返事はいらない (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369136

感想・レビュー・書評

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  • 「ドルシネアにようこそ」はほぉ~と思って面白かったんだけど、「言わずにおいて」はせつなくて。短編それぞれの表題が話しにマッチしていて良かったです。

  • 短編で読みやすかったのだけど、一つ一つの話は特別深く思うところが無かったというか、良く言えば日常的な感じ。
    ミステリ要素は低いかな。
    でも優しい文体はどんな時間に読むのにも適していて、好き。

  • 解説 彼女がえがくのは、どんな苦境に陥っても前向きな気持ちを忘れず、常に明るく一生懸命生きようとするポジティブな人物達だ
    宮部みゆきは1960年、東京は深川に生まれた
    米長邦雄:勝利の女神は、謙虚と笑いを好む

  • 自分の予想に反して、読んだ後、ほっこりするような気持ちになるような、短編6品。

  • 本格ミステリーではなく、ミステリーに関わる小さな物語の短編集。さすが宮部みゆきなのだけど、短編では彼女の良さが分からないかもしれない。なんか、才能を持て余してる感じ。

  • 初期の短編集らしい。
    やや仕掛けがアクロバティックな印象。
    まさに「ブレイク前夜」といった趣。
    速記者のくだりは、宮部先生の体験からの引用なのだろう、
    知らない世界なので興味深かった。

  • 短編集。いつもの宮部作品という印象で、話の横の方に何かしらの犯罪の話があるのだけれども、それを通じて誰かしらの人物を描いている作品。
    他の宮部作品が好きであれば、読んでもいいのではないか、という印象。

  • 普通に面白かった。
    けど、印象にはあまり残らない。

  • 「聞こえていますか」と「私はついてない」がお気に入り。
    ・「聞こえていますか」
    老父が独りで住んでいた家に引っ越したというところから、とてもワクワクした。特に、黒電話に盗聴器を仕掛け、何を聞こうとしていたのか……それを聞くことは叶わなくなってしまったが、一番近い他人である家族について考えさせられた。
    ・ 「私はついてない」
    借金のカタに婚約指輪を盗られてしまう。しかも、婚約者とその恩人との会食まである!そんな従姉と彼女との大喧嘩で落胆しつつも、従姉に協力する主人公の物語。知恵を絞り、主人公の母親が父親に貰った結婚記念日の指輪をつけたはいいものの、その指輪まで盗られてしまう。先が読めなくてとてもハラハラした。

  • なんでかちゃんと読んだはずなのに、内容が頭に残らない。
    私には処理しきれなかったというか。。

    時間を空けてまた読んでみたいと思っています。

    (2013.2.15)
    ************
    再読。
    「返事はいらない」
    彼氏にフラれて自殺しようと上がったマンションの屋上で出会った夫婦に、銀行相手にお金を騙し取る計画に誘われる。

    犯罪に加担するキッカケがあって、それが完全犯罪として成り立ちそうな計画で、よく考えるなぁと思った。

    大手銀行や企業がこのカードの暗証番号の仕組みのように、やってないけど「やってます」と言っても素人には分からないなぁと単純に思った。
    作中でも「自分には関係ない」と思っているからなんでしょうね。
    なかなかそこまで考えたら銀行に預ける気にならないし…

    「さよならに返事はいらない」ってセリフがいやに格好良かった。

    「ドルシネアにようこそ」
    ドルシネアってなんだ?と思って読み始め、意外と深いネーミングでした。

    お店が客を選ぶってことは六本木のオシャレなお店ならさもありそう。
    そのイメージを変えたいと言っても、このオーナーが直接紹介して招待しないと難しいんじゃないかなぁと思った。

    「言わずにおいて」
    課長にセクハラ発言をされてブチ切れてしまった女性が、夜中に眠れなくて川沿いを歩いていたら、車の事故を目撃してしまう。

    あんな風に「見つけた!」なんて言われた直後にその相手が死んだらものすごい怖い。
    よく警察に言わずにやり過ごせた上に、自分で調べる気になったもんだ。
    確かに課長が本当は思っていた通り仕事がテキパキ出来る人なのかもと思った。

    しかしこのトリックはなかなか難しいというか、捻り過ぎっていうか、あり得なくない?と思った。
    死にゆく妻に嘘をつき続けるためにここまでするか?
    殺すのも自分だし。

    「聞こえていますか」
    嫁姑間が上手くいってない家庭で育った男の子が、やっと別居で引っ越してきた先で夜中に幽霊を見たり、元の持ち主の電話に盗聴器を見つけてしまう。

    家族でもウマが合わない関係というのはどうしてもあるでしょう。
    そういうのを子供の頃から見せられて、その子からしたらどっちも血が繋がってるのに「どっちの味方につくの?」と迫られ続けるなんてひどい環境だと思った。
    その割にはすごく賢くて落ち着いた子供だけど。
    三井老人の気持ちまで想像できる12才って、と思ってしまった。

    やるせない気持ちになる話だった。

    「裏切らないで」
    ある刑事が担当した歩道橋から転落した女性の事件の真相について。

    「東京」は幻、という件になんとなく納得出来ました。

    享楽的な価値感で浪費していく女性が出て来るけど、本当にどうしようもないですね。
    器用な人ならちゃんと稼ぐ男(今時いるのか?)を捕まえるんだろけど、そうでない人がこの「30才過ぎたらおばさんで舗道の石と同じ」なんてセリフを吐くようになるんでしょう。
    確かにおばさんになった女性に社会的価値はないという思想は男性にはあるけど、そんな男なんて「じゃあお前にはどんな価値があるわけ?」と聞きたくなるような下らない人だろうと思ってしまうのだから、そんな人達の価値感に縛られたくないと思う。

    女性側も「若さ」以外の魅力を身に付けようとは思わないのかな。
    その辺がやっぱり浅はかというか思慮に欠けていて魅力がなく、結婚相手もいないところに現れてるのかな。

    「私はついてない」
    借金のカタに婚約指輪を取られて泣きついてきた従姉妹の相談にのってあげる高校生の話。

    前の話で言うところの「上手く稼ぐ男を捕まえた女」の話。
    やっぱりちゃっかりしてるというか、要領が良いなぁと思った。
    仲良くなりたいとは思わないけど。

    借金をさせてくれてた女性も、まぁムカついてたんだろうけどやり過ぎ感もあったし、家の様子なんかに悲壮感が漂ってて哀しくなる話でした。

    裕くんは結婚するハードルが上がってそう。
    彼が香水に詳しかったエピソードだけは微笑ましかった。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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