赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101385310

感想・レビュー・書評

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  • 「学生運動の煽りを受け、東大入試が中止になるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ愛犬が死に、幼馴染の由美と絶交し、踏んだり蹴ったりの一日がスタートするが-。真の知性とは何か。戦後民主主義はどこまで到達できるのか。青年の眼で、現代日本に通底する価値観の揺らぎを直視し、今なお斬新な文体による青春小説の最高傑作。「あわや半世紀のあとがき」収録。」

    14歳、うれしかったのは、庄司薫のシリーズものに出会えたこと。当時、薫くんが私にとっていちばん近い言葉で話してくれる本のなかの友達だった。ライ麦畑のホールデンよりずっと近かった。

    BY角田光代(『10代のうちに本当に読んでほしい「この一冊」』河出出版 より)


  • 藍色1969

    正直言って仕舞えばとにかく読みにくいし、分からない内容も多いし、読みものとしては最悪

    でも考えが重なる部分もあり、エリートの話とかもののあはれの話とか今の自分に必要な話だったと思う(それか今自分が必要な部分だけを都合良く解釈してるだけか笑)。

    それに初めて昭和の本を読んだ。不思議な感覚だった。良い経験をした。


    ーー----------------------------------------

    「一指導者の幼年時代」サルトル
    第一は「ゴマすり型」
    優等生、秀才、エリートという言葉に対して、オレはそうじゃない、これはこんなに馬鹿です、間抜けです、欠点だらけです、愛すべき男ですとふれまわるようなやり方。
    「話せるやつ」とか言われるのを楽しみとし

    第二は「居直り型」
    みんなの非難に対しそうさオレはどうせ秀才だ、エリートだ、それがどうしたってな具合に開き直ってしまうやり方

    マキャベルリの『君主論』「愛されるか恐れられるか」

    第三は「亡命型」趣味型
    やらなきゃいけないことだけさっさとすまして、あとの能力を音楽や芸術みたいな芸術鑑賞を初め、碁だとか釣りだとか骨董だとか庭いじりだとか女の子(?)だといった趣味に猛烈に凝ることに使うタイプ。
    もともと優秀な人はやる

    (113ページ)

  • 昭和48年に読。由美が愛おしい存在だった。

  • 村上春樹以前の「ぼく」小説


     ぼくは時々、世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのっているのじゃないかと思うことがある。


     ぼくは由美とそっと手をつないでゆっくりゆっくりと歩きながら、何度も何度も同じことを繰り返し考えた。ぼくには、このいまぼくから生まれたけっしんが、それがまるで馬鹿みたいなもの、みんなに言ったらきっと笑われるような子供みたいなものであっても、それがぼくのこれからの人生で、このぼくがぶつかるさまざまな戦い、さまざまな苦しい戦いのさ中に、必ずスレスレのところでぼくを助けぼくを支えぼくを頑張らせる大事な大事なものになるだろうということが、はっきりとはっきりと分ったように思えたのだ。

  • 頭の片隅に居座る一節

    百分の九十九まではしゃくにさわる女の子なのだが、ただ、なんていうんだろう、どうしようもないおかしな魅力を見せる残りの一回があるので困ってしまうのだ。

    わたしは百分の一にかける

  • そう言えば、忘れていたなーと思い、今さらながらではあるけれど読んでみた。
    時は60年代の高度経済成長真っ只中。
    日本には程度の差こそあれ、常に何か暮らしが良くなっていくだろうという希望があった。
    この明るさはこの時代でないと表現出来なかったものだろう。
    もちろん主人公は葛藤していたり、暗い欲望を吐露したりもするのだけど、どこか健康的。
    今の若者はこれ読んでどう思うだろうね。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687397

    第61回芥川賞受賞作品。

  • 大学の講義の課題図書。先に映画版を観てしまったから、イメージを楽にしながら読み進める事が出来たが、これに関しては失敗したなと思う。この新鮮味は文字から得たかった。

    読み易かった印象。カギ括弧多し。

    友人・小林の語りがとても好み。

    僕の憧れる知的な人々ってのは、いつもこんなに考え事をしているのか…?

  • 色々と逡巡する思春期の男子高校生の長〜い1日。自分よりも年上の古い作品だけれども、今の時代に読んでも面白いと思う。

  • 30年以上前、大学の学園祭に、講師として来られることになって、それをきっかけに読んだ本。確か東京から九州の丘の上の大学まで自家用車で来られたような話・・。
    本の中身よりも、お話しされたことの方が割と記憶に残っているという、稀有な体験。

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