夜は満ちる (新潮文庫)

著者 : 小池真理子

• 新潮社 (2007年2月28日発売)

感想・レビュー・書評

[kimikokumikenさんの感想 · 2015年12月23日]

7つの幻想的ホラー物語。
『やまざくら』は、この間読んだ『桜の首飾り』－千早茜の本の桜をテーマにした物語にも、共通するような部分があった。

時間の違和感、現実と夢の境界線が、どこまで、現実なのかと、思うような戦慄の波。
女の感情を、幻のように、書き現しているが、私には、「この愛と享楽の恐怖をつづった物語の宝箱」と、書かれて帯に、賛同出来なかった。

[migoushaさんの感想 · 2014年1月9日]

小池作品は短編いくつかと、あの「恋」しか読んでいないので、
久しぶり。
不思議な、ややホラーテイストだが、深夜にテレ東あたりの単発ドラマでやりそうな雰囲気。
一番最初の「やまざくら」がちょっと好きな感じ。

[pinksheepさんの感想 · 2013年4月30日]

しっとりとしたほんの少し官能的なファンタジー。若干ホラー寄り。
しつこくなく読みやすい。
ただ、オチが難解というか、どう解釈していいのか分からない作品がある。
「夜は満ちる」が一番好き。人間らしくて愛に溢れてて。

[chappipiさんの感想 · 2013年1月17日]

濃いい。面白かった。

[kaizenさんの感想 · 2012年12月10日]

短編恐怖小説6話。
やまざくら
縁えにし
坂の上の家
イツカ逢エル
蛍の場所
康平の背中

蛍の場所は恐い。
結末の理由が分からない。
著者がなぜこういう小説を書くのかが分からない。
恐すぎて，読み切るのに3日かかりました。
次の話が読めない。

[緋福達磨さんの感想 · 2010年10月7日]

幻想的で官能的な作品が詰っていた。
時折、ゾクっとするような瞬間もあり、とても怖くなるわけではないけれど、ほんのりと恐怖が迫ってくる感じだった。

[mskyokoさんの感想 · 2010年7月3日]

ゾクっとして、でもエロチック。小池真理子女史らしいミステリ。最初の「やまざくら」が特にいい。

[yun2さんの感想 · 2008年12月8日]

幻想と現実が混じり合ったような話の中に恐怖を感じる短編集。７つの物語があります。
わりと一気に読に終えましたが、極上という程では無いかと・・
いろんな感情（妬み、憎しみ、等）が渦巻いて、その感情にあたったような気分です。
個人的には　始めの「やまざくら」と「康平の背中」が好きです。後は・・・
小池真理子らしい作品かな。　

[裕美さんの感想 · 2008年11月3日]

真理子さんの短編は、どうも苦手だ･･･。これはホラーの短編集。どの物語も死が隣り合わせという共通点がある。<br>
最後の「康平の背中」という話が、とても怖かった。<br>
でもメモしておかないと、読んだ事も忘れてしまいそう。

[Rin／moonさんの感想 · 2007年9月16日]

サスペンスや恋愛小説も書く作家の為か、ホラーとはいえただ怖いだけの作品ではありませんでした。
勿論、怖いです。ただ、じわじわとやってくる怖さあり、愛憎あり、現実と夢の交錯がありと、色々な面で楽しめる作品だったと思います。正直、その重なりで気持ち悪ささえありました（きっとそれがいちばんの狙いでは、とも思います）。

この世の中で最も恐ろしいのは、霊でもお化けでも妖怪でもなく、人間なんだと改めて感じました。

最近は恋愛小説の目立つ作者ではありますが、初期の頃のサスペンス等も好きな方にはオススメ（ホラーが苦手ではない、という前提つきですが）ではないかと思います。

(2005年4月30日)

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」