- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101342368
作品紹介・あらすじ
たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊い――。長い長い坂を登り切った先に位置する小石川診療所。身寄りがなく、弱い立場に置かれた人間が集まるこの場所で、医師・高橋淳之祐は日々奮闘していた。ある日入所した老人の秘められた人生が淳之祐の父の死の真相を明らかにするとき、彼の前に進むべき道が現れる。爽やかな感動を呼ぶ「赤ひげ」青春譚。
感想・レビュー・書評
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熱血青春もの。テレビの時代劇かアニメを見ているように軽い。鉄平のようなコミカルな人物もお決まりのような登場である。同じ小石川養生所を舞台にした周五郎の名作「赤ひげ診療譚」。まだ読んでない人は、読み比べてみてほしい。2016.4.26
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副題、小石川診療記。
当然ながら思い出すのは周五郎さんの『赤ひげ診療譚』であり、周平さんの『獄医立花登手控え』シリーズです(ちなみにこのシリーズは私が大好きな藤沢作品のうちでも1、2を争う作品です)。
この作品の主人公の淳之介は若く、生真面目で心優しいところ、さらに多少は柔道の心得があることなど、周平さんの立花シリーズに似ています。ただやや軽率なところもあり、そのぶんさらに等身大な気がします。
ただ、やや書き込みが浅いかな。脇を固める人々も伊佐治はなかなか魅力的ですが、ヒロインのお瑛の存在感がちょっと薄い気がします。この素材なら、もっと書き込んでもっと深い物語にできた気もします。
先日から何故か江戸時代の医者物が続きます。ついでに藤沢さんを読み返そうかなぁ。