あなたが欲しい (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101334219

感想・レビュー・書評

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  •  久々に、まともな小説を読んだ。
     何を基準にまともなんて言うことに、深い意味はないんだけど。

     僕の中では「普通の大人」が読んでる小説?
     よくわかんないけど、そういうので。

     今は割と「唯川恵」さんの小説を読む機会がちょこちょことあって。
     ちょっと悲しい女の恋愛小説。

     まぁ、多分きっと。
     年齢的に今だから楽しい小説。
     きっとね、年を取れば味覚が変わるように、読んで面白い小説も、自分の経験とか、年齢とともに変わって行くんだよ。と、年寄りじみたことを言ってみる。

     それはさておき。

     今回のお話は、恋人の親友を好きになってしまう女の人の話。
     ざくっというとね!

     で、まぁ、いろいろあるんだけどさ。
     結局は、最後はドロドロの修羅場になってしまうわけさ。
     皆、誰かを裏切ってて、誰かに傷つけられてる状況。

     現実世界には、こんな状況ってなかなか起こらないと思うんだけど(少なくとも、僕の生きてきた周りにはない)。
     でも、ありがちな感情が顕著に表れた結果がこれだった。

     最後は、登場人物の一人が、酔った勢いで全部、ばらしちゃうんだけど。
    「知らなければよかった」
     って、思うことがてんこ盛りで。

     なんとなく、人間ってさ。
     いろんな嘘の上に成り立ってる生き物だよな……って、しみじみと思ってしまった。
     友達に向ける感情だって多分。
     尊敬と誇らしさと共に。
     妬みや僻みが。
     一片も存在しない関係なんて、きっとないと思うんだ(ぁ)。

     僕だって、正直に認めると。
     友達のも持ってるものが羨ましくなることがいっぱいある。

     両親の仲がいい幸せな家庭だったり。
     安定した経済的基盤だったり。
     ちょっとした要領のよさだったり。
     甘え上手なところだったり。
     すらっとしたプロポーションだったり。
     身長だったり。
     ライヴで隣りの人に話しかけられる積極性だったり。

     時々、そのどうしようもなく手に入れられない何かが、羨ましくて羨ましくて、ギタギタすることだってあるし。
     逆に同じだったりすると。
     そのどうしようもなく同じな部分に反発したりする。

     でも、それはそれだし。
     ただ、一緒にいたくて、一緒にいるのも事実で。
     けど、時々、友達に抱くそういうマイナスな感情を、人間は忘れちゃうんだ。

     プラスもマイナスもあって、人間なんだけど。
     人間は割とよく、自分をプラスな人間だと信じたがり。
     他人のプラスの面しか見てないふりをする。

     でも、それも優しさ。
     プラスでありたいと願うのも人間で。
     プラスを見てあげたいと思うのも人間。

     そういうことをこの本を見て、考えさせられた。

     ただ、この本の「おお!」って、思ったところは。
     全てのマイナスをさらけ出された登場人物たちが、そこで全てを投げだしちゃうんじゃなくて。
     そこから、何らかの修復を導き出そうとしたこと。

     壊すのは簡単。
     直すのは難しい。

     でも。
     それでも、直そうとしたってことは。
     マイナスな感情もあったけど。
     やっぱり、プラスな感情がちゃんと、その下にもあったってことだよね。

     妬みの根底にあるのはきっと「憧れ」だと思うんだ。
     だって、その人を認めてないと、絶対に妬むことなんてないのだから。

     なんか、久々に言葉がぐるぐるした。
     人間関係って難しい。
     僕の中では、恋愛関係も人間関係の一種で。
     難しいものなんだと思う。

  • タイトルに惹かれて。

    普通の恋愛小説。少しドラマチックな展開は小説ならでは。
    主人公の嫉妬の感情だけ共感して読んだ。

    ライトに読めるけど残るものは特にない。

  • 中学生の時にこれを買っていた自分を疑うわ。不倫の話やん。
    でもいまになって思うと、多分私はそういう素養があったんだろうなぁ。

  • 「許す」という行為の大切さ、重さを考えさせられました。
    大切な人と長く付き合う中で傷つけ合うこともあるけど、許すことも許されることも強さが必要なんだと感じました。

  • 登場人物みんなの気持ちが分からなくもない。

    誰しも表面には出ない醜い妬みや蔑み、羨望といった感情を持ち合わせているもんだ。

    人間って複雑だなぁ。

  • 今度こそ不倫のない健全な恋愛ものと思ったのに、別の意味で期待はずれ。

    登場人物たちの誰にも共感出来なかった。表面だけの愛情や友情の下には嫉妬や軽蔑、自己中心的な優越感や不満が渦巻いていて、醜い。

    ハッピーエンドなのだろうけど、この先彼らが幸せになれるとは思えない。よほど成長しないと…。

  • まさに女!

    って感じでした。

    女の目線からみた恋愛、女の怖さ、可愛らしさを緻密に書く人だと思いました。

    まだ2冊しか読んでないけど、唯川さん好きです。自然体で正直で心にすーっと入ってきます。

    ただところどころ陳腐で展開が無理矢理なのと、主人公が無責任でアホなので感情移入はできませんでした。

  • OLの恋愛小説。王道って感じでした。
    主人公5人全員が、「秘密」を持っています。
    しかもその「秘密」がお互いに関わってくること。
    終盤の暴露のシーンは面白かった!(途中で気づいてたけど)

    誰でも「秘密」はありますよね。
    それをどう自分の中で処理していくのか。。。

    最後はちょっと希望が見えてよかったんじゃないでしょうか。
    2時間もしないでサクサクっと読めました。

  • 理沙子25歳。一流商社に勤める恋人亮とは結婚の話もでている満ち足りた日々。亮の同僚幹也を一目見たときから狂いだす歯車。どうしようもなく誰かを想うこと、友人への嫉妬…みんな胸に抱えているものがある。

    出会えるわ、きっと私たち、もう一度

  • りさこってかわいい名前。ドラマにするとおもろそう!

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