- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101425153
作品紹介・あらすじ
十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが…。深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し-。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。
感想・レビュー・書評
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突然極限状態のような状況に集団で置かれたら人は根っこにあるものが表面に出てくるのだろうか、変化できるのだろうか。
自分はバスに乗っている誰なのだろうと考えながら読んだ、朝は再生のきっかけであって再生できるかどうかは自分次第、どんなことでもきっかけにできる。
12時間ほどの出来事が250ページで濃く書かれていておもしろい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。最初に読んだのは12年前で、それ以来乃南アサの作品には注目。音道貴子シリーズなどは、欠かさず。この作品は特に、二度読みに耐えるサスペンスフルな展開だ。高速バスに乗り合わせた、それぞれ事情のある人々、乗務員が殺害され、台風接近、落石事故、と次々に襲いかかる恐怖の一夜。乗務員、各乗客と視点を変えて展開する出来事に、その場に居合わせるかのような緊迫感が読者を捕らえる。そして、題名が象徴するラスト、読後の爽快感もお勧め!
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色んな人の思いが錯綜した。自分にとっては重大なことでも、他人にとったら大したことでもない。そのときにできることをしなきゃね。と思った。
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火事場のクソ力って人のためのものなのかも。
そして、何としても助けたいって気持ちが未来の自分の力にもなる。 -
あらすじ
十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが…。深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し-。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。 -
夜間高速バスで繰り広げられる恐怖と再起のサスペンス。
品川発山口県萩行の夜間高速バスは、乗員2名、乗客10名で出発する。
バスには離婚や夢破れた者など、いろんな思いを抱いて乗っている乗客たち。
しかし乗務員のひとりの男に恨みを持った女がバスをハイジャックし、挙句の果てに乗務員は殺されてしまう。
殺伐とした世の中で生きる希望を見失いかけた者たちが、バスジャックに遭遇した事によって新たな出発の朝を迎える。
これも乃南さんの初期作品。
読みやすい代わりに人物描写はそれほど深くない。 -
おじさんと子供のやりとりがあったまる。
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高速バスがバスジャックされ、事態は最悪の状況へ。乗客それぞれの視点、背景を描いた群像劇。乗客達のその後をもうちょっと読みたかった。
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バスジャックからの横転事故で、山中で一夜を過ごした乗客たちの物語。極限状態で人の本性が垣間見えるというのは面白い。緊迫感があり先を急いで読んだが、あまり印象には残らなかった。
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解説にあるとおり、屈折した心理や彼女たちをめぐる複雑で醜い人間模様をサスペンスにしたてあげている。
日常のどこにでもいる人間の描写が上手く、物語に入りやすいのも良かった。