繭 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101388427

作品紹介・あらすじ

美容師の舞は、結婚して一年になる夫に対し暴力を振るう自分を止められずにいた。ある晩、彼への暴力から逃れるように家を出ると、店の客である希子と遇う。同じマンションの住人と知り、二人は交流を重ねるが、希子は舞の夫のある秘密を抱え、舞に近づいていた。白壁の棲家で紡がれる歪な愛の支配にもがきながら、やがて渾然一体と追い詰められる女たち。怒濤の展開に息をのむ、衝撃の物語!

感想・レビュー・書評

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  • 二組の男女のお話
    語りはそれぞれの女性
    女は夫に暴力をふるうが夫はされるがまま
    なぜ二人はいっしょにいるんだろう?
    二組目の女がそこに絡んできて・・・
    たんたんと物語を読みました
    二組目の女もまたいろいろと
    終盤、この話の着地はなんなんだろう
    そして読み終えて、そういうことになるのか
    って感じでまぁもうおなかいっぱいです

  • マイがどこまでも狂っててやばい女なのかと思いきや、ミスミもなかなかいかれてて、怖かった。
    キコちゃんの平凡な人生平凡な自分に嫌気がさして、何か特別な不幸を待っている可哀想な自分になるの、なんとなく分かるな。
    マイちゃんは、ミスミの怯えている目の奥に怯えている自分を見つけてしまって止まらなくなったのかな。

  • 表現が詩的で

    わかりそうで
    難しい感じ

    さらりと
    読み終えたが

    理解するには
    まだまだ
    未熟だったのかも…

  • 比喩的表現が多くて独特の文章を書く作家だなあという印象。
    その書き方が最初は面白くて引き込まれるけど中盤から鬱陶しくなってきて最終的にはもはや意味不明。
    この人たちはいったい何がしたいのか、で、結局どうなったのか。
    文章も内容もぼんやりしすぎててなんだかめんどくさかった。
    道郎はせめて一つぐらい魅力的な部分を書いてほしかった。
    全然喋らないただのクズなんてどこがいいの?って感想しか持てない。
    人の布団の上で勝手に食パン食べる場面とか殺意さえ湧いた。
    舞と孝も勝手にやってろって感じだし登場人物全員好きになれなかった。

  • 美容師の舞は些細なことで夫に暴力をふるってしまう。無抵抗の夫への暴力を止めることができない。無職の夫ミスミは、ひたすら嵐が過ぎるのを待つ。

    美容室の客である希子は、舞と同じマンションに住み、舞の生活に静かに入り込んでくる。

    ついに二人の間に大事件がおこり、ミスミと希子の関係が明らかになる。

    希子の彼氏も謎の人物で、みんなそれぞれ不気味

    暴力シーンも激しく、登場人物の誰にも感情移入できなかった

  • ラストはかなり収束してしまったけれど、ぜんたい的にとても良かった。逃げられるのなら逃げたほうがいい。

  • 自立してるという自負があるもんで、ダメ男ばかり構ってしまう
    彼女はしかし自立しているようでいて
    その実
    仕事なり男なり、なにかに依存し
    また依存されてないと不安なだけなのだ
    それゆえに隙だらけである
    いくつもの自分を使い分けるヒモ男のペースに振り回され
    思春期の男子みたいに裏で自己嫌悪するばかり
    そういう女たちが互いを思いやり、支え合うフリをしながら
    見下しあっている
    それでいつかは真の友情が生まれるのだろうか?
    生まれるわきゃあない
    ヒューマニズムは父とのたたかいから見いだされる相互理解の道だ
    優しさというタテマエに支配されてる世界じゃ
    期待するだけ損な話である
    だから彼女たちは、やがて現代の山姥になり
    いつか、行き場のない娘たちに救いの手を差し伸べることも
    ひょっとすると、あるのかもしれない

  • 二組の男女が絡み合い織りなす怒涛の展開。追いつめられ息をのむ、いびつな愛の物語。
    うーん、何と言ったものか。読んでいてとても息苦しく、何度も途中で投げ出したくなりました。
    誰が悪いって事でもない…のか?強いて言えば相性が悪い、いや逆に良すぎたのか。

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著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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