大川契り: 善人長屋 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.85
  • (17)
  • (44)
  • (22)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 327
感想 : 34
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101357775

作品紹介・あらすじ

掏摸に騙りに美人局。住人が全員悪党の「善人長屋」に紛れ込んだ本当の善人・加助が、またしても厄介事を持ち込んだ。そのとばっちりで差配母娘は盗人一味の人質に。長屋の面々が裏稼業の技を尽して救出に動く中、母は娘に大きな秘密を明かす。若かりし頃、自らの驕り高ぶった態度が招いた大きな罰のことを──。流れゆく大川が静かに見つめた、縺れた家族の行方を丹念に描く人情時代小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  今回は短編集で長屋の人々のいろいろな面を見ることが出来ます。

     加助さんだけはかわらないけどね

  • シリーズ2作目と間違って読んじゃった3作目。
    2作目を飛ばして読んでも問題ない話でよかった!
    今回も短編集で読みやすい。
    最後にあるお縫ちゃんの両親の話は思ったよりも重かった…
    お縫ちゃんのお母さん、お俊さんの壮絶な過去。
    それでも前を見て立っていられる強さが凄い。
    お俊さんの凄さを容姿に惑わされずにしっかり分かっていてくれた儀一さんは立派な人だなぁ。

  • 加助の過剰な親切心がトラブルに発展するお決まりのパターンが中心ですが、今回はなんと言っても儀右衛門とお俊夫妻の懐の大きさが際立つタイトル作が秀逸でした。
    続編の上梓を首を長くして待とう。

  • 今作は『家族』がテーマなのかななんて思いながらサクサクと読了。
    儀右衛門の旦那とお俊さんの馴れ初めから長女との不仲の理由も回収されてよかった。
    わたしもタヌキなのかどうにも加助さんが苦手なのは仕方ないとこかなと。

  • シリーズ3作目。安定の面白さだった。やっぱり短編も良いな。空き時間に1話ずつキリ良く読める。
    今作はお縫ちゃんのお兄さんとお姉さんも登場。儀右衛門さんとお俊さんの馴れ初め話もあり、千鳥屋の家族事情が明らかになる。好きなシリーズなので、続編が出たらいいなあ。

  • 善人長屋(本当は千七長屋)に本当の善人は
    独りだけで残りはスリ・騙り・盗人など悪の
    部分を持つ故に普段は善人を装っている設定

    今回は短編ながら設定の根幹にかかわる重要
    な話もある

    最近感じているのはこのシリーズは都築道夫
    のなめくじ長屋シリーズの様に個々の異能を
    つかい事件を解決するパターンで読んでいて
    小気味いいんだよね(´・ω・`)

  • 三冊目も大層楽しめた。

    読み終えて、ふと。

    まだこのシリーズは続くのではないかと。
    大川契りはてっきりお縫と文吉の大団円かと
    思っていたのだが…なんとなく中途半端に終わって。

    続くのなら…うれしいのだが。

  • お縫の姉であるお佳代に始まり、母であるお俊の物語で終わる。

    毎度のことながら儀右衛門とお縫の頭の冴、長屋のみんなの活躍っぷりを楽しみながら読めた。
    今回は加助さんの反省会もありでした。

    どうして西條奈加さんの小説はこんなにすらすら読めてしまうのだろうか。
    登場人物の陰もありつつまっすぐなところがいいんだろうな。登場人物がみな魅力的で、善人長屋シリーズの続きをまたどこかで読めたらいいな。

  • 掏摸に騙りに美人局。住人が全員悪党の「善人長屋」に紛れ込んだ本当の善人・加助が、またしても厄介事を持ち込んだ。そのとばっちりで差配母娘は盗人一味の人質に。長屋の面々が裏稼業の技を尽して救出に動く中、母は娘に大きな秘密を明かす。若かりし頃、自らの驕り高ぶった態度が招いた大きな罰のことを――。流れゆく大川が静かに見つめた、縺れた家族の行方を丹念に描く人情時代小説。
    (2015年)
    --- 目次 ---
    泥つき大根
    弥生鳶
    兎にも角にも
    子供質
    雁金貸し
    侘梅
    鴛鴦の櫛
    大川契り

  • これはテレビで放送していたような・・・たしかそうだった。
    まぁ、無難な内容だったかな。
    気楽に読めて楽しめた。

全34件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西條奈加の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×