人生の検証 (新潮文庫 あ 39-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101482118

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  • ブックオフの本棚のあいだを歩いていると、寺山修司の本をよく見かける。あ、寺山修司だ、と思う。読んだことがないという後ろめたい気持ちになり、つい手に取る。大抵が「ポケットに名言を」で、ぱらぱらと紙を捲っていくと、数々の名言が書いてある。一瞬買おうかと考える。この本から新たな文学人との出会いがあるのではないか。けれどもいつも結局やめる。なんだか幾つかの頁を読んでいっているうちに、自分のはじめに思い描いた読書ができない気がしてくるからだ。「人生の検証」を読んだとき、「ポケットに名言を」でしたいと思った文学人との出会いができたという気になった。
    秋山駿は三浦哲郎の解説でいつも名前を見かけ、その文章にいつも感服していた。三浦研究をするうえでこの人のことばを通るのは危なくもある。甘美ではあるけれど、論文を書こうとして引用するとそのことばの魔力が制御不可能であるという問題に直面する。
    この本は一冊の本である。けれども同時に、人生というものについての解説文であった。この人の書く「生の態度」ということばを検証していこうと思う。

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著者プロフィール

1930年東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。文芸評論家。60年に評論「小林秀雄」で第3回群像新人文学賞受賞。90年に『人生の検証』で第1回伊藤整賞を、96年に『信長』で第49野間文芸賞と第50回毎日出版文化賞を、2003年に『神経と夢想 私の「罪と罰」』で和辻哲郎文化賞を受賞。著書『舗石の思想』『知られざる炎』『内部の人間の犯罪』(ともに講談社文芸文庫)、『歩行者の夢想』(學藝書林)、『内的な理由』(構想社)、『信長 秀吉 家康』(廣済堂出版)、『信長と日本人』(飛鳥新社)、『忠臣蔵』(新潮社)ほか。

「2014年 『「死」を前に書く、ということ 「生」の日ばかり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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