ねこの森には帰れない (新潮文庫 草 372-1)

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  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101372013

感想・レビュー・書評

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  • 何年かおきにやってくる、自分の中の谷山浩子リバイバル。その都度、本書の存在を思い出すようになっていた。
    中学時代に買った、谷山浩子の歌詞集。谷山さんによる童話・エッセイも収録されており、15の世界観に分けた歌詞の章はそれぞれ、錚々たるメンバーが挿画を担当されていた。(吾妻ひでお、内田善美、大島弓子、谷内こうた、まついなつき、ますむらひろし、近藤ようこ、小沢真理、上野紀子etc.)
    初めて読んだときは「誰?」という方が多かったのだが、歳を重ねるほどにその顔ぶれの豪華さがよくわかるようになってきた。どうしてもまた手に入れたくなり、古本屋で探してめでたく再購入。
    谷山さん初期の時代の、言葉選びの美しさを改めて堪能。ちょっとシュールな世界観もたまらない!中学時代、彼女の言葉をまず「詩」として味わうことができてよかったなと思っている。当時、そのシュールさを不気味に感じていたけど、今となってはその不気味さも怖さも妙に心に沁みる…。歳を重ねたこそだからだわ。(でも、個人的には黒谷山より白谷山の方が好き。)
    再読して改めて気付いた谷山さんの魅力…エッセイがとにかく面白い!ユーモラスでテンポもよく、内容的に古さを感じない。「オバン」とか「ABC」とか、当時の流行語がちょいちょい出てきていても!谷山さんの価値観がぶれていないからだろう、ハッとさせられることが多くて、新鮮だった。やはり80年代に発売の「悪魔祓いの浩子さん」というエッセイも面白かったけど、今読んだらもっと面白く感じられるかもしれないな~。
    とにかく今回、再読できて幸せでした。ずっと手元に置いて、時々読み返したいと思う。最近は「十代で出会った思い出の本を再読するブーム」の私だが、かつての自分の「好き」を再確認する作業はなかなかに楽しいものだ。そして、「詞」を「詩」として読むのもいいものだなと改めて思う。

  • 「おはようございますの帽子屋さん」という不思議で魅惑的な歌を聴いた時から、谷山浩子さんのファンになりました。その谷山さんの歌詞とエッセイ、童話が本になった時、それを買える収入のある大人になっていたことがとても嬉しかった。
    知っている曲は半分くらいかな。でも、歌詞を読むと、あの透明感あふれる歌声がよみがえります。ずっと宝物の本です。

  • シンガーソングライター谷山浩子さんの歌詞集にエッセイとインタビューも収録した一冊。
    twitterで挿絵が豪華という情報に釣られ図書館で借りました。返却日が近づいてきたため一部の詩しか読めず。しかし言葉選びが好みそうなので、つぎはじっくり読みたい。以下挿絵について。内田善美さんの絵はやっぱり凄い。収録絵は『ソムニウム夜間飛行記』にありそうなものでした。また、その次にあった近藤ようこさんの絵の色気にドキッとした。女性の愁いを帯びた眼に引き付けられる。大島弓子さんの絵は完全に『綿の国星』でした。恥ずかしながら未読です。猫の少女の可愛さを見て改めて読まないといけないなと思った。
    (裏表紙掲載の内容紹介)
    魔法使いがコトバの杖をひと振りすれば、たんぽぽが芽を吹き、星がはじけ、街角に見知らぬ宇宙が広がる。「河のほとり」「てんぷら☆さんらいず」など、「お早うございますの帽子屋さん」以来の全詩88曲に、童話・エッセイを加え、夢と現実のはざまをさすらう永遠の少女谷山浩子のすべてを一冊にパック。吾妻ひでお、大島弓子、内田善美はじめ、マンガ家・画家15人による挿画80余点収録。
    (挿絵担当者一覧、敬称略、収録順)
    森雅之、さべあのま、吾妻ひでお、内田善美、近藤ようこ、小沢真理、田山麻理、まついなつき、本橋靖昭、上野紀子、ますむらひろし、大島弓子、鈴木翁二、景山白葉、谷内こうた。

  • オールナイトニッポン2部のパーソナリティで知ったシンガーソングライター。めっちゃ明るいMCと、それに反してメルヘンでちょっと暗い曲のギャップ。透明な声質が好きな歌手になった。本書の題名となった『ねこの森には帰れない』のアルバムは印象深い。ただ、中島みゆき姐さんの本と比べると、エッセイというよりは歌詞集。メロディが頭の中に浮かんでくるのは、「てんぷら☆さんらいず」「すずかけ通り三丁目」など数少なかった。後でアルバムを聴き直そう。

  • 街中でふと耳にした谷山浩子の「恋するニワトリ」を聞き、それが頭の中でリフレイン。早速、実家にCDと学生の頃買った“歌詞(とエッセイ)集”『ねこの森には帰れない』を発掘する程の「突発性マイブーム」。と、久しく絶版になっていたデヴュー以降のアルバムが新たにBlu・SpecCDでリリースされる偶然!「ただならぬ物」を感じ早速購入(←確かにタダじゃない)改めてアルバムを聞いても、エッセイを読んでも私の中では色あせる事がないのは何とした事か。最初にハマった頃は買ったばかりのギターで一生懸命弾いていてたっけなぁ。

  • 谷山浩子の言葉選びや世界観が好きすぎる
    結構自分も乙女趣味だったんだな

  • 第51回アワヒニビブリオバトル「芽」で紹介された本です。
    2019.04.02

  • なんというか、谷山浩子のエッセイと歌詞集のようなもの。結論としては、やっぱり歌はメロディーつきじゃないと魅力半減だなってことでした。文字で読むなら物語の方が好き。
    エッセイは最初の『魔法使いのメガネ』が面白かった。短編も、『手品師』らしくてよかった。載っていた歌詞の中で私が知っていて好きな歌は、てんぷら☆さんらいず、たんぽぽ食べて、リカちゃんのポケット、悪魔の絵本の歌、あたしのこいびと。挿絵を15人がかいているんだけど、豪華メンバでびっくり。

    解説は吾妻ひでお。

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著者プロフィール

シンガーソングライター。東京都出身。1972年にシングル「銀河系はやっぱりまわってる」、アルバム『静かでいいな~谷山浩子15の世界~』をキングレコードからリリースするなど、早くからその才能を発揮する。現在までに40作品以上のオリジナルアルバムをリリース。その独自の高い音楽性は根強いファンを獲得している。
NHK「みんなのうた」「おかあさんといっしょ」やCF、また「オールナイトニッポン」をはじめとするラジオ番組のパーソナリティー、童話、エッセイ、小説の執筆など、その活動範囲はますます拡大している。近年は、映画『ゲド戦記』の挿入歌「テルーの唄」、映画「コクリコ坂から」の劇中挿入歌の楽曲提供を担当するほか、斉藤由貴、手嶌葵、持田香織(Every Little Thing)、声優の豊崎愛生、今井麻美、上坂すみれへの楽曲提供など作家としての活動も著しい。
2022年4月にデビュー50周年を迎え、コンサートや執筆など精力的に活動している。谷山浩子公式YouTubeチャンネルで、音声のみの番組「谷山浩子のSORAMIMI ラジオ」配信中。

「2023年 『ヒロコとニャンコと音楽の魔法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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