- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101412313
感想・レビュー・書評
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音楽や文学に関して優れた感受性を持ち、様々な分野で秀でた才能を持ちながら、構成力に欠け、子供の頃は格好のいじめの対象となってしまう。ようやく社会人になって就職するも長続きしない。家を出ては仕事を辞め、舞い戻るを繰り返す。ちょっとした挫折が無気力を招き仕事にも就けなくさせる。ついには雨戸を締め切り自室に閉じこもり、家庭内暴力を繰り返す昼夜逆転の生活が始まることに。刺激の少ない単調な生活は、脳に影響を及ぼし正常な判断力を失わせていく。脳神経は一つの回路だけが太く強くなり、あらゆる思考は親が悪いに結びついていく。心の底にある母親に愛されたいという強い願望は暴力としてしか表れず、一人苦しむ。歪んだ思いが錯綜。思考は堂々巡り。新しい考えに至れない。脳の神経細胞が委縮し脳そのものが弱体化していく。そして死。たった一人の兄に何かできることはなかったのか。著者の懺悔ひと言一言が胸に突き刺さってくる。
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中学高校の頃に出会いたかった本。楽しいことも沢山あったけど、気持ちはいつもいっぱいいっぱいで苦しかったな~。そんな気持ちを久々に思い出した。
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序盤、ランディさんの生い立ちを読んでる時はエッセイなのに小説を読んでいるかと思うほどですごく引き込まれた。
話の切り口が社会問題で、当時のことも知れるので面白かった。こんなに自分の意見をスパスパ言えて羨ましいし、清々しさを感じた。他のエッセイも読んでみたい。 -
衝撃的な言葉がたくさんありました。
新たな考え方や物の見方をもらった気がします。 -
【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001138519 -
自我。
寺山修司さんのくだりなど、面白かった。 -
6年前?位に買った本で、読まずに積読していて、たまたま久々に手に取った。意外と面白かった、テーマが意外と重い印象。田口ランディさんの印象は、神秘的な物が好きな人な印象を持った、ご自身もだいぶそんな体験をしているなぁと思いました。夢でお告げみたいなのがあったり。。わりと事件の加害者側の心境を読み取ろうとする所も多く共感できた。僕自身「この人はこうなるに至る環境やこうならざる負えなくなった事があるのではないか?」とか考えてしまう。やったことは当然悪いけど、なんだか可哀想だなとか。屋久島の話で屋久島行きたくなりました。
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田口ランディさん。いいなと思わせてくれるにはじゅうぶんな本。このひとはこれ以外にもたくさんエッセイを出しているので、これからちょっとずつ読んでいきたい。たぶん、やさしい文章を書けるひとやから。