レディ・ジョーカー 中 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347172

感想・レビュー・書評

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  • 感想は下巻で

  • ギリギリと音を立てて回る歯車は、ときに人を挟み込み破裂させる。

    (以下抜粋)
    ○日ノ出の古い体質のなかでは、人事面での評価はむしろ低かった。
     早くから、業務上のトラブルやクレームの対応に率先して当たってきた経歴が、
     不当に作用した面もあっただろう。(P.71)
    ○もちろん、そうは言っても今日の利益をあげる者がいなければ、明日の変革もない(P.72)

  • 誘拐された城山が解放された事を受けた東邦新聞の編集部から。

    新聞の「知る権利」ってどこまで追求していいものなんだろう。
    てゆうか誰のためにやってるの?と考えてしまったり。
    早ければ早い程価値はあるのかもしれないけど、一般的な生活を押してまで仕事をしたり、情報収集したり、やり過ぎという概念はないのか。
    新聞が売れれば何でもいいのか。

    物語はレディ・ジョーカー達は出てこなくなったので、細かい意図は分からないけど、新聞の方からだったり、合田だったりが犯人に掠っていく感じが上手いなぁ!と思っていつの間にか読み終えていました。
    上巻は1ヶ月かかったけど、中は半月で読めました。
    このまま一気に下巻まで読み切りたいです!

    面白い!

  • 城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを“人質”に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。

  • 説得力。


  • いよいよ日之出ビールに脅迫が…。
    続いて下巻へ。

    合田と加納の関係性にドキドキ。
    料理の描写と眼球のくだり…。

  • 日之出ビール社長誘拐事件のあと、犯人レディ・ジョーカーからの金銭の要求と受け渡しの指示など、今度は警察と企業と犯人の話になってくる。
    多くのしがらみにいまひとつ切れ味の悪い警察の対応。裏の裏を探ろうとする新聞社、企業の窮地で儲けようという金融屋たちなどが絡みに絡む。

    ※わかる人にはわかる話
     合田氏のH&M案件が顕著に。
     なんでこういうことになったのか。
     元々いかにもだけど(←)、そんなに必要な要素だろうか。

    でも相変わらずスピーディーで盛りだくさんな内容にあっという間に読み終わりました。

  • 複数巻の長編を平行に読破しよう月間。うーん、厚い本ばっかりだから、消化が遅くていかんな。

    「ジョー」と書かれているが、中巻。前作の犯人側(?)の視点から一転して、日の出ビール側を主として、新聞社と警察が描かれる。メインとなる事件の成り行きと、マスコミの内情、株などの色々な話題が、これでもかと詰め込まれているのもあり、それほど複雑な話でもないはずなのに読みにくい。失速というよりは、上巻同様に読ませる勢いは今ひとつ欠ける。

    上巻から読みにくいと感じていたのは3点。あちこちに視点を飛ばしすぎる。専門の話に説明が無く、業界スラングや専門用語をそのまま表記する。最後に、主語がなかったり、言葉を発した人間へのフォーカスがない。

    業界スラングなどは、作者の慣れなのか、資料を集めてきたときのそのままなのか知らないが、ちょっといただけない。

    宮部みゆきなどの、集めてきた資料列挙というスタイルではないが、女性作家ならではの不親切さは目につくものの、同じエピソードを繰り返し書いたりすることでフォローにはなっている。

    さて、「グリコ森永事件」を下敷きにした本作。グリコ森永を知っている人なら知っているようなエピソードが続き、「いつ囮が捕まるの?」「現金入りカバンを高速道から投げないの?」と、うがった読み方をしてしまっていけない。

    かなり事件に近い展開になっている点は、リアルなんだけど散漫で、普通の小説が都合が良すぎるのかもしれない。本作も、警察の部分は都合良すぎるが。

    そんな中、もう一つ気になるのが、架空の企業や車の名前などが投げやりで「毎日ビール」とかイカンやろ?出てくる名称が、中途半端に現実の他業種だったりするのは、読者を混乱させる。この辺は発想力がたりていない。そのくせ実在する企業や車種も出てくるんだからよくわからない。本作の一番いけてないところは「レディ・ジョーカー」というタイトルに有るのではないかと思い始めた。

    人物などの系統樹は長編ならではというか、破綻が少なく良く出来ているとは思う。都合が悪くなったら自殺させるのはどうかと思うけどね。

  • 中巻になってもテンション落ちないですね~、面白いです。相変わらず、読み進めるのになかなかの馬力が要りますが。まあでも面白けりゃ良しってもんです。さて、ここからクライマックスへ向け、どんな盛り上がりを見せるんでしょうか。ちょっと綻びが目立ち始めた「レディジョーカー」軍団、まんまとお縄になってしまうんでしょうか。

  • 犯人側の描写が一切出てこないです。気になる。

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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