- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101385310
感想・レビュー・書評
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昭和48年に読。由美が愛おしい存在だった。
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村上春樹以前の「ぼく」小説
始
ぼくは時々、世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのっているのじゃないかと思うことがある。
終
ぼくは由美とそっと手をつないでゆっくりゆっくりと歩きながら、何度も何度も同じことを繰り返し考えた。ぼくには、このいまぼくから生まれたけっしんが、それがまるで馬鹿みたいなもの、みんなに言ったらきっと笑われるような子供みたいなものであっても、それがぼくのこれからの人生で、このぼくがぶつかるさまざまな戦い、さまざまな苦しい戦いのさ中に、必ずスレスレのところでぼくを助けぼくを支えぼくを頑張らせる大事な大事なものになるだろうということが、はっきりとはっきりと分ったように思えたのだ。 -
頭の片隅に居座る一節
百分の九十九まではしゃくにさわる女の子なのだが、ただ、なんていうんだろう、どうしようもないおかしな魅力を見せる残りの一回があるので困ってしまうのだ。
わたしは百分の一にかける -
そう言えば、忘れていたなーと思い、今さらながらではあるけれど読んでみた。
時は60年代の高度経済成長真っ只中。
日本には程度の差こそあれ、常に何か暮らしが良くなっていくだろうという希望があった。
この明るさはこの時代でないと表現出来なかったものだろう。
もちろん主人公は葛藤していたり、暗い欲望を吐露したりもするのだけど、どこか健康的。
今の若者はこれ読んでどう思うだろうね。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687397
第61回芥川賞受賞作品。 -
色々と逡巡する思春期の男子高校生の長〜い1日。自分よりも年上の古い作品だけれども、今の時代に読んでも面白いと思う。