本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101456225
作品紹介・あらすじ
昭和十五年、東京・阿佐ケ谷の家の、庭から金木犀の花の香りが漂う部屋で、小さい私はいつも本を読んでいた。ませて見えないよう親にかくれ、読んでいたのは、鏡花に乱歩に漱石に、捕物帳に少女小説。いずれも花の妖しい香りによく似合っていた。今、金木犀の秋になると、向田邦子と父親の本棚の話をしたことを思い出す-。「昭和」という花の迷宮を彷徨い歩く著者の物語風エッセイ。
感想・レビュー・書評
-
懐かしきよき昭和。お耽美ってのとは少し違う。ロマンチストだなあと思わせられるエッセイ。しかし、久世さん3歳で自力で吉屋信子とかを読むってすごいな。あといつも思うのが、この時代の人って子供の頃読んだ文章をなんで覚えてるんだろう。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そうなんだよ…久世光彦の幻視の世界の随筆が好きなんですよ……。
という、まさに人を選ぶときの久世光彦エッセイでした。
「聖 しいちゃん」とかこれ掲載して大丈夫だったんか???ってくらい”狂女”、”兄妹相姦”の話題がズラリ。こりゃすげえ…。
そういう聖俗入乱れ混沌とした世界を見ていたときの、久世光彦少年の記憶。 -
久世光彦が昭和十五年くらいから終戦直後までの自らの思い出を語る。それは書物を巡る思い出なのだが、書物だけに留まらず当時の時代を描きだしてもいる。本の記憶から紐解かれる個人的な昭和史は確かに魅力的な反面、ちょっとノスタルジックすぎる嫌いもあるかも。
全3件中 1 - 3件を表示