水無月の墓 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.28
  • (8)
  • (20)
  • (76)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 263
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440132

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ホラーなんだけど、ビビるほど怖くはない。
    むしろ暗いというか、哀れな感じ?
    背景を想像した時に、なんか古いというか埃臭さを感じる。
    ホラー短編の場合、哀しい余韻を引くのが好みなんだけど
    この古いというのを、懐かしいと捉えられるかどうか・・・
    話の途中でオチがわかっても、尚も引っ張ってくれて、
    あぁ~そうなのかぁ~と思わせて欲しかったりする。
    それでも「かみかくし」「流山寺」は予想外だったり、
    普段よく聞く話を逆手に取った感じで面白かったし
    「私の居る場所」・・・こういうのが一番怖いです。

  • 推理小説短編8話。

    ぼんやり
    神かくし
    夜顔
    流山寺
    深雪
    私の居る場所
    水無月の墓

    なぜか暗い。
    時代なのだろうか。
    新人類の旗手の一人であるはずなのに。
    明るくないのは嬉しくない。

    「私の居る場所」のように、なにかもやもやとしたものが残る。
    「カミュ」のように暗いのと同じ文脈なのかと感じる。
    そういう時代だったのだろう。
    とすると、旧人類なのかもしれない。

    ps.
    夜顔は傑作集で既読だった。

  • 小池真理子のホラーは怖い!

    個人的には精神に衝撃が走るホラー作品だと思います。短編集ですがどれもゆっくりとした雰囲気の中に潜む恐ろしさと切なさ、そしてそれを生み出す悲しみ。
    古い映画を見ているような、懐古しているかのような、自分が不思議なまどろみの中にいるような、そんな感情を抱かせる素敵な作品です。
    帯に「妖しくも美しき幻想の扉」とありますが、本当に的を得た表現だなと思います。

  • ちょっと不思議な短編集。
    どの物語もいわゆる「霊」的なものとの
    関わりを描いた物語。
    怖いだけのホラーではない何故か続きが気になる、踏み入れてはいけない魅力があった。

  • 図書館の企画、ホラー小説福袋に入っていた一冊。
    幻想小説で、情景描写が心地よくてぐんぐん読んでしまった。
    普段は幽霊完全否定派だけど、この本のような死者、幽霊は否定する気になれないなあ。随所に悲しみとか優しさが漂っている。
    8篇入っていたが、「ぼんやり」「夜顔」「私の居る場所」が好みかな。
    一般的な生きることが正しいっていう押し付けが無いのが心地よい。
    私の居る場所のラスト、語り手の女性の「私はやっと、自分にふさわしい場所を見つけた」という台詞。現代にお疲れの方には羨ましさすら感じるでしょう。

  •  生と死が交錯する「日常」と「異界」を描く幻想怪奇小説8編を収録した短編集。個人的には「神かくし」「夜顔」「深雪」が面白い。
     怖いというのでもなく、心が温まるのでもなく、なんとなく少し落ち着かない気持ちになるという感じがする。そうした意味では、あまり読んだことのない雰囲気の作品ではあるが、あまり人がいない風景を想像してしまうからなのか、どこか懐かしい雰囲気も漂う。
     あまり激しい感情が芽生えない穏やかな時間を共有できる作品集。

  • 隠れ見える異世界、この世ならざるもの。
    悲しみや孤独感がしみる短編集。

    本の整理中に処分を考えて手に取った。
    さわりだけと思って読み始めたら、やっぱり面白くて…最後まで読んでから本棚に戻しました。
    小池真理子さんが書く人物描写、特に相手の好ましい部分についての描写、ほんとうに魅力的。


  • ぼんやり
    神かくし
    夜顔
    流山寺
    深雪
    私の居る場所
    水無月の墓

  • 不思議な力で思った人を閉じ込める「神かくし」、亡くなった夫が帰ってくる「流山寺」が特に面白かった。

  • 再読。
    編まれた傾向からして、すべての行き着く先が分かっているのだけど、読み進めてしまう筆力はさすが。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
伊坂 幸太郎
宮部みゆき
小池真理子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×