大阪学 (新潮文庫 お 41-1)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101382210

感想・レビュー・書評

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  • この日を迎えるまでどれくらいかかったんだろう・・・
    それくらい、本当に長い時間をかけてようやく読了。

    この本を手にしたのがおそらくこちらに来る前だったはずだから、
    10年以上かかってる(笑)
    よく途中でブック・オフしなかったな(苦笑)

    その当時は兵庫県も大阪府の区別もつかないくらいだったから、
    確かにあの頃いきなりこれを読んで、大阪を、関西を理解しようとしたのがそもそもの間違いだったと、改めて読了して思う。

    こちらに住んでみて、ひととおりいろんなことが見えてきてはじめて、
    この本の奥深さや書かれていることがすっと入ってきた。

    それは例えば台風18号で大和川が氾濫するかも、と大慌てした今年の秋や、「夫婦善哉」が最近ドラマ化されたこととか。
    そういうひとつひとつが、実はずっと続いている大阪の歴史や文化の上にあるということを、地方から、とりわけ比較的歴史の浅い場所から来た私には、とりわけ興味深く、また尊敬に値するところなのである。

    最後に、大阪風「人間関係の秘訣7か条」が紹介されているが、
    これを読んで、あぁもっと早く読んでおけばよかった・・・と思いつつ、
    それが苦手だから、いままであちこちでうまくいかなかったのかも・・・と反省。

    1.人見知りせず、明るく大きな声で自分から声をかける。
    2.(以下省略)



    社交的な人見知りの北海道出身(苦笑)

  • 講義で聞く分にはおそらく工夫のある展開なのだろうが、文章にまとめられてしまうと6章以降はデータの引用にすぎないし、前半部は雑誌の一口記事の域をでない。読み終えるのに苦労した。

  • 面白かった。

    春からの大阪が楽しみになったし、文化的な違いから見えることもたくさんあって面白かった

  • 不法駐車で道を塞ぎ、日常会話がすでにボケとツッコミ。うどんの美学を熱く語り、商売上手。ド派手な恰好して、とりあえず値切り、合理的で、非社会的。マクド?レイコー?全国に跋扈する大阪人の感覚って一体?習慣、言葉、歴史、文学等、様々な角度から謎に満ちた不思議の都市、大阪を知的に愉快に明解に読み解く。出張のお供に、転勤転校のバイブルに、一冊どないでっか。
    (1994年)
    --- 目次 ---
    第1章 不法駐車-街へ出よう
    第2章 お笑い-吉本興業
    第3章 きつねうどん-食い倒れ
    第4章 スーパー-ダイエーと阪急
    第5章 好っきゃねん-大阪弁
    第6章 古代ベイエリア-大阪の位置
    第7章 中世の近代人-楠木正成
    第8章 都市の誕生-蓮如、信長、秀吉
    第9章 大阪人写実-西鶴と秋成
    第10章 実証と自由と-町人の学問
    第11章 東京が何んや-近代文学の系譜
    第12章 キタとミナミ-二つの大阪

  • 大坂がまた近くなりました。

  • 全員が全員そうではないだろうが、ある種の傾向は示してくれているのだと思う。時代も若干古いが、現在と違うのか、また違わないのか,という点にも興味がわく。東京人に比べて、大阪人は、建前ではなく本音、実質主義。自分を落としてでも相手の笑いをとり、懐に入る。考えときましょ、に代表される、あいまいで広くとれる言葉でやんわりと断り、決して場の空気を悪くせず、親密な気持ちで別れる。商人の町だから、お上になんか頼らん、おいそれとは従わん、自主自営でやりたいようにやらしてもらいまっせ、どんどん変わったことを人に先んじてやり絶えず競争、というスタンス。武士の土地東京とは違うと。谷崎潤一郎の随筆、私の見た大阪及び大阪人、織田作之助あたりは読んでみたくなる。また井原西鶴、上田秋成についても概観。キタとミナミの特質、違いなどもわかりやすかった。

  • マンションで読む。読みたいと思ったことはありません。でも、なんとなく購入した本です。そして、読まないでいた本です。読んでみると意外に面白い。

  • 大阪が嫌いですが、大阪の人と仕事をしないといけないので読みました。
    解説に、大阪が嫌いな人に読んで欲しいとのことでした。

    大阪をかわいいとは思いませんでしたが、東京への反感だというのは理解できました。

    たしかに、東京も嫌いです。見せ掛けだけで。
    でも、東京は、だからこそ、付け入る隙があるのです。

    大阪には、付け入る隙がない。
    大阪には、なじむしかないようです。

    本書を読んで、なんとか、大阪人の話を聞き流せるようになりました。
    原因や、仕組みや、振る舞いがそれなりに理解できたので。

    やっぱり、理解できないことが、嫌いの源泉だったと分かりました。
    大阪が好きにはなりませんでしたが、大阪が苦ではなくなりました。

    「大阪で生まれた人」
    というような歌は、カラオケで歌います。

    大阪にも苦悩があるのだろうと。

  • 大阪などを舞台とした作品です。

  • 図書館でいらないのでもらってきた本。関西圏出身者なので面白かった。著者が母校の教授で驚いた。

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