠を超えて行くことを許容する社会、その割合をうまくその時々に合わせて変えられていくようになればいいのかなと考えた。

  • 自分の好きなことに一心に打ち込めるのは、幸せなことだ。

  • 全部面白かった。事業仕分けの箇所も非常に共感した。

  • 一番印象に残っているのは、『どうしたら運を拾えるか』
    科学と運、自分では結びつかないものだと考えていた。しかし、科学者だからこそ、今できることとできないことの境界線をはっきり把握していることが大切で、だからこそ限界を超えたものに運を求めている、ということに納得できた。

    そして、運自体も、諦めずにコツコツと努力を積み重ねて粘った結果、拾える可能性が高くなる、つまり自分の努力次第、という考え方が気に入った。

    もう少しはやぶさについてもしっかりと知りたい。

  • 川口教授の講演は、何度か聞いたことがありますが、
    この本は、その講演の内容も含まれています。
    講演だと、スライド投射はあるものの、
    言葉が流れていく感じですが、これは本なので、
    川口教授のいう事が、より深く理解出来ました。

    でも、これを実践するとなると、中々・・・(汗)

  • 自らの立ち位置を厳密に客観視するこの冷徹な眼は,プロジェクトに対しても同様の立場なのだろう.人生・研究,加点法で攻めたいものです.

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1955年、青森県弘前市生まれ。「はやぶさ」プロジェクトマネージャー。
京都大学工学部卒、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。旧文部省宇宙科学研究所に助手として着任、2000年より教授。現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系研究主幹、月惑星探査プログラムグループプログラムディレクタ。専門はアストロダイナミクス、システム制御論。

「2012年 『はやぶさパワースポット50 = Hayabusa's Power Spot 50』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川口淳一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×