対話篇 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.72
  • (226)
  • (391)
  • (399)
  • (47)
  • (12)
本棚登録 : 2561
感想 : 314
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101351513

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 3作品が収録されていたが、どれもイマイチだった。
    短編集・中編集にはよくあるパターンだが、登場人物や場面やアイテムが使いまわされている。が、この中編集では、共通していることが作品に特に意味をもたらしているとは思えない。
    内容も、「真摯な対話」とあるが、うーん、そうかぁ?という印象。少なくとも「真摯」という言葉は合わない。「いい話」と言えばいい話。が、綺麗なだけで、スルスルと入ってくるのだけど、同じようにスルスルと頭から出ていってしまい、内容も割とありきたりなので、余計に残らない。
    レビューの評価が高かったので読んでみたが、私には合わないようだ。

    レビュー全文
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-480.html

  • 優しくて、飽きさせない話で、どれも一気に読み進めることができた。短篇「花」では、「本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離しては駄目だ。離したとたんに、その人は誰よりも遠くへ行ってしまう。」この言葉に全てが詰まっているように思う。この話は、ただ泣かせるだけじゃなくて、オチもしっかりあって完成されてる。おじいちゃん、おばあちゃんの純愛ほど美しくて眩しいものってないな。

    「恋愛小説」の「僕をたまごみたいにふたつに割ったら、彼女の記憶だけが溢れ出すはずだよ」っていう表現も、なんだかあったかくて気に入った。

  • 何かどれも薄ら寂しいお話やったけど、三篇の中では花がダントツ良い。大事な人は大切にしようねって話。ただ裏表紙のうたい文句は安っぽすぎ。

  • GOとダディフライダディがよかったので読んでみたが、まぁまぁだった。

    p.56
    いくら親しい人がいたとしても、会わなくなったらその人は死んじゃうのよ

    p.57
    好きな人とは会い続けなくちゃいけないってことなの。どんなことがあっても

    p.75
    結局のところ、大切な人の手を探し求め、握り続けるためだけに、僕たちはうすのろな時間をどうにか生きてる。

    p.104
    夜が怖くなくなったのは、いつ頃だろう…
    きっと、想像力がなくなり始めた頃からね。
    →怖がりの人には、想像力があるんだね。と褒めてあげるのがいいのかも。

    忘れな草
    ・真実の愛
    ・私を忘れないで

  • 「映画篇」に続く2作目

    タイトル通り1対1の対話を中心に作られている作品
    死について扱っているのに重くなりすぎていないところはさすが
    3話入っていて、話の核は同じで見た目が違う話といった感じ
    よくそんなに展開思いつくなぁと思う

    やっぱり最後の話の「花」が一番良かった
    まぁ、その花が高確率で花言葉が持ち出される
    忘れな草だったってのがちょっとありきたりだったけど

  • 紡いだ言葉が柔らかい。

    当たり前だが、人には人それぞれのドラマが、その数だけあるのだな、と。
    悲喜交々、禍福は糾える縄の如しとは、よく言ったものですね。

  • 先に映画篇を読んで、面白かったから対話篇も。
    でも映画篇の方が面白かった。
    大切な人が死んでしまう、自分の寿命があとわずか、生きることと愛がテーマで、大切なことが書いてある気もするけど、絶妙に現実と非現実の狭間な感じで、どんなテンションで読めばいいのか最後まで掴めず終わった。

  • 2012.01.10

  • 収録されている短編は「恋愛小説」、「永遠の円環」、「花」の3編。大切な人たちを失った人々の物語が対話を中心に紡がれている。

    また、この物語に見え隠れするのは深刻な病の影である。病によって様々な大切なものを失い、どう生きていくのか。それは1人では見つけられるものでな誰かとの対話により得られるもので、その言葉は対話の形をとっているからこそ私の心にストンと収まったのだった。

    「恋愛小説」では「Go」で登場した桜井のような女の子が登場する。金城一紀作品ではよく登場する、おそらく作者の理想の女性。軽やかで自由で言いたいことを言って感情の赴くままに動く、そして何が自分にとって大切なことなのかわかっている女の子だ。私は彼女達が大好きで、憧れている。

    「永遠の円環」は私には完全だと思えるほど読み取れることができなかった。小さなひっかかりが胸に残る。ある場所で視点が代わる。それが洞察力と想像力の世界なのだろうけど急に納得のいかない転調をした曲のようで私は取り残されてしまった。

    「花」はある病の手術で命か記憶を失ってしまうかもしれない青年と大切な人を失った老弁護士が、老弁護士の別れた妻が残した遺品を受け取りに鹿児島までドライブするという話だ。

    まるでミニシアターで上映しているロードムービーを観ているような作品である。

    愛する人との記憶を少しずつ、少しずつ取り戻しながら上っ面の言葉ではない対話を重ねるふたりの旅の行方を見守っている。

    その言葉がじわりと胸に染み入って温かい。貴重な読書体験だった。

  • 読みながら昔の傷心な出来事をボンヤリと思い出していた。
    あの時はもう世界も終わって生きる価値もないと思ったけど、今は普通に特段不満もなく楽しく生きている。
    きっと朝が来る、そんな予感を感じさせる本。

全314件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1968年埼玉生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1988年「レヴォリューションNo.3」で第66回小説現代」新人賞を受賞。2000年『GO』で第123回直木賞を受賞。

「2020年 『映画篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金城一紀の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×