ワイルド・ソウル 上 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 181
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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101329734

感想・レビュー・書評

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  • 自分の普段の悩みがちっぽけだと感じた。
    ブラジルへの移民の話。過去にそんな過酷な歴史があるとは知らなかった。日本の歴史についても学びたいと思った。前半は辛い話が多かったが、後半は軽快に話が進んだ。結末が気になるので、下も読みたいと思う。

  • ブラジル移民の歴史を題材にした小説。
    国ぐるみでいい謳い文句だけで人を集め、悲惨な仕打ちを受けさせられた多くの日本人。
    劣悪な環境におかれ、牢人とまで揶揄された移民たち。主人公の衛藤もその1人である。
    過酷すぎる惨状に、読んでいても重苦しい気持ちになった。

    国がそんなに非道なことをするはずない。そんな考えが全く通用しない役人の無責任さに憤りを覚える。

    前半つらい部分が多いが後半からスピード感があり、つながっていく部分も多く、気になって読み進められた。

    衛藤、山本、ケイ、松尾。壮絶な背景を持つ者たちがこれから何を起こすのか。

  • 学生リクエスト図書2017

    日本推理作家協会賞(2004年)

  • 映画を見てるかのようなスリル感!

  • 下巻を読むには必要

  • 下巻が楽しみ!


  • ブラジルに半ば騙される形で移民して地獄を見た日本人が日本政府に四半世紀ほど経ってから復讐をするというストーリー。フィクションといえども戦前のブラジル移民の事情など事実を元にして書かれていたので勉強になった。そんなひどい移民政策が昔日本で行われてたとは。気になってネットで調べたらドミニカへの移民がまさにこの小説で描かれている地獄に近いんだとわかった。臨場感のある文章が素晴らしい。特に下の方で松尾がマリオを助手席に乗せたままFDで狂ったように速度を上げていくシーンは息を呑んだ。小説とは思えないような緊迫感があった。あと語彙力もだいぶ上がった。難しい言葉も多く使われてて勉強になった。しかし、こんだけの長さの話をかけるってすごすぎるなぁと思った。

  • 多くの現代日本人が知らないであろうブラジル移民の歴史。
    その大きな史実を土台に描かれるフィクション。

    序盤の100ページだけで1つの作品として成立するであろう濃密かつ重厚なテーマ。

    下巻でいよいよ復讐劇が幕を開けるのだが、
    おそらく彼らが望む結末には至らないのではなかろうか。

    悲しい結末でないことを願いつつ下巻へ。

  • 戦後日本政府の募集でブラジルに渡った日本人たち。彼らはすでに田畑や家がありお金を稼ぐことができると信じ、未知の地へ発った。しかし入植地は密林で、移民らは病気で次々と命を落とした。

    現実にその様なことが起こっていたと考えると、なんとも無念である。
    国を信じたのに、国に裏切られる。

    それから生き残りの同志たちの、日本政府への復讐劇が始まる。下巻での復讐劇の内容が楽しみ。

  • 上巻は壮絶なブラジルでの内容で読むのがきつかった。
    下巻に期待なのかもしれないがそれまでに挫折してしまう人が多いのでは…

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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